こちらは《絹のはしご》あらすじ、詳しいバージョン。
重唱などの場面の、会話なども多少まとめてるので、これを読めば舞台だけを見てても、何となくどこの場面がわかるようにはしてみました。
文章だと長いですが、1時間20分程度のとてもコミカルな作品ですので、肩肘はらずに楽しんで頂けると思います
それでは稽古に行ってきます(笑)
《絹のはしご》あらすじ(詳しいやつ)
ジューリアはいわゆる名家の「お嬢様」だが、実は後見人ドルモンに秘密で、すでに結婚している。
それを認めたのは伯母。だが、厳格な後見人相手では、なかなかそれを伝える良いタイミングが見つからない。
仕方なくジューリアは、絹で作られたはしごをおろし、自分の部屋に夫ドルヴィルを招き入れ、毎夜逢引きを繰り返している。
このオペラは、そんなある日の話。
ジューリアの部屋に召使のジェルマーノがやってくる。
実は今日は部屋にドルヴィルを隠しているジューリア。
夫が見つかりはしないか、ひやひやしながらジェルマーノを追い払おうとするが、なかなかうまくいかない。
すると今度は従姉妹のルチッラまでもがやってくる。癇癪を起こしながら、やっとの事で2人を追い出し、隠していたドルヴィルを絹のはしごを使って窓から逃がす。
また真夜中に戻ってきてね、と約束を交わして。
そこへ後見人ドルモンがルチッラと共にやってくる。自らが決めたジューリアの婚約者、ブランザックの来訪を告げに来たのだ。
勝手に進められる結婚話に苛々するジューリアを尻目に、ルチッラは色男で名高いブランザックにすっかり夢中。
その様子を見たジューリアは一計を案じ、自分の婚約者ブランザックをルチッラと結婚させることを思いつく。
しかしこの作戦にはしもべが必要、と思ったジューリアは、すぐさま色仕掛けで召使ジェルマーノにすり寄る。
いつもと違うジューリアの態度に自分に気がある、と勘違いしたジェルマーノは大喜び。何でも言ってくれ、何でもしましょうと、口を滑らす。
その途端にジューリアは態度を一変、ブランザックとルチッラの関係が気になる、逐一報告してくれと命令する。
ジューリアの秘密の結婚を知らないジェルマーノは、彼女がブランザックに惚れたと、またまた勘違い。
がっかりしながらも、結局は命令に従うことを約束する。
さて、その頃後見人ドルモンは、いよいよジューリアとブランザックの結婚話を進めている。
が、そのブランザックが結婚の公証人に、友人ドルヴィルを連れてくる。
ジューリアとの秘密の結婚を明かすわけにはいかないが、何とかしてブランザックに結婚を思いとどまらせようと、ドルヴィルは説得を試みる。
「何でも噂じゃ、ジューリアは後見人の言いなりになってるだけで、きみを愛してなんかいないさ。こんな結婚やめたまえよ。」
しかし説得は逆効果。
「女の一人くらい、このブランザック様の手にかかればお手のもの。そこの物陰に隠れて、見てるがいいさ」
その自信満々の言い草に、ドルヴィルも腹をくくり、
「望む通りにしよう、見届けてあげるよ!きみの甘い言葉に情熱なら、きっとうまくいくに違いないね!」
そう言って、物陰に隠れたものの、内心不安でたまらない。
そんな事は何も知らずに、ジェルマーノがやってくる。
「おや、あれは花婿様だ。お嬢様に言われた仕事をしなくちゃいかんよな」
と、別の物陰に隠れてブランザックの様子をうかがっていると、そこに今度はジューリアがやってくる。
早速口説きにかかるブランザック。
ジューリアは、従姉妹ルチッラの結婚相手としてブランザックの人となりを見定めなくては、と、まずはつれない態度で彼の反応を見る。
しかし女心を知り尽くしたブランザックも、負けじと気障な美辞麗句を並べ立てて、猛アピール。
ジューリアもこれには心を許し始め、その態度を見て物陰で一喜一憂するドルヴィル。
それぞれがそれぞれの思惑に気付かず、3人の勘違いと勘違いが錯綜し始める。
ただ一人、ジェルマーノだけはどうも皆の様子がおかしい、と物陰で首をかしげる。
そんな中、ジューリアによるブランザックの花婿査定も最終段階。
「あなたは結婚しても誠実ですか?」
「誠実ですとも!」
「愛を誓いますか?」
「誓いますとも!」
すっかりブランザックを信用し、これならルチッラの結婚相手にふさわしいわ!と心の中で喜ぶジューリア。
