ソプラノ歌手 中川美和のブログ

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外国で苦手なもの

2010-09-12 23:57:37 | ドイツのこと
はい、電話。

オペラの事じゃありませんよ。
グラハム・ベルが発明した伝達手段です。

「ワトソン君、用事がある、ちょっと来てくれたまえ」 歴史に残る電話の第一声。

電話 電話 電話。
wikipediaによると、
電気通信役務の一種で、電話機で音声を電気信号(主として電流の変化)に変換し、電話回線を通じて離れた場所にいる相手方にこれを伝え、お互いに会話ができるようにした機構および、その手段。
だそうです。かえって意味わからん・・・

ええ、何を言いたいかって言うとですね、電話が嫌ってことを言いたいんです。
もともと、電話よりメール派なんですけど。
でも、日本にいた時は、携帯は常に枕元で、決して手放さずに、暇さえあればチェックしてたのに。
ドイツにいる今は、着歴がない事を祈りつつ、しぶしぶ、一日一回チェックします。もう携帯恐怖症、まではいかないけれど、かなり携帯、苦手です。

何故かって?

決まってるじゃないですか!!
しゃべれないからですよっっっっ

知り合いもまだあんまりいないから、着歴があっても日本人の場合が多いんですが、ドイツ人の場合もないわけではない。

まー、一番わかりやすいのは、こちらの先生との電話、ですかね。
・・・次のレッスン、電話で決めなくちゃいけなくて。
いや、当然なんだけどーっっ!

会話だけで決めるなんてーーーーっっっ

日本にいた時は気付きませんでしたが、ドイツに来てから、人間は意外にシチュエーションや、表情、身振り手振りでずいぶん意思疎通してることに気付きました。
だから、言葉という手段だけで伝達するということがどれだけすごいか・・・

たとえば昨日、お隣さんの引っ越しの手伝いをしてて気づいたんですが、管理人さんが口にくわえていたクギを落としたんですね。そうしたら、きょろきょろしながら、
「クギどこ行った?さっきまであったのに!」

これ、それまでのシチュエーションがあるからこそ、何言ってるか容易にわかるんですよね・・・
いきなりこの文章だけ聞かされても、たぶんわからない。
で、手伝っているからこそ、私も何言ってるかはすぐにわかったから、クギの場所を、

「足の下ーっ!」
と言って指差すわけで。そうすると、管理人さんも、私の発音が悪くても通じるんですな。コミュニケーションが成立しやすいという訳。人間は、いかに言葉以外の情報から色々な事を得ているか・・・

言葉だけで意思疎通をする電話という手段は、本当に大変だと思うの・・・あ、そりゃ私がドイツ語できないからっていうのが八割を占めているんだけど・・・

でもね!聞いて下さいよ!うちの兄嫁はですね!
今年の初めころだったかな。私のパソコンについての質問を電話で会社に問い合わせてくれたんですよ!
韓国人なのに!
日本の会社に、日本語で!!

その時は気づかなかったけど、
何!?何!?ジニちゃん、あなたもしかして神!?
すごい!すごすぎる!!
問い合わせなんて、相手が何言うか、一番想像がつかない内容のに!しかもパソコンなんて専門用語多いのに!

か ん が え ら れ ま せ ん

今になって、彼女がどれだけすごいか思い知る・・・神は身近にいたのだね・・・青い鳥みたいだ。

そんな彼女のすごさを思い知りながら、さっき、やっとこさっとこ、先生に必死の思いで電話をしましたわ。
(しかも一回目は留守電で、思いっきり肩すかしでガックリきてしまった・・・)

たかだかレッスンの約束で、電話が終わった後は汗びっしょり。
そりゃーしゃべれない私が悪いんですが。

久しぶりだし、ご飯食べよう~とか予想もしない事を言ってた(気がする。)
時間の約束はちょっと待ってもらえるか、また明日くらいに折り返しかけるから、と予想もしない事を言ってた(気がする。)
日本語なら普通のことでも、外国語だと、予想しない内容のことなんですよね・・・

だから、電話するときは汗かいてもいい服で電話に臨みます(笑)
もードイツ語の電話は、終わった後は緊張で、背中熱々の、汗びっしょりですからね・・・情けないが、事実なんだから仕方ない。

いやふつーはそこまでではないと思うんだけど、でもマジ怖いんです!電話!
言ってる事、たぶん通じないよなあ、向こうは何て言うんだろう、あぁぁぁぁ・・・て思いながら今日も電話を握りしめる私。

