山に癒されて…♪

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2017年我が家の納山際は 恒例の九重山系へ2 大船山

2018年01月04日 | 山登り 九州のお山
2017年12月30日☀ 大分の山 大船山

 
 1泊2日の初日 坊がつるからのお話の続きです



坊がつる



セピア色のススキ原の湿原が広がる一筋の道
懐かしき坊がつるのキャンプ場へと向かいます

いつもなら 楽に歩けるところなのですが
やはり 体調が戻らないのでしょうか…
ザックの重みを感じいつもの調子が まだ出ない私です…




 


テントが数張りみられます 
今年はテン泊の人も意外に多いような…
雪がないことも原因でしょうか…

そんな坊がつるのキャンプ場を通り過ぎ
大船山入り口へと向かいます


 


その前に 避難小屋で一休憩
広く綺麗に掃除された小屋の中には先客があったよう…
 
デポされたザックが寂しく主を待っていました…

大船山に登られているのでしょう…
我々も向かうとしましょう…

湿原の中ではアイゼンは必要なく外していたので
それが邪魔になるため ザックに取りつけて出発です



 大船山入り口

岩と苔と氷の急登道




登山口から樹林帯へと入りかけた時
チチが振り返って言います

さっきのアイゼン ザックに付けるより
足につけた方が良かったかも…



えっ…

初っ端から 急登…
お日様も通さない樹林帯でもあるからでしょうか…
雪というより 氷の道となって ッリバリ!


もう~

しんどさもあり、滑る事も嫌いな私
ザックにつけたチェーンアイゼンを早々につけることに…



 おっ!雪山らしくなってきた…?




薄暗くとも上を見上げると 青い空がのぞいています

汗も出ないのに 肩で呼吸をする私の上から
ほほ笑む空が気持ちを支えてくれます



 灌木地帯で明るくなってきます

九重山



視界が開けだすと 九重連山が姿を現します
空が芸術的な広がりを見せて
何かを語り掛けんとしているかのよう…

霞かかったその姿は まるで春山のようで…
季節感を疑いそうになります



 一番好きな角度の大船山でありますが…


冬枯れの灌木の間からのぞく大船山もまた
この季節に見られるはずのお姿はなく 
白装束を脱ぎ捨て 黒い姿を見せています



 段原への急登!

段原(だんばる)




樹林帯から抜け出るとそこが段原です

漸く山頂部にたどり着きました
ここは火山口の外側部
山頂と呼ばれる大船山はもう目の前
ド~ンと構えて待ち受けてくれています

だけど…なぜかそれも受け入れるどころか
どうしようかと迷う私…
本当に体調が戻りません…

最近は体調の戻りが悪いような…


ここからは チチだけで行って…そう思う気持ちと
ここまで来て諦められない…という気持ち
二つの気持ちが絡む中 見上げる大船山…やっぱり 麗しい…

休憩しよう…


チチが言います

疲れた体が 抵抗せずにすんなりと受け入れ
ザックを下ろします

情けない… ぽつりと 漏れます

自分の脈拍をとりながら 大丈夫… 自分に言い聞かせます


行けそうか?

言葉短いチチの思い…


大丈夫 行きます!


背負ったザックが重い だけど
それ以上にチチの気遣いが嬉しい
体調の限界は自身でわかる余裕がある…行こう

チチがここでアイゼンをつけます



ゆっくりでいいから…

はい…



また 歩を進めだします




色黒の大船山




大船山の名前の由来は 豊後国志の中で 
船が覆ったような姿をしていると書かれていることからだそうです

確かにそう見えますが 私的には船より 
どこか…頭巾を被ったさん?僧侶?の姿のように見えて仕方ありません


大船については、仏教面からの謂れもあるそうです

「無量寿経」の一節に
船師、大船師、群生を積載して
生死の河を渡し涅槃の岸に置く

…との衆生済度の文言があり その大きな船に因むといわれます…


また、大仙山とも書かれるそうです

その大仙山の大仙は如来様の事で
麓に 大仙山仏乘院というお寺もあったそうです


そのお寺の名前が先だったのか… 
お山の名前が先だったのか…は、
分からないそうですが…

もう一つ 鶏鳴山という別称もあったそう…?
これは麓の西蓮寺山号だそうです

そして…大船山の西側下にある立中山(たっちゅうさん)…
この立中山の名前は 塔頭(たっちゅう)から出たものだそうです
北の麓には 法華院歴代の墓所があるそうです



ほかにも 大船山を朽網山(くたみやま) 救民山と書いている文献もあるそう…
また、大分方面から眺めると、大船山が前面に大きく見えることから
前岳との名称もあるとか…