そんなジューリアの思惑も知らず、ついに陥落させたと勘違いし、喜ぶブランザック。
一方ドルヴィルは、ジューリアがすっかりブランザックに惚れ込んだと、これまた勘違い。
おかしな事態に、1人冷静なジェルマーノはどうにも我慢できず、そっとジューリアに声をかける。
「あのう、お嬢様、あそこに気になる人が…」
と、指した先に隠れていたのはジューリアの秘密の夫、ドルヴィル。
勝ち誇ったブランザックが呼ぶと、ドルヴィルが姿を現し、嫉妬にかられジューリアに皮肉を浴びせる。
ジューリアは誤解を解こうとするが、もはや各人の思惑と勘違い、全てがこんがらがり、すぐには解決不可能。
その怒りの矛先を、誰もがこぞってジェルマーノに向け、八つ当たりを始める。
流れるように言い訳を並べ、平謝りのジェルマーノ。
ついにはいたたまれなくなり、ジューリアとジェルマーノが立ち去る。
2人残されたドルヴィルとブランザック。ブランザックはドルヴィルに、自分の結婚を町中に告げてくれないか、と頼む。嫉妬でつぶされそうになりながら、出ていくドルヴィル。
すると入れ替わりにルチッラがやってくる。美人とみたブランザックは、さっきジューリアに誓った言葉はどこへやら、ルチッラに立て板に水のごとく甘い言葉をかける。
ルチッラは恥ずかしがりながらも、まんざらでもない様子。
「従姉妹に悪いですわ…でもでも、私はそうつれない女じゃありませんのよ…あなたさえよろしければ…」
と、顔を赤らめながら初々しい態度でその場を離れる。
ブランザックは
「こりゃあ困ったな!2人とも甲乙つけがたい!」と、上機嫌。
そこへジェルマーノがやってきて、雑談を始める二人。上機嫌のブランザックはジェルマーノをおだて、去っていく。
ジェルマーノも酒を飲みながら、召使仕事をするため、隣の部屋へ。
入れ替わりにジューリアがやって来て、ドルヴィルの誤解を解かなくては、と独り言。
「とにかく、逢い引きのために真夜中になったら絹のはしごを垂らして、と。」
その言葉の端々だけを聞いたジェルマーノは、そうか!と、一人で得心顔。
「お嬢様は真夜中に、絹のはしごで逢引きするんだ!で、その相手はブランザックに違いない!」
やっと全てがわかったぞ!やっぱり俺は賢いね、と酒を飲みながら上機嫌で高いびき。
そこへやってきたブランザック。ジェルマーノの寝言が耳に入る。
「お嬢さんが…むにゃむにゃ…逢引きを…ブランザックの旦那と…」
聞き捨てならじ、とブランザックに叩き起こされたジェルマーノは自分の知っている事をすべてを話す。
逢いびきの相手だけが、間違っている訳だが。
「真夜中になったら、お嬢さんが絹のはしごを降ろすのさ。それを使ってあんたは部屋に入るんだね、ゆっくり逢い引きするがいいさ!」
それを聞いたブランザックは浮き浮きとして真夜中を待つ。
そこへ後見人ドルモンがルチッラとともにやってくる。
ブランザックとドルモンは去り、ジェルマーノは去り際にルチッラに(勘違いの)逢い引き話を告げる。
ブランザックへの恋心が抑えられないルチッラは、我慢できずに物陰に隠れて逢引きの様子をうかがう。
一方ジェルマーノは、ひとつ色男に恋の手習いを教えて頂きますか、と別の物陰に身を隠す。
さて、そんな事は何も知らないジューリアが部屋に戻り、真夜中になって絹のはしごを降ろすと、秘密の夫ドルヴィルがやってくる。
時間がたって冷静になったドルヴィルはジューリアへの誤解を解き、愛し合う2人はめでたく仲直り。
しかしその時外から、愛しい人、とジューリアを呼ぶ声が聞こえる。
あの声はブランザック!と、嫉妬でカッとするドルヴィルをおさえるジューリア。
ここで騒ぎになって、後見人にドルヴィルの存在が気づかれたらすべてがおじゃんになる。
何とかドルヴィルをなだめて小部屋に隠す。
ルチッラ、ジェルマーノ、ドルヴィルと、もはや物陰は満員御礼。
しかし、事の発端のジェルマーノは、この騒ぎを出歯亀よろしく楽しんでいる。
そこへ意気揚々と絹のはしごを使って、ブランザックがやってきた。
「逢引きにきましたよ、お嬢さん」
訳が分からず、
「誰と誰の?」と、ジューリア。
「あなたと私の。」
と、ブランザック。
取り乱したジューリアが
「いつそんな約束を!」
