2200年代後半から2210年代にかけて汎用標準艦艇として大量に建造された“アキヅキ級宇宙駆逐艦”とその眷属達には、直接的始祖が存在する。
地球艦艇に長期・長距離航宙性能を備えさせる契機となった『星系間護衛艦艇調達助成制度(詳細は“護衛戦艦小論”を参照)』に基づき日本国が建造した“ユウバリ級護衛巡洋艦”である。
現在では良く知られている通り、本助成制度の目的は大きく二つ存在した。
一つは、今後確実に需要が増大するであろう星系間航路の保護任務を連邦加盟各国に分担させること。そしてもう一つの目的は、外宇宙活動を主任務とする次世代型地球防衛軍艦艇の建造データ収集にあった。
立案者自身もあまりのあざとさに上申を躊躇したと伝えられるほどの制度であったが、各国の“自国の宇宙艦艇”保有に対する願望は意外なほどに強く、その結果、『二三世紀の建艦競争』とまで揶揄される――各国が競って制度適用艦艇を建造する――状況に至った。
各国が計画・建造した艦艇のコンセプトは様々であったが、日本国のコンセプトはその中でも異色だった。
まず特筆すべきは、日本国が計画した艦が第一種艦『護衛戦艦』ではなく、より小型の第二種艦『護衛巡洋艦』であったことだ。
他国の建造艦は、米国のアリゾナ級護衛戦艦に代表されるように“自国のフラッグシップとなる、より大きくより強力な戦闘艦艇”という向きが非常に強く、大国若しくは嘗て大国と呼ばれた国家はこぞって第一種艦である『護衛戦艦』建造に邁進していた。
言い換えれば、各国で建造された護衛戦艦群は、助成制度の根幹である長距離・長期間航宙性能こそ満たしているものの、その実態はまぎれもない“決戦艦”であった。
これに対し、日本国建造艦はコンセプトからして大きく異なっていた。彼らが目指したのは、長距離・長期間の星系間通商路の保護任務に特化した“汎用護衛艦”であり、決してそれ以上の存在ではなかった。当然、建造艦は最低限度の“質”を満たしつつ、最大の“量”を重視する方針が徹底されており、その点で言えば、高価な“戦艦”ではなく比較的安価な“巡洋艦”が選択されたのも当然のことだった。
とはいえ、ヤマトを筆頭に宇宙艦艇の建造と運用に関して経験豊富な日本国であったから、その努力は単なるマスプロダクションやコストダウンに留まらなかった。
彼らは、ガミラス戦役頃からの(波動エンジン実用化後の)宇宙艦艇建造費・運用費の極端な上昇カーヴから、これまでのような年間一〇〇隻単位での大量建造が、早晩予算的に不可能になると考えていた。また、過去数年の大量建造は、実質的に宇宙艦隊をゼロから作り上げる為のラッシュ(特需)に過ぎなかったから、艦隊整備計画の進展に伴い、そのペースが今後漸減、いや急速に低下していくであろうことも想像に難くなかった。
とはいえ、それは決して新造艦艇需要の消滅を意味するものではない。人類領域の拡大に伴って、今後も人類と地球連邦にとって必要とされる艦艇数は確実に増大していくことは確実だったからだ。
しかし、そこで要求される艦艇は、従来艦艇のような機能を役割別に特化させた急造の“専用艦”ではなく、外宇宙活動能力のみならず多種多様な任務に対応する汎用性を持ち、更に長期に渡って運用可能な拡張性を有することが必須と考えられた。
そうした見解を踏まえ、ユウバリ級の開発・建造にあたっては単なる建造コストの低減ではなく、建造開始から就役、そして退役に至るまでのライフサイクルコストが非常に重視されていた。
言い換えれば、現時点では高価であっても、将来的に調達コストの低減が見込める装備、また改造やヴァージョンアップなどの拡張性を有する技術が積極的に採用された。
尚、本級の開発にあたっては、今後四半世紀はFRAMやSLEPを重ねながら現役を務められる艦を目指すことが基本コンセプトの一つとして挙げられていたとされる。
殆どの大国が“決戦艦”建造へと突き進む中、日本国がオーソドックスな(しかし元々の制度目的に適った)“汎用艦”を目指した背景を知る上では、やはり“宇宙戦艦ヤマト”の存在を欠かすことはできない。一部からは『日本はヤマトの存在があったが故に、これ以上の戦艦の建造を断念した』とも評されているが、その評価は部分的には正しくとも、完全な正解ではない。いや、寧ろ誤りをも多く含んでいた。
まず正の部分だが、日本国政府は建造当初からヤマトの建造と運用に深く係っていたが故に(ガミラス戦役後、ヤマトの所管は日本国から地球防衛軍に移っていたが)、そのあまりに高額な運用コストを知り尽くしていた。
一般で認識されている程ではないにせよ、ヤマトは少なからず日本国政府の影響力を受ける形で運用されており、それが結果的には連邦内における日本の発言力の強化に繋がっていた。しかしその代償として、日本国は通常の連邦負担金とは別枠でヤマトの維持管理費や装備開発費の多くを拠出しており、そのあまりに膨大な額から、日本国財務省主計局は政府に対し、ヤマト退役を地球防衛軍に勧告すべきであると何度となく意見していた程だった。
つまり、日本政府は至極単純に、安価に外宇宙運用が可能な汎用艦を欲していたのである。それは、各国がヤマトの存在を羨望し、ヤマトを超える戦艦建造に血道を上げている状況を考えれば、あまりに皮肉な現実であった。
唯一、英国のプリンス・オブ・ウェールズ級(以後POW級)護衛戦艦だけは、艦の規模や直接戦闘能力よりも“護衛任務用の戦艦”としての費用対効果を追及した艦としてユウバリ級の建艦思想に通じるところがあった。しかし、彼女を建造した英国人たちですら“戦艦”というカテゴリーから脱するところにまでは至らなかったのだから、費用対効果に対する徹底では日本人たちに軍配が上がるだろう。
そうした徹底は装備面にも如実に表れていた。POW級では波動砲口の位置を機関部へと近づけるという特異な艦形状によって高価な伝導管の使用量を最小化し、コスト削減を図っていたが、ユウバリ級は更にその上を行き、そもそも波動砲を“搭載していなかった”。
『通商路護衛艦艇に、決戦兵器(波動砲)が必要か?』
各国があえて無視している(この表現こそ最も妥当だろう)この根本的命題に対しても、日本国は明快な回答を用意していた――否である、と。
現代に生きる我々の視点からは、当時の地球連邦全体を覆っていた“波動砲至上主義”“波動砲絶対主義”にこそ異常さを覚えるかもしれない。しかし、周辺列強(ガルマン・ガミラス帝国やボラー連邦)に比べて著しく国力に劣る当時の地球連邦においては、圧倒的戦力差を覆す可能性を秘めた(と信じられている)波動砲は神話的色彩すら帯びた究極兵器であった。