また、近々、同じアパートの中で引越しするかもしれないので、大家さんとの交渉しなくちゃいけない。そうすると、またドイツ語で電話?電話?あぁぁぁ・・・orz

よく、喧嘩できたら語学は一人前、と言いますが、私にとってのラインは電話ができるようになった時、かな。
電話、平気になる時が来るのかな・・・いつだろう・・・




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バイエルンのチケット、GET♪

2010-09-09 03:42:21 | ドイツのこと
バイエルン州立歌劇場のチケット買ってきました。

何となくチェックしたら、『魔笛』のパミーナがキューマイアー!これは買わねばなるまい、と思っていそいそと出かけたわけで。キューマイアーはすごく好きなの。
モーツァルトイヤーのザルツブルグ音楽祭の魔笛で、同役で出てた人。DVD見られた方も多いと思います。私もその一人。

生キューマイアーが聴けるのかぁ~。超楽しみ!しかもネットでチケット残席調べてた時は、もう立ち見席か一番高い席しか残ってなかったみたいなのに、ボックスオフィスに行ったら、カウンターの人に、

「あら?待って、まだ40ユーロの席が残ってるわ~。」
と言われて、手ごろな値段の席をGET!100ユーロの席は高いし、かと言って、すごく安い立ち見席は辛すぎる・・・こんなに幸せでいいのかしら

んもう、チュッチュ
(すいませんあまりに嬉しかったのでテンションあがってます・・・)

あと買ったのは、何と、主役が日本人。中村恵理さんがスザンナで出てる『フィガロの結婚』。彼女は次の魔笛でパミーナをやる予定みたい。すごいなぁ~。『カプレーティとモンテッキ』のジュリエッタもやるそう。
やはり東洋人差別というのはあるらしいこの世界。私はそんな事に遭遇したことないんですが。
アパートのお隣さん、リサさんが言うには、彼女の友人がとある大きなオーケストラを受けたそうなんですが。
「あなたは女性で、しかも東洋人。うちのオーケストラには入れられない」
と言われて落とされてしまったそうです。

もう開いた口がふさがりません・・・そんな話を聞いて、アパートの廊下で、何それ~ と、2人で激怒してしまいましたが。

そんな事がまかり通ってしまう中で、これだけの舞台でメインキャストをしっかりとっていくのは、もう並大抵のことではないんだろうなあ。
中村さんを個人的にも全然知らないし、演奏を聴いたこともないので、どんな歌を歌う方なのかは全然わからないけれど、でも前述のオケで落とされた人の話を聞いたりしていると、きっと大変だったんだろうな、と思います。そんな彼女を、大好きなモーツァルトの舞台で思いっきり楽しみたいと思います♪
すごい楽しみ~

あと買ったチケットは『イエヌーファ』。日本ではあまり上演されない作曲家ですけれど、ヤナーチェクという人の作品。
昔、合唱でのったことがあるので、このオペラを知っていたのです。

音楽が。いいんですよ~
ストーリーも。いいんですよ~

ちなみにヤナーチェク、他には、『利口な女狐の物語』というオペラがあるのですが。以前、このオペラのオーディション受けるので、少しだけ勉強した事があって。私の先生、Y子先生が女狐、ビストロウシュカ役の初演をなさっていたので、じっくり教えていただいた事がありました。
もちろん(笑)オーディションは落ちてしまいましたが、あの役は、オペラ自体のあらすじも、音楽も、勉強すればするほど面白く。また曲も、リズムが独特で、本当に面白い。そしてまた、やみつきになってしまうようなオーケストレーション。もうドハマり・・・
その時以来、『利口な女狐の物語』のビストロウシュカは、死ぬまでにやってみたい役柄の一つになりました。こんなに好きな役柄を気づかせてくれたのなら、落ちたオーディションでも、決して無駄にはならなかったと思える良い経験です。

そうそう、ヤナーチェクと言えば、また再び出てきますがうちの師匠の話。
あ、前述のY子先生じゃありません、旦那様のI 先生のお話なのですが。(まぎらわしい・・・)
去年だったかな、I 先生がヤナーチェクのオペラ、『マクロプロス家の秘事』に出演なさった直後にお会いしてお話ししてたら、こんな事を言ってました。

「僕、あの話、飛行機と貨物の話だと思ってたんだよね。」
と唐突に言いだして。
・・・ 何言ってんの・・・?と思って話を聞いたら、

「昔、海外で『マクロプロス~』を観た事があったんだけど。その時、まだ『マクロプロス』なんて、日本じゃ名前を知ってるかどうか・・・て位で。話もよく知らなかったんだー。しかも、海外だったから字幕見てもピンとこないし。」

ああ、確かに・・・

「そしたらさ、飛行機が出てくる所からオペラが始まるっていう演出でねえ。その飛行機の貨物の中から死体が出てくるのね。その死体が、話が展開するきっかけになるっていう演出だったんだけど・・・・・・ぼく、その場面がやたら印象に残ってて、『マクロプロス~』って、飛行機の貨物が関係した話だとずっと思っててさあ!」

Σ(゚д゚;) 先生!!