と叫ぶと、ブランザックは、
「ジェルマーノがそう言ってましたがね」
ジェルマーノは物陰で思わず呻き声。
一方ジューリアはジェルマーノに怒り心頭。
そしてブランザックは、
「自分で絹のはしごをかけたくせに」と、勘違いしながらジューリアを本気で口説きにかかる。
物陰のドルヴィルは嫉妬で気も狂わんばかり。ジェルマーノは、やっと自分の勘違いに気づく。
するとそこへ騒ぎを聞きつけた後見人ドルモンの声。
真っ青になるジューリアをなだめ、ブランザックは慣れた体でさっさと身を隠す。
ジューリアが片付け忘れた絹のはしごを突きつけ、無断で逢引きをしていたなと怒るドルモンに、さすがのジューリアも万事休す。
「出てこい、不届き者!」
と、ドルモンが隠れている人物を引っ張り出すと、出てきたのはルチッラ。
「ここで逢引きがあるって聞いたから、気になって気になって…」
別の物陰に気配を感じ、今度こそ間男だ!とドルモンが引っ張り出すと、
「私です」
と、しれっとした態度のブランザック。
「何故婚約者がこそこそと逢いびきを…まぁもういい!さっさと結婚証書に署名するんだ!」
と、ドルモンが机を動かすと、そこには召使いジェルマーノ。
「ここで逢い引きがあるって言うから、気になって気になって…」
と、平謝り。
そして更に、別の物陰から堂々とドルヴィルが自ら現れ、私こそがジューリアの夫だ、と名乗りを上げる始末。
ひっくり返り、あまりの事態に言葉もないドルモン。
ブランザックは、こいつは傑作、逢引きの大安売りだなと、笑う。
ついにジューリアは覚悟を決め、秘密の結婚の全てを話してドルモンに許しを請う。そして、この結婚を許した伯母からの手紙を見せ、どうか認めてほしいと頼む。
頭の上がらない伯母からの許しがあっては、と唸るドルモン。
するとブランザックが
「それなら私はルチッラと結婚しましょう」
と、言い出す。彼にぞっこんのルチッラは二つ返事で快諾。
これにはドルモンも、全てを認めざるを得ない。
「もうなるようにしかならん!好きにするがいい」
全ては愛のせい、と全員が歌い上げて平和に幕が下りる。
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文章だと長いですが、1時間20分程度のとてもコミカルな作品ですので、肩肘はらずに楽しんで頂けると思います
それでは稽古に行ってきます(笑)
《絹のはしご》あらすじ(詳しいやつ)
ジューリアはいわゆる名家の「お嬢様」だが、実は後見人ドルモンに秘密で、すでに結婚している。
それを認めたのは伯母。だが、厳格な後見人相手では、なかなかそれを伝える良いタイミングが見つからない。
仕方なくジューリアは、絹で作られたはしごをおろし、自分の部屋に夫ドルヴィルを招き入れ、毎夜逢引きを繰り返している。
このオペラは、そんなある日の話。
ジューリアの部屋に召使のジェルマーノがやってくる。
実は今日は部屋にドルヴィルを隠しているジューリア。
夫が見つかりはしないか、ひやひやしながらジェルマーノを追い払おうとするが、なかなかうまくいかない。
すると今度は従姉妹のルチッラまでもがやってくる。癇癪を起こしながら、やっとの事で2人を追い出し、隠していたドルヴィルを絹のはしごを使って窓から逃がす。
また真夜中に戻ってきてね、と約束を交わして。
そこへ後見人ドルモンがルチッラと共にやってくる。自らが決めたジューリアの婚約者、ブランザックの来訪を告げに来たのだ。
勝手に進められる結婚話に苛々するジューリアを尻目に、ルチッラは色男で名高いブランザックにすっかり夢中。
その様子を見たジューリアは一計を案じ、自分の婚約者ブランザックをルチッラと結婚させることを思いつく。
しかしこの作戦にはしもべが必要、と思ったジューリアは、すぐさま色仕掛けで召使ジェルマーノにすり寄る。
いつもと違うジューリアの態度に自分に気がある、と勘違いしたジェルマーノは大喜び。何でも言ってくれ、何でもしましょうと、口を滑らす。
その途端にジューリアは態度を一変、ブランザックとルチッラの関係が気になる、逐一報告してくれと命令する。
ジューリアの秘密の結婚を知らないジェルマーノは、彼女がブランザックに惚れたと、またまた勘違い。