だが、波動砲の装備そのものが指揮官の戦術判断を狭めてしまう(経験の乏しい指揮官の場合、戦術状況に関係なく盲目的に波動砲を使用してしまい、その後の戦闘行動に支障をきたしてしまう)、同規模の艦艇で比較した場合、波動砲搭載艦と非搭載艦では建造コストと長期的な運用・維持コストは倍半分ほどにまで開いてしまう――等のデメリットも、この時期には地球防衛艦隊内部においてさえ、一部から指摘されるようになっていた。
そして日本国は、豊富な波動砲使用実績を持つヤマトの戦闘データを有していたことで、波動砲という兵器の持つ可能性と限界に最も早く気づいていた。それ故に、当時の常識では十分、大型艦のカテゴリーに含まれる本級(乾重量二万二千トン)に波動砲を“搭載しない”という決断を下すことができたのである。
また、ユウバリ級への波動砲非搭載が決定された要因として、弾頭に波動エネルギーを封入する“波動カートリッジ”技術の実用化も無視できない。
当初、主砲用実体弾頭として開発がスタートした波動カートリッジであったが、主砲発射時の高Gに耐久可能な弾頭の開発に手こずり、最初の実用兵器は近接防空兵器である“波動爆雷”であった。そして、主砲弾程の高Gに晒されないという点では宇宙魚雷(直径二〇インチ以上の大型ステルス誘導弾)も同様であり、波動カートリッジ技術が適用されるのに時間はかからなかった。そして、各種シミュレーションでの検証の結果、波動カートリッジ弾頭装着型宇宙魚雷(通称:波動魚雷)は単体での威力こそ波動砲に劣るものの、運用柔軟性においては圧倒するという結論が得られた。
この検討結果は、波動砲という兵器に対する費用対効果に強い疑念を抱いていた日本国にとっては何よりの朗報であり、ユウバリ級の仕様・性能決定に少なくない影響を与えたと言われている。事実、ユウバリ級の艦首ブロックには波動砲の代わりに新開発の超大型宇宙魚雷発射管が四門装備されており、強装状態の波動魚雷を一斉投射した際の威力は、着弾点において従来型巡洋艦(アルジェリー級やオマハ級)の中口径波動砲のエネルギー係数を上回っていた。
また、波動カートリッジは、波動エネルギーの最低臨界量さえ満たしていれば、エネルギー充填量の変更が可能であり、波動砲運用においては常に問題視されるオーバー・キルとコラテラル・ダメージを比較的容易に回避可能という点も大きな魅力だった。
戦艦ではなく巡洋艦、しかも波動砲非搭載艦ということもあり、より大型で強力な護衛戦艦・護衛巡洋艦建造に狂奔している各国からユウバリ級が注目されることは殆どなかった。しかし、仔細に観察すれば、同級に採用されている各種技術の先進性と拡張性、その総体としての完成度が非常に高いことが分る。
搭載された波動エンジンは、ヤマトにプロトタイプが搭載された第三世代波動機関――スーパーチャージャー搭載波動エンジンであり、大幅な小型化に成功した実用型であった。この新型機関が生み出す潤沢で高濃度のタキオンエネルギーは、本級の性能を走・攻・守いずれの面においても著しく底上げしている。
まず機動性だが、超長距離・連続ワープが可能となったことで、本級の戦略機動性は第二世代以前の波動機関を搭載する艦艇とは比較にならないほどにまで向上した。
また、スーパーチャージャー搭載によって純技術的には不要となった補助エンジンを(コスト増になるにも係らず)あえて搭載することで、低速時の運動性を確保していた。これは、本級の想定している一般船舶の護衛任務においては、護衛対象の経済速力に合せた低速航宙が不可欠であり、大容量の波動エンジン(主機関)のみでは低出力時の微妙な出力調整が困難であった為だ。
兵装面では前述した宇宙魚雷(波動魚雷)に加えて、八インチ口径のショックカノンが三連装三基装備された。本砲(三式八吋衝撃波砲)は自動艦隊用乙種艦――ウェポン級自動重駆逐艦に採用されたものと同型であり、既に大量生産されている同砲を流用することで、開発・調達コストの低減を図っている。
二万トン級艦艇に八インチ砲九門の装備はやや貧弱にも感じるが、その発射速度は大出力波動機関の恩恵を受けて各門四〇発/分(ウェポン級は三〇発/分)にまで達しており、八インチ砲及び六インチ砲を各六門備えたアルジェリー級と比較しても、単位時間あたりの投射エネルギー総量は軽く二倍を超える。
尚、本級の搭載火砲が比較的少数に抑えられた大きな要因として、後部区画の多くを航空艤装に充てていることが大きい。
艦艇運用における柔軟性を考えた場合、航空機の搭載有無は非常に大きなファクターとなり得ることを、ヤマトの運用データを持つ日本国は知悉していた。投入可能な戦術局面イコールその艦の汎用性であると考えれば、たとえ火力を多少減じてでも(更に言えば建造コストを上昇させることになっても)、航空機搭載能力を付与することで、本級の費用対効果を飛躍的に向上させ得ると日本人たちは考えたのである。
しかし、こうした発想は、これまでの地球艦艇、特に中・小型艦の設計思想とは対極に位置するのも事実であった。
従来型の地球艦艇は太陽系内での決戦に特化し過ぎており、リソースの大半を直接的な攻撃力(砲雷撃戦能力)に振り向ける向きが非常に強かった。その為、攻撃力を減少させることになる航空艤装は等閑に付されることが多く、特にリソースそのものが限られる中・小型艦においては、固定翼機を搭載可能な艦艇はほぼ皆無という有様だった(比較的規模の大きいアルジェリー級宇宙巡洋艦ですら、搭載機は内火艇等の小型作業艇に限られた)。また、こうした状況が許容されてきた背景として、太陽系内であれば、比較的容易に基地航空隊の支援が受けられるという事情もあった。
しかし、ユウバリ級の想定する活動域が、近傍数千光年内に友軍根拠地は一切存在しない茫漠たる外宇宙である以上、独力で固定翼機を運用・展開し得るか否かは、汎用護衛艦としての本級の戦力価値を大きく左右するのは確実だった。
もし本級がより小型艦であったり、従来型の波動機関を搭載していたならば、典型的に“二兎を追う”結果となって、性能的に中途半端な艦となった可能性が高い。しかし幸いにも、本級は外宇宙用艦艇として計画されたが故に艦サイズに余裕があり、より高出力且つ機能性に優れる新型波動機関を搭載できたことで、極めて高い次元で性能バランスを確保することに成功している。
最終的に決定した本級の航空艤装は、コスモ・タイガーⅡクラスの固定翼機を常用ベースで六機、最大一〇機まで運用可能というものであった。平時編成では一式宇宙艦上戦闘攻撃機『コスモ・タイガーⅡ』四機と同機の戦術偵察型である二式宇宙艦上偵察機『タイガー・アイ』二機を搭載する。また、これに伴い、本級用の艦載機隊として第四五二航空隊が新設されている。
巡洋艦クラスとしては過去に例を見ない程、大幅に強化された航空艤装とは対照的に、本級の防御思想は在来艦のものを手堅く受け継いでいた。より具体的には、装甲強度よりもエネルギーシールドに依った防御が重視されており、これを更に言い換えると、実体弾兵器よりも熱エネルギー兵器に対する抗堪性が重視されていると表現できるだろう。