山頂は国観岳と呼ばれているそうです

朽網(くたみ)についても…
オッと…またまた話が長くなりそうなので
今回はここまでとしておきましょう…また、機会がありましたら…


ただ…時代…地域によって
その呼び名に違いがあると言う事なのかもしれないと言う事で…


塔頭(たっちゅう)とは…
本寺の境内にある末寺院。塔中とも書く。
塔は墓の意で、もとは高僧が寂すると、
弟子がその塔の頭(ほとり)に小庵(しょうあん)を建て、墓を守ったことに始まる。
のちには、大寺院の高僧が隠退したときなどに、寺の近くや境内に小院を建てて住し、
没後も門下の人々が、この小院に住して墓塔を守り、
祖師が生けるがごとく奉仕するに至り、それらをも塔頭と称する

小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)より



実は…立中山からの縦走を考えていたのですが…
中々実行できていない我が家です…




 一気に雪山へと変貌?
 灌木のトンネル道
 岩が目立ちだし 勾配もきつくなる…




山頂に近づくにつれ 木の背丈もより小さくなり 
目の前が開けて明るくなります

だけど私の気持ちはグレー…
チチの背中が遠い…
呼吸が乱れ 気が遠くなりそう…

薬は飲んだ…
朝食も無理してでも食べた…
なぜ体調は戻らぬ…


自問自答しながら 黙々と登っていきます



 
北大船と右の斜面 米窪(よねくぼ)



振り返ると 山頂部の様子がよくみえます



大船山は大きな火山帯であり 山頂部には 
段原(外側)米窪(内側)の二重火山口と御池爆烈火口があります

米窪(よねくぼ)火山口は直径約500メートルほどあり
その深さは100メートルあるそうです
二枚の輝石安山岩を流出した新しい火山口でもあるそうです

九重火山で溶岩を流出した火山口は珍しく、
この米窪火山口と平治岳火山口の二火口のみだそうです


この段原と大船山の西麓方面は
ミヤマキリシマの名所で知られています




ミヤマキリシマの時期に一度訪れたいと思いながらも
中々願い叶わず年月だけが流れています…





 もうすぐ…もうすぐ…

キレットから望む坊がつると三俣山



右手に広がる九重の山々
登ってきた坊がつるも覗ける絶景
足元と言えば 
ぎょっ!切れ落ちている~

な~んて 
今年は雪が少なく恐怖感も感じません…

緊張感より 疲労感の方が勝っていたからかしら…?



 


大船山山頂は数名の登山者で賑わいを見せております
この中に 避難小屋にデポされた主はいらっしゃるのでしょう?

ここは通過点として 足を止めずに先の
第三の爆烈火山口である御池(おいけ)へと進んでいきます


 御池(おいけ)へと向かいます

御池爆烈火山口
 


大船山山頂からのぞき込むと
下からも覗いている怪しげな影


およよ… 池の主様でいらっしゃいますか?

来るのかぇ~

はいはい♪ちょ~と お邪魔させて下さいね…




雪のついた急な下り坂を一気に下っていきます




 わ~い きました~

御池のお化け?




がはははは~
よう来たな 軟弱者が…


冷たい歓迎を受けて 池の真ん中で万歳をする私♪

まるで冷凍庫の中にいるようで
余り長居はできませんでしたが…

あはは…おっしゃる通り軟弱者です






御池にご挨拶をした後は すぐに引き返し
今度は急な登りになった道を必死に登ります

が重たい…
だけど頑張る


だって…後ろから 軟弱者~って言われそうだから




大船山1786m



戻ってみると 誰もいなくなっていました…
静かな山頂が二人だけのものに♪

腰を据えて一休憩
疲れた体に冷たい風が絡み熱を奪っていきます

さむ!

だけど…諦めなくてよかった
何も言わずに私を見るチチ…

ありがとう…


霞がかった展望は
由布岳や阿蘇山などの遠く離れたお山を隠し
良いようで見通しの悪い展望となってしまっています
それでも 今回の山歩きでは
展望が望めた 唯一ひと時となります







大船山に別れを告げます

正面に見える三俣山が惜しむように覗け
北大船を望みながら 段原へと下っていきます





岩や石がごろつく急坂を 
アイゼンを引っかけないように下ります
もう少し雪があると歩きやすくなるのですが
今年は仕方ありません…



段原(だんばる)



誰もいません
私たちが最後なのでしょう…?