がっかりしながらも、結局は命令に従うことを約束する。
さて、その頃後見人ドルモンは、いよいよジューリアとブランザックの結婚話を進めている。
が、そのブランザックが結婚の公証人に、友人ドルヴィルを連れてくる。
ジューリアとの秘密の結婚を明かすわけにはいかないが、何とかしてブランザックに結婚を思いとどまらせようと、ドルヴィルは説得を試みる。
「何でも噂じゃ、ジューリアは後見人の言いなりになってるだけで、きみを愛してなんかいないさ。こんな結婚やめたまえよ。」
しかし説得は逆効果。
「女の一人くらい、このブランザック様の手にかかればお手のもの。そこの物陰に隠れて、見てるがいいさ」
その自信満々の言い草に、ドルヴィルも腹をくくり、
「望む通りにしよう、見届けてあげるよ!きみの甘い言葉に情熱なら、きっとうまくいくに違いないね!」
そう言って、物陰に隠れたものの、内心不安でたまらない。
そんな事は何も知らずに、ジェルマーノがやってくる。
「おや、あれは花婿様だ。お嬢様に言われた仕事をしなくちゃいかんよな」
と、別の物陰に隠れてブランザックの様子をうかがっていると、そこに今度はジューリアがやってくる。
早速口説きにかかるブランザック。
ジューリアは、従姉妹ルチッラの結婚相手としてブランザックの人となりを見定めなくては、と、まずはつれない態度で彼の反応を見る。
しかし女心を知り尽くしたブランザックも、負けじと気障な美辞麗句を並べ立てて、猛アピール。
ジューリアもこれには心を許し始め、その態度を見て物陰で一喜一憂するドルヴィル。
それぞれがそれぞれの思惑に気付かず、3人の勘違いと勘違いが錯綜し始める。
ただ一人、ジェルマーノだけはどうも皆の様子がおかしい、と物陰で首をかしげる。
そんな中、ジューリアによるブランザックの花婿査定も最終段階。
「あなたは結婚しても誠実ですか?」
「誠実ですとも!」
「愛を誓いますか?」
「誓いますとも!」
すっかりブランザックを信用し、これならルチッラの結婚相手にふさわしいわ!と心の中で喜ぶジューリア。
そんなジューリアの思惑も知らず、ついに陥落させたと勘違いし、喜ぶブランザック。
一方ドルヴィルは、ジューリアがすっかりブランザックに惚れ込んだと、これまた勘違い。
おかしな事態に、1人冷静なジェルマーノはどうにも我慢できず、そっとジューリアに声をかける。
「あのう、お嬢様、あそこに気になる人が…」
と、指した先に隠れていたのはジューリアの秘密の夫、ドルヴィル。
勝ち誇ったブランザックが呼ぶと、ドルヴィルが姿を現し、嫉妬にかられジューリアに皮肉を浴びせる。
ジューリアは誤解を解こうとするが、もはや各人の思惑と勘違い、全てがこんがらがり、すぐには解決不可能。
その怒りの矛先を、誰もがこぞってジェルマーノに向け、八つ当たりを始める。
流れるように言い訳を並べ、平謝りのジェルマーノ。
ついにはいたたまれなくなり、ジューリアとジェルマーノが立ち去る。
2人残されたドルヴィルとブランザック。ブランザックはドルヴィルに、自分の結婚を町中に告げてくれないか、と頼む。嫉妬でつぶされそうになりながら、出ていくドルヴィル。
すると入れ替わりにルチッラがやってくる。美人とみたブランザックは、さっきジューリアに誓った言葉はどこへやら、ルチッラに立て板に水のごとく甘い言葉をかける。
ルチッラは恥ずかしがりながらも、まんざらでもない様子。
「従姉妹に悪いですわ…でもでも、私はそうつれない女じゃありませんのよ…あなたさえよろしければ…」
と、顔を赤らめながら初々しい態度でその場を離れる。
ブランザックは
「こりゃあ困ったな!2人とも甲乙つけがたい!」と、上機嫌。
そこへジェルマーノがやってきて、雑談を始める二人。上機嫌のブランザックはジェルマーノをおだて、去っていく。
ジェルマーノも酒を飲みながら、召使仕事をするため、隣の部屋へ。
入れ替わりにジューリアがやって来て、ドルヴィルの誤解を解かなくては、と独り言。
「とにかく、逢い引きのために真夜中になったら絹のはしごを垂らして、と。」
その言葉の端々だけを聞いたジェルマーノは、そうか!と、一人で得心顔。
「お嬢様は真夜中に、絹のはしごで逢引きするんだ!で、その相手はブランザックに違いない!」