ガトランティス・デザリアムの両戦役において、敵性勢力はミサイルや宇宙魚雷よりも即応性と射程に優れた熱エネルギー兵器を主兵装としていることが多かった。また、実体弾は各種阻止防御(ソフトキル/ハードキル)が可能であることもあり、実体弾防御に多くのコストとリソースを割くことは実際的ではないという判断に至ったのである。
また、この時期にはデザリアム帝国より入手(簒奪)した技術の一部が実用段階に至っていたことも、本級の防御コンセプト決定に少なくない影響を与えていた。デザリアム艦艇の防御思想は地球以上にエネルギーシールド重視であり、事実、戦艦級艦艇や機動要塞ともなれば、そのシールドは二〇インチクラスのショックカノンにすら平然と耐える性能を与えられていた。
デザリアム戦役後、地球はこれらのエネルギーシールド技術の解析と習熟に努めた。完全な模倣ではなく換骨奪胎――既存技術への応用というアプローチで実用化に取り組んだ結果、比較的早期に既存シールドシステムの防御力向上という大きな成果が得られている。
その結果、本級は“巡洋艦”でありながら、ことエネルギー兵器に対する限り、ボロディノ級主力戦艦の一六インチショックカノンにすら耐久可能な防御性能を得た。もちろんそれは、エネルギーシールドが最大出力で維持されている限りという極めて限定的なものであったが、従来型の巡洋艦とは次元の違う防御力であったことは間違いない。――しかし、こうした本級の防御思想は、後のディンギル戦役において大きな犠牲を払う一因となってしまう。
ユウバリ級は日本各地のドックで四隻同時に起工され、いずれの艦も2205年中に就役している。全艦、同年に発生した太陽危機においては、居住可能惑星の探索任務に従事しており、中でもネームシップの『ユウバリ』と二番艦『ナバリ』は、危機末期に発生したボラー連邦本国艦隊による太陽系侵犯の際、臨時の迎撃艦隊に組み込まれ、実戦を経験している。
嘗ては複数の銀河を支配するほどの興隆を誇っていたものの、現在は永世非干渉中立国として一切の国際関係を絶っていたシャルバート王国。探査任務中の宇宙戦艦ヤマトが偶然にも接触に成功、人道支援の一環として恒星核融合制御装置である“ハイドロコスモジェン砲”の無償供与を受けることができた。
急ぎ太陽系へと帰還したヤマト(この時のヤマトの航宙速度記録は2215年の第四世代波動エンジン実用化まで遂に破られることはなかった)を中心に工作船団が慌ただしく編成されると、既に視直径が通常の3.5倍にまで膨張していた太陽の制御へと向かった。
しかし、太陽へと急ぐ船団の背後至近に、五百隻にも及ぶ大艦隊――ボラー連邦本国艦隊とボラー連邦ベムラーゼ首相が座乗する機動要塞がワープアウトしてきたことで、船団のみならず太陽系全体が大混乱に陥ってしまう。
この時、ヤマトと非武装の各種支援船を護衛していた地球防衛艦隊所属艦艇は僅か二〇余隻。しかし数的には1/20にも満たない護衛艦隊は果敢な防戦を展開しつつ(本来は護衛対象である筈のヤマトも艦長の独自判断で防戦に加わっていた)、ひたすら友軍の救援を待った。もっとも、ボラー連邦軍、いやボラー連邦首相ベムラーゼの目的は工作船団の殲滅ではなく、地球を一種の人質として、ガルマン・ガミラス帝国総統デスラーを誘引することであったから、工作船団への攻撃はあえて牽制程度に留められたという事情もあった(本会戦の背景については別章を参照されたい)。
一方、超・長距離からの恒星直近へのワープアウトというボラー艦隊の極めて危険な行為に、地球防衛軍並びに地球防衛艦隊司令部は驚愕したものの、藤堂兵九郎地球防衛軍長官の判断は素早かった。
本国艦隊と内惑星艦隊の稼働艦艇を根こそぎ動員し(この時期、太陽系外周艦隊の殆どは探査任務にとその支援に充てられていた)、至急救援へと向かわせると共に、各国宇宙軍へも救援艦隊への参加を要請したのである(戦時ではない為、地球防衛軍に各国宇宙軍への直接命令権は無い)。
この要請に応え、地球周辺に存在していた各国の護衛戦艦・護衛巡洋艦一七隻が艦隊に加わり、その中には探査任務から補給・整備の為に帰還していたユウバリ級護衛巡洋艦二隻の姿もあった。
各国護衛艦艇を加えても六〇隻にも満たない地球防衛艦隊がその五倍以上の規模を誇るボラー連邦本国艦隊に殴りかかったことで、後に“太陽沖会戦”と命名されることになる戦闘は第二ラウンドへと突入した。
この戦闘において、ユウバリ級二隻から成る戦隊は、内惑星艦隊所属の宙雷戦隊への支援を担当した。“支援”とはいえ、その実態は突撃する宙雷戦隊の露払いであり、突撃の先頭に立った二隻は、ボラー連邦軍主力を直衛している中小艦艇群の掃討にあたった。
ここで、『ユウバリ』と『ナバリ』はアルジェリー級四隻分を超える砲火力を存分に発揮して、立ち塞がるボラー連邦軍中小艦艇群を終始圧倒、後続する宙雷戦隊の安全を確保すると共に統制雷撃を成功に導いた。また、自らも戦闘の最終局面において“波動魚雷”の戦隊統制雷撃を行っており、少なくとも大型戦艦級艦艇三隻撃沈のスコアを計上している。
戦闘中は一貫して宙雷戦隊の“盾”としての役割を果たしていただけに、両艦の被弾数も少なくはなかった。しかし、本級の強化されたエネルギーシールドはボラー艦艇の大型フェーザー砲に対しても非常に有効であり、最後まで戦闘能力を失うことはなく、人的被害も最小に留まっている。
会戦最終段階でのガルマン・ガミラス帝国親衛艦隊の支援(介入)もあって、地球防衛艦隊と各国宇宙軍は遂にボラー連邦艦隊を退けることに成功した。また、太陽の異常核融合反応も、幾多の尊い犠牲の末にではあったが、ハイドロコスモジェン砲による砲撃によって沈静化している。
“太陽危機”と呼ばれた一年にも及ぶ混乱の終息であった。
太陽沖会戦後、会戦に係る各種の戦術データ・戦訓詳報が会戦に参加した各国宇宙軍のみならず、地球連邦加盟各国にまで公開されたことで、これまで殆ど注目を浴びることのなかったユウバリ級に、俄に各国からの注目が集まることになった。
その要因はやはり太陽沖会戦の経過であった。圧倒的多数のボラー連邦本国艦隊に対して、地球艦艇は個艦性能の優位で辛うじて戦闘を五分に持ち込むことができた。しかし、それを達成したのは会戦に参加した地球艦艇の大半が搭載していた決戦兵器――波動砲によるものではなく、各艦の通常砲雷撃戦能力だったからだ。
既に波動砲の存在を熟知していたボラー連邦は、太陽至近という地形特性を最大限に利用し、常に太陽を背にした戦術運動を行っていた。また、地球艦隊への攻撃にあたっては、戦隊単位に戦力を分散、多方位から一気に押し潰すような物量戦を展開した。