本当に静かな時が流れるよう…



 休み取らず通り過ぎます



雪のない所は岩にアイゼンを引っかけそうになり
よろめきながら 急な下りを一気に下っていきます


下る途中に男女二人の登山者とすれ違います

この時間から登ると…
帰りはエレキが必要になるけど…



次に単独男性登山者と出会います

チチと何やら会話を交わしています


単独登山の男性は 
行けるところまで行ってみますと登っていきます

チチはその方の背中を見ながら
エレキは持っていると言っていたから…
大丈夫だろう…


ぼそっと言います


私は無言でその様子を見るだけでした…








立中山への分岐…
ここから坊がつるへも行けるようです…

坊がつるのどのあたりに出るのでしょう…
気になるコースの標識が 気になる所に置かれております

地図にないコース…
以前から気になっていたコース…


行ってみようかどうしようか…誘惑に襲われながら
通常ルートで下っていきます







大船山の登山口に出ると
一気に視界は開け 湿原が広がる坊がつるに到着です

違う意味でホッとした時でした







目の前には ど~ん!
威風堂々たる三俣山が鎮座して迎えてくれます

そして 今日のノルマ達成感に包まれます



 いざ法華院温泉山荘へ♪


今宵の宿へと向かう足取りはい?
現金なものです


 玖珠川源流




坊がつるのつるは 水流のほとりの平地を示す地形名です
坊がつるのは 法華院のを意味していると考えられます

以前は 法華院からあせび小屋の東側の平地を指していましたが、
現在は 盆地状の凹地形全域に対して使用するようになったようです

大船山の麓の法華院あたりには 複数の水源があり
中央部で合流させて鳴子川の源流となり 玖珠川となります
ここから壮大な旅が始まり 日田市で大川山と合流して三隈川になり
福岡県に入り筑紫平野を貫流する筑後川となり 有明海へと注ぐのです


今は小さな流れだけど
有明海へと流れる旅の始まりがここにあります



 3時前なのに もう夕暮れのよう…


既に 夕焼け小焼けの歌が似合う坊がつるになっています
何時しか 歌を口遊みながら 法華院温泉へと向かう私がおりました♪





法華院温泉への最後の登り
やはり疲れているのでしょうか…
この坂道が 意外に堪えた私です



法華院温泉山荘
 


今夜一晩お世話になります♪



法華院温泉山荘の食堂兼談話室



大きなストーブと新しくできた舞台
来るたびに どこかが綺麗に変わっているよう…?

色々なイベントをされるところだけに
舞台の存在は大きく その場にもよく似合います

天井には照明器具も設置されておりましたから
今年の年越しイベントは盛大に催されるのでしょうね






今年もまた 年末に 贅沢な山での過ごし方…

温泉につかって 贅沢な夕食♪
静かな個室に あたたかな布団
一晩中点けられた大型ストーブは 
部屋ばかりではなく もりを与えてくれます



そして…食後はすぐに布団の中に潜り込みます

疲れた体を癒すように横たわると
今日見たお空に一抹の不安を抱きながらも
窓をたたく風の音を聞きながら
そのまま深い眠りへとちていきました




つづく


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4 コメント

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こんばんは (tempo1078)
2018-01-04 17:32:49
長編の
山行Blog、

お疲れ様です。

更新にも
長時間を要するのでは
ないでしょうか。

力作ですね。

行ったことはありませんが、
坊がつる賛歌は歌えますよ。

山好きなら
誰でも知っているべき
有名な歌ですから。
返信する
おはようございます (nanekobi5963)
2018-01-05 08:59:33
どうしても 長くなってしまうブログですが
これも自分らしいものと勝手に思っております(笑)

そんな長くなるブログにお付き合いくださる事に
心から感謝しております

坊がつる賛歌は 私も好きでよく口ずさみます
芹洋子さんには程遠く 雑音のようですが…(笑)

坊がつるで歌うとまた格別です♪

いつも コメントをありがとうございます♪
返信する
ようこそ、くじゅうへ (yamabousi)
2018-01-05 17:19:03
明けましておめでとうございます
聞いてはいましたが年末においでだったのですね
比較的天気も良かった年末でしたが 今年は積雪も
少なかったようでしたね
それにしてもまあ^よくよくご存じの記事で・・・
地元の自分なんかまさに勉強不足、何度も読み返して
勉強させてもらいました。
それにくじゅう界隈は知り尽くされているようで~~
疲れた身体には 法華院温泉の湯は身体全身にしみわたりますよね。
いやいやはるばる九州へようこそでした。
お二人の行動力に拍手ものです。
この上はもうぜひぜひ ミヤマキリシマの時節にお越しくださいよ。
相変わらずひきこまれてゆくストーリに、たっぷり浸ることができました。
今は花もなく寂しいタデ原ですが 雨ヶ池付近は木道も新しく整備されていたようですね。
あの黒土の火山灰泥は洗ってもなかなか とれず厄介ですよね
また今年も 長編ブログ楽しみしておりますよ
今年もまた宜しくお付き合いください
返信する
yamabousi様 (nanekobi5963)
2018-01-06 00:31:51
あけましておめでとうございます

1日は恵まれたものとなり
雪こそ少なく春山を思わせる感じでしたが
愉しませていただきました♪

yamabousi様から勉強をさせてもらったなど
恐縮してしまいます

薄学ながら 聞いた事 本で読んだこと
好きなお山の事は覚えておこうと…
知ったかぶりで 覚書として書いているだけですので(笑)

いつの日か…ミヤマキリシマの時期と
紅葉の時期に合わせて 九重山系のお山を歩いてみたいです

どうしても長文になってしまう私のブログに
お付き合いして頂けることほど
励みとなり嬉しいことはありません

どうぞ これからもお付き合いをお願いしたいと思っております
よろしくお願いいたします♪

勿体ないコメント 嬉しく思います
ありがとうございます
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