やっと全てがわかったぞ!やっぱり俺は賢いね、と酒を飲みながら上機嫌で高いびき。
そこへやってきたブランザック。ジェルマーノの寝言が耳に入る。
「お嬢さんが…むにゃむにゃ…逢引きを…ブランザックの旦那と…」
聞き捨てならじ、とブランザックに叩き起こされたジェルマーノは自分の知っている事をすべてを話す。
逢いびきの相手だけが、間違っている訳だが。
「真夜中になったら、お嬢さんが絹のはしごを降ろすのさ。それを使ってあんたは部屋に入るんだね、ゆっくり逢い引きするがいいさ!」
それを聞いたブランザックは浮き浮きとして真夜中を待つ。
そこへ後見人ドルモンがルチッラとともにやってくる。
ブランザックとドルモンは去り、ジェルマーノは去り際にルチッラに(勘違いの)逢い引き話を告げる。
ブランザックへの恋心が抑えられないルチッラは、我慢できずに物陰に隠れて逢引きの様子をうかがう。
一方ジェルマーノは、ひとつ色男に恋の手習いを教えて頂きますか、と別の物陰に身を隠す。
さて、そんな事は何も知らないジューリアが部屋に戻り、真夜中になって絹のはしごを降ろすと、秘密の夫ドルヴィルがやってくる。
時間がたって冷静になったドルヴィルはジューリアへの誤解を解き、愛し合う2人はめでたく仲直り。
しかしその時外から、愛しい人、とジューリアを呼ぶ声が聞こえる。
あの声はブランザック!と、嫉妬でカッとするドルヴィルをおさえるジューリア。
ここで騒ぎになって、後見人にドルヴィルの存在が気づかれたらすべてがおじゃんになる。
何とかドルヴィルをなだめて小部屋に隠す。
ルチッラ、ジェルマーノ、ドルヴィルと、もはや物陰は満員御礼。
しかし、事の発端のジェルマーノは、この騒ぎを出歯亀よろしく楽しんでいる。
そこへ意気揚々と絹のはしごを使って、ブランザックがやってきた。
「逢引きにきましたよ、お嬢さん」
訳が分からず、
「誰と誰の?」と、ジューリア。
「あなたと私の。」
と、ブランザック。
取り乱したジューリアが
「いつそんな約束を!」
と叫ぶと、ブランザックは、
「ジェルマーノがそう言ってましたがね」
ジェルマーノは物陰で思わず呻き声。
一方ジューリアはジェルマーノに怒り心頭。
そしてブランザックは、
「自分で絹のはしごをかけたくせに」と、勘違いしながらジューリアを本気で口説きにかかる。
物陰のドルヴィルは嫉妬で気も狂わんばかり。ジェルマーノは、やっと自分の勘違いに気づく。
するとそこへ騒ぎを聞きつけた後見人ドルモンの声。
真っ青になるジューリアをなだめ、ブランザックは慣れた体でさっさと身を隠す。
ジューリアが片付け忘れた絹のはしごを突きつけ、無断で逢引きをしていたなと怒るドルモンに、さすがのジューリアも万事休す。
「出てこい、不届き者!」
と、ドルモンが隠れている人物を引っ張り出すと、出てきたのはルチッラ。
「ここで逢引きがあるって聞いたから、気になって気になって…」
別の物陰に気配を感じ、今度こそ間男だ!とドルモンが引っ張り出すと、
「私です」
と、しれっとした態度のブランザック。
「何故婚約者がこそこそと逢いびきを…まぁもういい!さっさと結婚証書に署名するんだ!」
と、ドルモンが机を動かすと、そこには召使いジェルマーノ。
「ここで逢い引きがあるって言うから、気になって気になって…」
と、平謝り。
そして更に、別の物陰から堂々とドルヴィルが自ら現れ、私こそがジューリアの夫だ、と名乗りを上げる始末。
ひっくり返り、あまりの事態に言葉もないドルモン。
ブランザックは、こいつは傑作、逢引きの大安売りだなと、笑う。
ついにジューリアは覚悟を決め、秘密の結婚の全てを話してドルモンに許しを請う。そして、この結婚を許した伯母からの手紙を見せ、どうか認めてほしいと頼む。
頭の上がらない伯母からの許しがあっては、と唸るドルモン。
するとブランザックが
「それなら私はルチッラと結婚しましょう」
と、言い出す。彼にぞっこんのルチッラは二つ返事で快諾。
これにはドルモンも、全てを認めざるを得ない。
「もうなるようにしかならん!好きにするがいい」
全ては愛のせい、と全員が歌い上げて平和に幕が下りる。
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