ガルマン・ガミラス帝国軍に比べ、戦術能力で劣ると評されることの多いボラー連邦軍だが、太陽系を奇襲したのは首相直属の最精鋭艦隊であり、装備・戦術・士気共にガルマン・ガミラス帝国親衛艦隊にも何ら劣るところは無かった。
地球艦隊は必死に波動砲発射のタイミングを計ったが、波状的に襲撃してくる圧倒的多数のボラー艦への対応に忙殺され、エネルギー充填の隙すら遂に見出すことができなかった。
こうした状況においても、ユウバリ級は波動魚雷を用いることで、見事大型戦艦三隻を屠っていた。もちろん、ユウバリ級以外にも艦隊に波動魚雷搭載艦は存在したが、それらはいずれも波動砲装備艦でもあり、波動砲砲撃に拘った結果、遂に波動魚雷を有効に活用することができなかったのである。
この事実は、自国の予算規模とインフラでは波動砲を搭載した大型戦艦を建造できないが故に、外宇宙用艦艇建造を断念していた小国には朗報となった。ヤマトのような“戦艦”は欲しいが予算的に導入できず、辛うじて導入可能な“巡洋艦”は規模でも性能でも劣る為(あまり役に立ちそうにない為)、外宇宙用艦艇の建造や購入を諦めた国は意外に多かったのだ。
また、既に波動砲搭載艦を有していた国家群、更には地球防衛艦隊の受けた衝撃も大きかった。彼らの思考は“波動砲を搭載していない艦は、戦闘艦にあらず”という考えで凝り固まっていたからだ。
しかし、ユウバリ級の示した活躍が、そうした思考を根底から覆した。戦艦でなくても、なかんずく波動砲を搭載していなくても、十分に強力な戦闘艦艇が(しかも波動砲搭載艦に比べれば格安で)実現可能である――その事実をユウバリ級の活躍が証明したからである。
その影響は、地球連邦内部で二つの潮流を引き起こした。一つは、地球防衛艦隊において実用性・経済性の観点から波動砲搭載の是非について見直しが開始されたこと。そしてもう一つは諸外国から日本国に対してユウバリ級の発注が急増したことであった。
発注は旧ASEANをはじめとする東アジア・東南アジア諸国からが中心で、それらの国々の宇宙軍士官の多くが日本国の宇宙戦士訓練学校に留学経験を有しており、それも日本艦艇採用を後押ししたであろうことは想像に難くない。
ユウバリ級の輸出価格は、護衛戦艦では最も安価とされたPOW級の更に1/2であり、順調に受注数を伸ばしていくことになる(但し、輸出艦の波動機関は各国の技術レヴェルを考慮し、第二世代波動エンジンにダウングレードされている)。その数は最終的に三〇隻を超え、アジア各国の宇宙港に行けば、必ず目にすることができる『アジアの標準艦』とまで評された。事実、アジア圏において、ある程度の経済力を持ちながら本級を採用しなかったのは大韓民国くらいだった。
同国は助成制度公表直後に一〇万トン規模の超大型戦艦の建造を発表したものの、基礎技術力の乏しさに加えて複数の収賄事件(大統領ファミリー企業への不正発注等)発覚の混乱から、開発計画は完全に頓挫してしまった。その後、米国にアリゾナ級護衛戦艦購入を打診するも、米国提示金額と韓国側予算が全く折り合わず、再び自国建造へと方針を変更している。
こうした状況を受け、宇宙軍の一部では安価且つ早期の外宇宙用艦艇取得を目指すべく、ユウバリ級採用の検討を極秘裏に開始した。しかし、その情報がリークされた結果、軍の検討グループはマスコミとそれに扇動された議員・国民から売国奴を指す“親日”のレッテルを張られる等の袋叩きに遭い、計画はあえなく消滅している。
これらの混乱が最後まで尾を引き、大韓民国が自国の外宇宙用艦艇を手にすることができたのは、アジア諸国でも最も遅い2212年のことであった。
しかし、ようやく完成した大型戦艦“イ・スンシン”にしても、武装にリソースを集中し過ぎた結果、居住性能や航宙性能等のトータルバランスに難があり、既に地球防衛艦隊や各国宇宙軍が“決戦艦”思想から脱却した2210年代においては完全に時代遅れの代物だった。更には、そのあまりにアリゾナに似た外観から、諸外国から“ウリゾナ”と揶揄される有様で、その開発計画は壮大な時間と予算の無駄遣いであったと内外から酷評されることが多い。
――中編へつづく。
さて、2199のテレビ放送も終了しまして、久しぶりの艦艇設定妄想ですw
本当は宇宙空母の続きを書かないといけなかったのですが、色々とあって(笑)こちらが先になりました(^_^;)
既に皆さまお気づきの通り、この艦は『宇宙戦艦ヤマト 完結編』に登場した“駆逐艦”です。
劇中では、ヤマトから退艦した乗組員たちを回収する冬月と水谷艦長が印象的でしたよね。
今回、設定を妄想するにあたり、この駆逐艦は元々、日本の護衛巡洋艦だったという設定をでっち上げました。
“護衛巡洋艦”というのは、ヤマトⅢに登場したアリゾナやPOW、ビスマルク等の“護衛戦艦”の小型版だと思っていただければ結構です。
費用対効果に優れていたことから、その後改設計を受けた上で、地球防衛艦隊の“アキヅキ級宇宙駆逐艦”として採用されることになります。
このあたりの事情については、次回の後編で書いていきますのでお楽しみに(^o^)
実はこのネタを思いついたのは去年入院していた時に“護衛戦艦”ネタを書いていた時でした。
あれから丸々一年かかりましたが、それがようやく具体化できて嬉しいです(^_^;)
さて、写真のキットは、岡山のプラ板使いさんの1/1000スケールガレージキットです。
全長は22センチ(換算サイズ220メートル)もありまして、2199のキリシマ(205メートル)よりもでかいです。
オリジナル版ではヤマトにしても全長は266メートルしかなく、サイズ的にはあまり変わらなかったのですが、全長が333メートルに達した2199ヤマトと並べると、やっと『戦艦』と『巡洋艦』『駆逐艦』っぽくなって良いですね(^o^)
こんな艦を“駆逐艦”として量産するんですから、完結編の頃の地球の国力はたいしたものです(弱さは相変わらずですがw)
キットを製作いただくにあたり、カラーリングは毎度(笑)のオリジナルカラーに変更いただきました。
また、装備面でもかなり弄っていただいてまして、オリジナルでは連装の大型主砲塔一基であるのを、2199ヤマト副砲を三基搭載しています(二基が上甲板、一基が下部甲板)。
また、舷側部のモールドを落して、連装パルスレーザー砲塔を片舷四基設置いただきました。
他にも艦底部に補助エンジンを仕込んでいただいたり、艦橋部のレーダーの角度を変えていただいたりと、あちこに手を加えていただいたので、非常に満足度は高いのです♪ヽ(^◇^*)/ ワーイ
さてさて、忘れないように最後に一言。
この艦設定の殆どは公式設定ではなく、またその設定も『宇宙戦艦ヤマト2199』に基づくものではなく、オリジナル版『宇宙戦艦ヤマト』シリーズに基づくものですw
