なにか、忘れている気がしていたら台湾の自転車の旅を放置したままなことに
気がついた。
3日目、キャンプ地の海岸を出発して、しばらく進んでから休憩をしに朝食屋に
入るとテーブルにいた夫婦がごちそうしてくれた。
それからも進むが目的地の花蓮まであと100キロある台東でゴールした。
無念である。
さすがに風呂に入りたいとビジネスホテルに泊まる。
ロビーに集まった近所の住人であろうおっさん達に何度も「その自転車はどこで
手に入れた?」と聞かれる。
「盗んだ」と答えるまで聞き続けるつもりのようだ。
それから街をうろつく変な歩きかたの僕。
とくに何があるわけでもない街に飽きると、またロビーのおっさんが口をひらく。
「その自転車はどこで?」
部屋に戻り風呂に入ろうと服を脱ぐと、鏡に映る僕の背中のVの字に赤くなった
バックパックのあと。
翌朝、ロビーの大音量のテレビに起こされ、台東駅に向かう。
自転車に乗りながら旅の終わりを寂しく想っていると、狂った犬に追いかけられ
ながら僕の台湾の旅は終わっていった。
台湾を徒歩で半周、花蓮まで100キロを残した距離を自転車で移動した今回の
台湾の旅。
ひとりになった最後の自転車の4日間のなかには確かに、時と場が自分の中心で
交わる感覚があった。
それは僕の足が地に着いた短い旅のときだった。
気がついた。
3日目、キャンプ地の海岸を出発して、しばらく進んでから休憩をしに朝食屋に
入るとテーブルにいた夫婦がごちそうしてくれた。
それからも進むが目的地の花蓮まであと100キロある台東でゴールした。
無念である。
さすがに風呂に入りたいとビジネスホテルに泊まる。
ロビーに集まった近所の住人であろうおっさん達に何度も「その自転車はどこで
手に入れた?」と聞かれる。
「盗んだ」と答えるまで聞き続けるつもりのようだ。
それから街をうろつく変な歩きかたの僕。
とくに何があるわけでもない街に飽きると、またロビーのおっさんが口をひらく。
「その自転車はどこで?」
部屋に戻り風呂に入ろうと服を脱ぐと、鏡に映る僕の背中のVの字に赤くなった
バックパックのあと。
翌朝、ロビーの大音量のテレビに起こされ、台東駅に向かう。
自転車に乗りながら旅の終わりを寂しく想っていると、狂った犬に追いかけられ
ながら僕の台湾の旅は終わっていった。
台湾を徒歩で半周、花蓮まで100キロを残した距離を自転車で移動した今回の
台湾の旅。
ひとりになった最後の自転車の4日間のなかには確かに、時と場が自分の中心で
交わる感覚があった。
それは僕の足が地に着いた短い旅のときだった。