「少ししてから気づいたけど、あれは単なる演出で、飛行機も貨物も、話とは全然関係なかったんだね(笑)」

・・・まだマイナーオペラが日本に知られてない時代、そんな事もあったんですね・・・

それでも、なかなか日本で上演はされないですが。

今回、チケットを買いながら嬉しかったのが、そんなマイナーな作曲家、ヤナーチェクの『イエヌーファ』が普通に上演されているという事。何だかうれしいなー。『フィガロの結婚』のようなメジャー演目と並んで、普通に上演されている、その事が何だかうれしいのです。

ほんと、日本でも、知られてないだけの素晴らしいオペラをもっと普通に上演できるようになったらいいのになぁ~・・・なんて、まるでオペラ歌手のように今日の日記はシメてみる。(笑)

たまにはオペラの話も書かないと、ブログ読んでる方から怒られるかもしれませんねえ・・・
普段どんだけオペラから離れた生活してるんでしょうかね、私は。




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ミュンヘン戻りました~。

2010-09-06 03:04:13 | ドイツのこと
ミュンヘンに戻りましたー。

うう、寒くてたまりませぬ。
ヒートテックシリーズは後からまとめて送っちゃったし。うーさむさむ。

気温は20度前後って感じらしいです。でももうかなり寒いので、ブーツ履くつもり。
よく行く日本食材店に、着いてすぐに行ったのですが、小さなお鍋とカセットコンロを見つけて、じーっと見つめている自分がいる。なかなかリーズナブル。欲しいなーコレ。いずれ買う事になるでしょう。
あとキムチも買おうっと。キノコやお肉入れて、キムチスープ作るの。あったかくなりそう。

それにしても、寒くて本当に冬の足音が近づいてきてる感じです。・・・でもまだ九月の頭と言うこの現実・・・orz
まだ冬の前に、秋なんだよね・・・そんな外の気温にもまだ慣れず、週末なのをいい事に、プチ引きこもり。だって寒いん・・・
最高気温を観測している日本からいきなり来たら、おろおろしてしまいますわ。
やたら温かい汁ものを飲んでる自分がいる。どんだけ寒がりなのか。でも寒いんですって!

ところで先日、日本にいるときに師匠の所にレッスンに行ったら、若いころはイタリアに留学されていた先生。
だけど出てくる出てくる、ドイツの思い出話。先生、イタリア一辺倒じゃなかったんですね~。また、先生はザルツブルグにもよく行かれたそうで、何か盛り上がってしまいました。
その時、もうすぐオクトーバーフェストだね!良い時期だなぁ~。と言われて初めて気づきました。そっかー、もうそんな時期か。
毎年秋にある、ビールのお祭りなんですけどね・・・

・・・しかし、ドイツ人たちはどれだけビール飲んだら気が済むのか。

普段からあんだけビール飲んでんのに、まだ飲むのか、ゲルマン民族たちよ・・・オクトーバーフェストなんて名前つけなくたって飲んでるじゃん・・・

ぼやいてしまうのは何かまだ寒いから。このうすら寒い中、ビールなんて飲む気になれんわ。ほんと、この寒さでまだ秋になってないんだよなあ・・・
何かまだ体調が慣れないのかずっと寝ている自分がいる。時差ぼけではないようなんだけど。

・・・わかった!これ冬眠だわ!!
初秋のドイツで、一人だけもう冬。

まあ暑いよりマシかも・・・






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兄の思惑

2010-09-02 22:53:04 | 普段のこと
今日は仕事の打ち合わせをしてきました。
来年のお仕事になりそうです。今日はまだお話の詳細をうかがった段階で。これからゆっくりプログラムを考えていきたいと思います。それにしても、プログラムやらの企画を考えてるときと、出来上がったものはかなり違った形になるのが私のパターン。でもこうやって考えてるときが、もしかしたら一番楽しいのかもしれないなあ。

さて、明日は帰国です。ミュンヘンに帰ります。
一番苦手な荷造りも終え、あとは明日の朝出発です。

これで日本の熱帯夜ともおさらば~♪

・・・とかやって荷造りしていた先日。うちに兄夫婦がやって来たのですが。
「おみやげ~」
と、兄が漫画を二冊置いていきました。
本は重くなるからミュンヘンに持っていくつもりもなく、とりあえずまあ、せっかくだから・・・と、昨日パラパラと読んだら、

超~面白い!

続きは!?(`Д´)
続きは~!?(`Д´)

・・・深夜三時に2巻まで読んで、続きが読みたくて一人で悶絶・・・
そもそもですね。兄がお土産でくれたのが1・2巻。何故かその後、またうちに来たときに9巻を置いていった。
・・・どーせなら、続きを置いてけよっっっっ

はっ!?これはもしや、兄の愛情に見せかけた嫌がらせ!?
とか何とか考えつつも、兄の思惑通り(?)結局、自分で残りを買って、スーツケースに入れましたよ・・・

しかし、
前述の、仕事のプログラミング。
兄がお土産に置いてった漫画の続き in スーツケース。

とりあえず長い飛行機の中でやることは大丈夫~





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