では、続きも頑張ります(^o^)
地球艦艇に長期・長距離航宙性能を備えさせる契機となった『星系間護衛艦艇調達助成制度(詳細は“護衛戦艦小論”を参照)』に基づき日本国が建造した“ユウバリ級護衛巡洋艦”である。
現在では良く知られている通り、本助成制度の目的は大きく二つ存在した。
一つは、今後確実に需要が増大するであろう星系間航路の保護任務を連邦加盟各国に分担させること。そしてもう一つの目的は、外宇宙活動を主任務とする次世代型地球防衛軍艦艇の建造データ収集にあった。
立案者自身もあまりのあざとさに上申を躊躇したと伝えられるほどの制度であったが、各国の“自国の宇宙艦艇”保有に対する願望は意外なほどに強く、その結果、『二三世紀の建艦競争』とまで揶揄される――各国が競って制度適用艦艇を建造する――状況に至った。
各国が計画・建造した艦艇のコンセプトは様々であったが、日本国のコンセプトはその中でも異色だった。
まず特筆すべきは、日本国が計画した艦が第一種艦『護衛戦艦』ではなく、より小型の第二種艦『護衛巡洋艦』であったことだ。
他国の建造艦は、米国のアリゾナ級護衛戦艦に代表されるように“自国のフラッグシップとなる、より大きくより強力な戦闘艦艇”という向きが非常に強く、大国若しくは嘗て大国と呼ばれた国家はこぞって第一種艦である『護衛戦艦』建造に邁進していた。
言い換えれば、各国で建造された護衛戦艦群は、助成制度の根幹である長距離・長期間航宙性能こそ満たしているものの、その実態はまぎれもない“決戦艦”であった。
これに対し、日本国建造艦はコンセプトからして大きく異なっていた。彼らが目指したのは、長距離・長期間の星系間通商路の保護任務に特化した“汎用護衛艦”であり、決してそれ以上の存在ではなかった。当然、建造艦は最低限度の“質”を満たしつつ、最大の“量”を重視する方針が徹底されており、その点で言えば、高価な“戦艦”ではなく比較的安価な“巡洋艦”が選択されたのも当然のことだった。
とはいえ、ヤマトを筆頭に宇宙艦艇の建造と運用に関して経験豊富な日本国であったから、その努力は単なるマスプロダクションやコストダウンに留まらなかった。
彼らは、ガミラス戦役頃からの(波動エンジン実用化後の)宇宙艦艇建造費・運用費の極端な上昇カーヴから、これまでのような年間一〇〇隻単位での大量建造が、早晩予算的に不可能になると考えていた。また、過去数年の大量建造は、実質的に宇宙艦隊をゼロから作り上げる為のラッシュ(特需)に過ぎなかったから、艦隊整備計画の進展に伴い、そのペースが今後漸減、いや急速に低下していくであろうことも想像に難くなかった。
とはいえ、それは決して新造艦艇需要の消滅を意味するものではない。人類領域の拡大に伴って、今後も人類と地球連邦にとって必要とされる艦艇数は確実に増大していくことは確実だったからだ。
しかし、そこで要求される艦艇は、従来艦艇のような機能を役割別に特化させた急造の“専用艦”ではなく、外宇宙活動能力のみならず多種多様な任務に対応する汎用性を持ち、更に長期に渡って運用可能な拡張性を有することが必須と考えられた。
そうした見解を踏まえ、ユウバリ級の開発・建造にあたっては単なる建造コストの低減ではなく、建造開始から就役、そして退役に至るまでのライフサイクルコストが非常に重視されていた。
言い換えれば、現時点では高価であっても、将来的に調達コストの低減が見込める装備、また改造やヴァージョンアップなどの拡張性を有する技術が積極的に採用された。
尚、本級の開発にあたっては、今後四半世紀はFRAMやSLEPを重ねながら現役を務められる艦を目指すことが基本コンセプトの一つとして挙げられていたとされる。
殆どの大国が“決戦艦”建造へと突き進む中、日本国がオーソドックスな(しかし元々の制度目的に適った)“汎用艦”を目指した背景を知る上では、やはり“宇宙戦艦ヤマト”の存在を欠かすことはできない。一部からは『日本はヤマトの存在があったが故に、これ以上の戦艦の建造を断念した』とも評されているが、その評価は部分的には正しくとも、完全な正解ではない。いや、寧ろ誤りをも多く含んでいた。
まず正の部分だが、日本国政府は建造当初からヤマトの建造と運用に深く係っていたが故に(ガミラス戦役後、ヤマトの所管は日本国から地球防衛軍に移っていたが)、そのあまりに高額な運用コストを知り尽くしていた。
一般で認識されている程ではないにせよ、ヤマトは少なからず日本国政府の影響力を受ける形で運用されており、それが結果的には連邦内における日本の発言力の強化に繋がっていた。しかしその代償として、日本国は通常の連邦負担金とは別枠でヤマトの維持管理費や装備開発費の多くを拠出しており、そのあまりに膨大な額から、日本国財務省主計局は政府に対し、ヤマト退役を地球防衛軍に勧告すべきであると何度となく意見していた程だった。
つまり、日本政府は至極単純に、安価に外宇宙運用が可能な汎用艦を欲していたのである。それは、各国がヤマトの存在を羨望し、ヤマトを超える戦艦建造に血道を上げている状況を考えれば、あまりに皮肉な現実であった。
唯一、英国のプリンス・オブ・ウェールズ級(以後POW級)護衛戦艦だけは、艦の規模や直接戦闘能力よりも“護衛任務用の戦艦”としての費用対効果を追及した艦としてユウバリ級の建艦思想に通じるところがあった。しかし、彼女を建造した英国人たちですら“戦艦”というカテゴリーから脱するところにまでは至らなかったのだから、費用対効果に対する徹底では日本人たちに軍配が上がるだろう。
そうした徹底は装備面にも如実に表れていた。POW級では波動砲口の位置を機関部へと近づけるという特異な艦形状によって高価な伝導管の使用量を最小化し、コスト削減を図っていたが、ユウバリ級は更にその上を行き、そもそも波動砲を“搭載していなかった”。
『通商路護衛艦艇に、決戦兵器(波動砲)が必要か?』
各国があえて無視している(この表現こそ最も妥当だろう)この根本的命題に対しても、日本国は明快な回答を用意していた――否である、と。
現代に生きる我々の視点からは、当時の地球連邦全体を覆っていた“波動砲至上主義”“波動砲絶対主義”にこそ異常さを覚えるかもしれない。しかし、周辺列強(ガルマン・ガミラス帝国やボラー連邦)に比べて著しく国力に劣る当時の地球連邦においては、圧倒的戦力差を覆す可能性を秘めた(と信じられている)波動砲は神話的色彩すら帯びた究極兵器であった。
だが、波動砲の装備そのものが指揮官の戦術判断を狭めてしまう(経験の乏しい指揮官の場合、戦術状況に関係なく盲目的に波動砲を使用してしまい、その後の戦闘行動に支障をきたしてしまう)、同規模の艦艇で比較した場合、波動砲搭載艦と非搭載艦では建造コストと長期的な運用・維持コストは倍半分ほどにまで開いてしまう――等のデメリットも、この時期には地球防衛艦隊内部においてさえ、一部から指摘されるようになっていた。
そして日本国は、豊富な波動砲使用実績を持つヤマトの戦闘データを有していたことで、波動砲という兵器の持つ可能性と限界に最も早く気づいていた。それ故に、当時の常識では十分、大型艦のカテゴリーに含まれる本級(乾重量二万二千トン)に波動砲を“搭載しない”という決断を下すことができたのである。
また、ユウバリ級への波動砲非搭載が決定された要因として、弾頭に波動エネルギーを封入する“波動カートリッジ”技術の実用化も無視できない。
当初、主砲用実体弾頭として開発がスタートした波動カートリッジであったが、主砲発射時の高Gに耐久可能な弾頭の開発に手こずり、最初の実用兵器は近接防空兵器である“波動爆雷”であった。そして、主砲弾程の高Gに晒されないという点では宇宙魚雷(直径二〇インチ以上の大型ステルス誘導弾)も同様であり、波動カートリッジ技術が適用されるのに時間はかからなかった。そして、各種シミュレーションでの検証の結果、波動カートリッジ弾頭装着型宇宙魚雷(通称:波動魚雷)は単体での威力こそ波動砲に劣るものの、運用柔軟性においては圧倒するという結論が得られた。
この検討結果は、波動砲という兵器に対する費用対効果に強い疑念を抱いていた日本国にとっては何よりの朗報であり、ユウバリ級の仕様・性能決定に少なくない影響を与えたと言われている。事実、ユウバリ級の艦首ブロックには波動砲の代わりに新開発の超大型宇宙魚雷発射管が四門装備されており、強装状態の波動魚雷を一斉投射した際の威力は、着弾点において従来型巡洋艦(アルジェリー級やオマハ級)の中口径波動砲のエネルギー係数を上回っていた。
また、波動カートリッジは、波動エネルギーの最低臨界量さえ満たしていれば、エネルギー充填量の変更が可能であり、波動砲運用においては常に問題視されるオーバー・キルとコラテラル・ダメージを比較的容易に回避可能という点も大きな魅力だった。
戦艦ではなく巡洋艦、しかも波動砲非搭載艦ということもあり、より大型で強力な護衛戦艦・護衛巡洋艦建造に狂奔している各国からユウバリ級が注目されることは殆どなかった。しかし、仔細に観察すれば、同級に採用されている各種技術の先進性と拡張性、その総体としての完成度が非常に高いことが分る。
搭載された波動エンジンは、ヤマトにプロトタイプが搭載された第三世代波動機関――スーパーチャージャー搭載波動エンジンであり、大幅な小型化に成功した実用型であった。この新型機関が生み出す潤沢で高濃度のタキオンエネルギーは、本級の性能を走・攻・守いずれの面においても著しく底上げしている。
まず機動性だが、超長距離・連続ワープが可能となったことで、本級の戦略機動性は第二世代以前の波動機関を搭載する艦艇とは比較にならないほどにまで向上した。
また、スーパーチャージャー搭載によって純技術的には不要となった補助エンジンを(コスト増になるにも係らず)あえて搭載することで、低速時の運動性を確保していた。これは、本級の想定している一般船舶の護衛任務においては、護衛対象の経済速力に合せた低速航宙が不可欠であり、大容量の波動エンジン(主機関)のみでは低出力時の微妙な出力調整が困難であった為だ。
兵装面では前述した宇宙魚雷(波動魚雷)に加えて、八インチ口径のショックカノンが三連装三基装備された。本砲(三式八吋衝撃波砲)は自動艦隊用乙種艦――ウェポン級自動重駆逐艦に採用されたものと同型であり、既に大量生産されている同砲を流用することで、開発・調達コストの低減を図っている。
二万トン級艦艇に八インチ砲九門の装備はやや貧弱にも感じるが、その発射速度は大出力波動機関の恩恵を受けて各門四〇発/分(ウェポン級は三〇発/分)にまで達しており、八インチ砲及び六インチ砲を各六門備えたアルジェリー級と比較しても、単位時間あたりの投射エネルギー総量は軽く二倍を超える。
尚、本級の搭載火砲が比較的少数に抑えられた大きな要因として、後部区画の多くを航空艤装に充てていることが大きい。
艦艇運用における柔軟性を考えた場合、航空機の搭載有無は非常に大きなファクターとなり得ることを、ヤマトの運用データを持つ日本国は知悉していた。投入可能な戦術局面イコールその艦の汎用性であると考えれば、たとえ火力を多少減じてでも(更に言えば建造コストを上昇させることになっても)、航空機搭載能力を付与することで、本級の費用対効果を飛躍的に向上させ得ると日本人たちは考えたのである。
しかし、こうした発想は、これまでの地球艦艇、特に中・小型艦の設計思想とは対極に位置するのも事実であった。
従来型の地球艦艇は太陽系内での決戦に特化し過ぎており、リソースの大半を直接的な攻撃力(砲雷撃戦能力)に振り向ける向きが非常に強かった。その為、攻撃力を減少させることになる航空艤装は等閑に付されることが多く、特にリソースそのものが限られる中・小型艦においては、固定翼機を搭載可能な艦艇はほぼ皆無という有様だった(比較的規模の大きいアルジェリー級宇宙巡洋艦ですら、搭載機は内火艇等の小型作業艇に限られた)。また、こうした状況が許容されてきた背景として、太陽系内であれば、比較的容易に基地航空隊の支援が受けられるという事情もあった。
しかし、ユウバリ級の想定する活動域が、近傍数千光年内に友軍根拠地は一切存在しない茫漠たる外宇宙である以上、独力で固定翼機を運用・展開し得るか否かは、汎用護衛艦としての本級の戦力価値を大きく左右するのは確実だった。
もし本級がより小型艦であったり、従来型の波動機関を搭載していたならば、典型的に“二兎を追う”結果となって、性能的に中途半端な艦となった可能性が高い。しかし幸いにも、本級は外宇宙用艦艇として計画されたが故に艦サイズに余裕があり、より高出力且つ機能性に優れる新型波動機関を搭載できたことで、極めて高い次元で性能バランスを確保することに成功している。
最終的に決定した本級の航空艤装は、コスモ・タイガーⅡクラスの固定翼機を常用ベースで六機、最大一〇機まで運用可能というものであった。平時編成では一式宇宙艦上戦闘攻撃機『コスモ・タイガーⅡ』四機と同機の戦術偵察型である二式宇宙艦上偵察機『タイガー・アイ』二機を搭載する。また、これに伴い、本級用の艦載機隊として第四五二航空隊が新設されている。
巡洋艦クラスとしては過去に例を見ない程、大幅に強化された航空艤装とは対照的に、本級の防御思想は在来艦のものを手堅く受け継いでいた。より具体的には、装甲強度よりもエネルギーシールドに依った防御が重視されており、これを更に言い換えると、実体弾兵器よりも熱エネルギー兵器に対する抗堪性が重視されていると表現できるだろう。
ガトランティス・デザリアムの両戦役において、敵性勢力はミサイルや宇宙魚雷よりも即応性と射程に優れた熱エネルギー兵器を主兵装としていることが多かった。また、実体弾は各種阻止防御(ソフトキル/ハードキル)が可能であることもあり、実体弾防御に多くのコストとリソースを割くことは実際的ではないという判断に至ったのである。
また、この時期にはデザリアム帝国より入手(簒奪)した技術の一部が実用段階に至っていたことも、本級の防御コンセプト決定に少なくない影響を与えていた。デザリアム艦艇の防御思想は地球以上にエネルギーシールド重視であり、事実、戦艦級艦艇や機動要塞ともなれば、そのシールドは二〇インチクラスのショックカノンにすら平然と耐える性能を与えられていた。
デザリアム戦役後、地球はこれらのエネルギーシールド技術の解析と習熟に努めた。完全な模倣ではなく換骨奪胎――既存技術への応用というアプローチで実用化に取り組んだ結果、比較的早期に既存シールドシステムの防御力向上という大きな成果が得られている。
その結果、本級は“巡洋艦”でありながら、ことエネルギー兵器に対する限り、ボロディノ級主力戦艦の一六インチショックカノンにすら耐久可能な防御性能を得た。もちろんそれは、エネルギーシールドが最大出力で維持されている限りという極めて限定的なものであったが、従来型の巡洋艦とは次元の違う防御力であったことは間違いない。――しかし、こうした本級の防御思想は、後のディンギル戦役において大きな犠牲を払う一因となってしまう。
ユウバリ級は日本各地のドックで四隻同時に起工され、いずれの艦も2205年中に就役している。全艦、同年に発生した太陽危機においては、居住可能惑星の探索任務に従事しており、中でもネームシップの『ユウバリ』と二番艦『ナバリ』は、危機末期に発生したボラー連邦本国艦隊による太陽系侵犯の際、臨時の迎撃艦隊に組み込まれ、実戦を経験している。
嘗ては複数の銀河を支配するほどの興隆を誇っていたものの、現在は永世非干渉中立国として一切の国際関係を絶っていたシャルバート王国。探査任務中の宇宙戦艦ヤマトが偶然にも接触に成功、人道支援の一環として恒星核融合制御装置である“ハイドロコスモジェン砲”の無償供与を受けることができた。
急ぎ太陽系へと帰還したヤマト(この時のヤマトの航宙速度記録は2215年の第四世代波動エンジン実用化まで遂に破られることはなかった)を中心に工作船団が慌ただしく編成されると、既に視直径が通常の3.5倍にまで膨張していた太陽の制御へと向かった。
しかし、太陽へと急ぐ船団の背後至近に、五百隻にも及ぶ大艦隊――ボラー連邦本国艦隊とボラー連邦ベムラーゼ首相が座乗する機動要塞がワープアウトしてきたことで、船団のみならず太陽系全体が大混乱に陥ってしまう。
この時、ヤマトと非武装の各種支援船を護衛していた地球防衛艦隊所属艦艇は僅か二〇余隻。しかし数的には1/20にも満たない護衛艦隊は果敢な防戦を展開しつつ(本来は護衛対象である筈のヤマトも艦長の独自判断で防戦に加わっていた)、ひたすら友軍の救援を待った。もっとも、ボラー連邦軍、いやボラー連邦首相ベムラーゼの目的は工作船団の殲滅ではなく、地球を一種の人質として、ガルマン・ガミラス帝国総統デスラーを誘引することであったから、工作船団への攻撃はあえて牽制程度に留められたという事情もあった(本会戦の背景については別章を参照されたい)。
一方、超・長距離からの恒星直近へのワープアウトというボラー艦隊の極めて危険な行為に、地球防衛軍並びに地球防衛艦隊司令部は驚愕したものの、藤堂兵九郎地球防衛軍長官の判断は素早かった。
本国艦隊と内惑星艦隊の稼働艦艇を根こそぎ動員し(この時期、太陽系外周艦隊の殆どは探査任務にとその支援に充てられていた)、至急救援へと向かわせると共に、各国宇宙軍へも救援艦隊への参加を要請したのである(戦時ではない為、地球防衛軍に各国宇宙軍への直接命令権は無い)。
この要請に応え、地球周辺に存在していた各国の護衛戦艦・護衛巡洋艦一七隻が艦隊に加わり、その中には探査任務から補給・整備の為に帰還していたユウバリ級護衛巡洋艦二隻の姿もあった。
各国護衛艦艇を加えても六〇隻にも満たない地球防衛艦隊がその五倍以上の規模を誇るボラー連邦本国艦隊に殴りかかったことで、後に“太陽沖会戦”と命名されることになる戦闘は第二ラウンドへと突入した。
この戦闘において、ユウバリ級二隻から成る戦隊は、内惑星艦隊所属の宙雷戦隊への支援を担当した。“支援”とはいえ、その実態は突撃する宙雷戦隊の露払いであり、突撃の先頭に立った二隻は、ボラー連邦軍主力を直衛している中小艦艇群の掃討にあたった。
ここで、『ユウバリ』と『ナバリ』はアルジェリー級四隻分を超える砲火力を存分に発揮して、立ち塞がるボラー連邦軍中小艦艇群を終始圧倒、後続する宙雷戦隊の安全を確保すると共に統制雷撃を成功に導いた。また、自らも戦闘の最終局面において“波動魚雷”の戦隊統制雷撃を行っており、少なくとも大型戦艦級艦艇三隻撃沈のスコアを計上している。
戦闘中は一貫して宙雷戦隊の“盾”としての役割を果たしていただけに、両艦の被弾数も少なくはなかった。しかし、本級の強化されたエネルギーシールドはボラー艦艇の大型フェーザー砲に対しても非常に有効であり、最後まで戦闘能力を失うことはなく、人的被害も最小に留まっている。
会戦最終段階でのガルマン・ガミラス帝国親衛艦隊の支援(介入)もあって、地球防衛艦隊と各国宇宙軍は遂にボラー連邦艦隊を退けることに成功した。また、太陽の異常核融合反応も、幾多の尊い犠牲の末にではあったが、ハイドロコスモジェン砲による砲撃によって沈静化している。
“太陽危機”と呼ばれた一年にも及ぶ混乱の終息であった。
太陽沖会戦後、会戦に係る各種の戦術データ・戦訓詳報が会戦に参加した各国宇宙軍のみならず、地球連邦加盟各国にまで公開されたことで、これまで殆ど注目を浴びることのなかったユウバリ級に、俄に各国からの注目が集まることになった。
その要因はやはり太陽沖会戦の経過であった。圧倒的多数のボラー連邦本国艦隊に対して、地球艦艇は個艦性能の優位で辛うじて戦闘を五分に持ち込むことができた。しかし、それを達成したのは会戦に参加した地球艦艇の大半が搭載していた決戦兵器――波動砲によるものではなく、各艦の通常砲雷撃戦能力だったからだ。
既に波動砲の存在を熟知していたボラー連邦は、太陽至近という地形特性を最大限に利用し、常に太陽を背にした戦術運動を行っていた。また、地球艦隊への攻撃にあたっては、戦隊単位に戦力を分散、多方位から一気に押し潰すような物量戦を展開した。
ガルマン・ガミラス帝国軍に比べ、戦術能力で劣ると評されることの多いボラー連邦軍だが、太陽系を奇襲したのは首相直属の最精鋭艦隊であり、装備・戦術・士気共にガルマン・ガミラス帝国親衛艦隊にも何ら劣るところは無かった。
地球艦隊は必死に波動砲発射のタイミングを計ったが、波状的に襲撃してくる圧倒的多数のボラー艦への対応に忙殺され、エネルギー充填の隙すら遂に見出すことができなかった。
こうした状況においても、ユウバリ級は波動魚雷を用いることで、見事大型戦艦三隻を屠っていた。もちろん、ユウバリ級以外にも艦隊に波動魚雷搭載艦は存在したが、それらはいずれも波動砲装備艦でもあり、波動砲砲撃に拘った結果、遂に波動魚雷を有効に活用することができなかったのである。
この事実は、自国の予算規模とインフラでは波動砲を搭載した大型戦艦を建造できないが故に、外宇宙用艦艇建造を断念していた小国には朗報となった。ヤマトのような“戦艦”は欲しいが予算的に導入できず、辛うじて導入可能な“巡洋艦”は規模でも性能でも劣る為(あまり役に立ちそうにない為)、外宇宙用艦艇の建造や購入を諦めた国は意外に多かったのだ。
また、既に波動砲搭載艦を有していた国家群、更には地球防衛艦隊の受けた衝撃も大きかった。彼らの思考は“波動砲を搭載していない艦は、戦闘艦にあらず”という考えで凝り固まっていたからだ。
しかし、ユウバリ級の示した活躍が、そうした思考を根底から覆した。戦艦でなくても、なかんずく波動砲を搭載していなくても、十分に強力な戦闘艦艇が(しかも波動砲搭載艦に比べれば格安で)実現可能である――その事実をユウバリ級の活躍が証明したからである。
その影響は、地球連邦内部で二つの潮流を引き起こした。一つは、地球防衛艦隊において実用性・経済性の観点から波動砲搭載の是非について見直しが開始されたこと。そしてもう一つは諸外国から日本国に対してユウバリ級の発注が急増したことであった。
発注は旧ASEANをはじめとする東アジア・東南アジア諸国からが中心で、それらの国々の宇宙軍士官の多くが日本国の宇宙戦士訓練学校に留学経験を有しており、それも日本艦艇採用を後押ししたであろうことは想像に難くない。
ユウバリ級の輸出価格は、護衛戦艦では最も安価とされたPOW級の更に1/2であり、順調に受注数を伸ばしていくことになる(但し、輸出艦の波動機関は各国の技術レヴェルを考慮し、第二世代波動エンジンにダウングレードされている)。その数は最終的に三〇隻を超え、アジア各国の宇宙港に行けば、必ず目にすることができる『アジアの標準艦』とまで評された。事実、アジア圏において、ある程度の経済力を持ちながら本級を採用しなかったのは大韓民国くらいだった。
同国は助成制度公表直後に一〇万トン規模の超大型戦艦の建造を発表したものの、基礎技術力の乏しさに加えて複数の収賄事件(大統領ファミリー企業への不正発注等)発覚の混乱から、開発計画は完全に頓挫してしまった。その後、米国にアリゾナ級護衛戦艦購入を打診するも、米国提示金額と韓国側予算が全く折り合わず、再び自国建造へと方針を変更している。
こうした状況を受け、宇宙軍の一部では安価且つ早期の外宇宙用艦艇取得を目指すべく、ユウバリ級採用の検討を極秘裏に開始した。しかし、その情報がリークされた結果、軍の検討グループはマスコミとそれに扇動された議員・国民から売国奴を指す“親日”のレッテルを張られる等の袋叩きに遭い、計画はあえなく消滅している。
これらの混乱が最後まで尾を引き、大韓民国が自国の外宇宙用艦艇を手にすることができたのは、アジア諸国でも最も遅い2212年のことであった。
しかし、ようやく完成した大型戦艦“イ・スンシン”にしても、武装にリソースを集中し過ぎた結果、居住性能や航宙性能等のトータルバランスに難があり、既に地球防衛艦隊や各国宇宙軍が“決戦艦”思想から脱却した2210年代においては完全に時代遅れの代物だった。更には、そのあまりにアリゾナに似た外観から、諸外国から“ウリゾナ”と揶揄される有様で、その開発計画は壮大な時間と予算の無駄遣いであったと内外から酷評されることが多い。
――中編へつづく。
さて、2199のテレビ放送も終了しまして、久しぶりの艦艇設定妄想ですw
本当は宇宙空母の続きを書かないといけなかったのですが、色々とあって(笑)こちらが先になりました(^_^;)
既に皆さまお気づきの通り、この艦は『宇宙戦艦ヤマト 完結編』に登場した“駆逐艦”です。
劇中では、ヤマトから退艦した乗組員たちを回収する冬月と水谷艦長が印象的でしたよね。
今回、設定を妄想するにあたり、この駆逐艦は元々、日本の護衛巡洋艦だったという設定をでっち上げました。
“護衛巡洋艦”というのは、ヤマトⅢに登場したアリゾナやPOW、ビスマルク等の“護衛戦艦”の小型版だと思っていただければ結構です。
費用対効果に優れていたことから、その後改設計を受けた上で、地球防衛艦隊の“アキヅキ級宇宙駆逐艦”として採用されることになります。
このあたりの事情については、次回の後編で書いていきますのでお楽しみに(^o^)
実はこのネタを思いついたのは去年入院していた時に“護衛戦艦”ネタを書いていた時でした。
あれから丸々一年かかりましたが、それがようやく具体化できて嬉しいです(^_^;)
さて、写真のキットは、岡山のプラ板使いさんの1/1000スケールガレージキットです。
全長は22センチ(換算サイズ220メートル)もありまして、2199のキリシマ(205メートル)よりもでかいです。
オリジナル版ではヤマトにしても全長は266メートルしかなく、サイズ的にはあまり変わらなかったのですが、全長が333メートルに達した2199ヤマトと並べると、やっと『戦艦』と『巡洋艦』『駆逐艦』っぽくなって良いですね(^o^)
こんな艦を“駆逐艦”として量産するんですから、完結編の頃の地球の国力はたいしたものです(弱さは相変わらずですがw)
キットを製作いただくにあたり、カラーリングは毎度(笑)のオリジナルカラーに変更いただきました。
また、装備面でもかなり弄っていただいてまして、オリジナルでは連装の大型主砲塔一基であるのを、2199ヤマト副砲を三基搭載しています(二基が上甲板、一基が下部甲板)。
また、舷側部のモールドを落して、連装パルスレーザー砲塔を片舷四基設置いただきました。
他にも艦底部に補助エンジンを仕込んでいただいたり、艦橋部のレーダーの角度を変えていただいたりと、あちこに手を加えていただいたので、非常に満足度は高いのです♪ヽ(^◇^*)/ ワーイ
さてさて、忘れないように最後に一言。
この艦設定の殆どは公式設定ではなく、またその設定も『宇宙戦艦ヤマト2199』に基づくものではなく、オリジナル版『宇宙戦艦ヤマト』シリーズに基づくものですw
では、続きも頑張ります(^o^)