海沿いの9号線を進みながら太麻里という田舎町付近で今夜の宿を探す。
宿といっても、テントを張れて静かに眠れる場所という意味である。
コンビニで早めの夕食をとり、自転車に股がろうとすると、目の前に
やってきた車が道を塞いだ。
仕方なく自転車を少し先に停めて、荷物の整理を始めると女性が道の
向こうから走って現れ、僕に向かって必死に北京語で話しかけている。
ふと、自分の背後にある建物をみると、それはホテルで、彼女は
どうやら宿泊客と勘違いしたようで「泊まるんだろ?安くするわ!」と
言っているらしかった。
ホテルの柔らかいベット、温かい風呂という誘惑と闘い、何とか勝利を
もぎ取り、女性を冷やかすかたちでその場を去ったが、さっきまで
笑っていた女性の表情は嘘のように一変し、恐ろしい顔で僕をにらんでいる。
海沿いの道から少し入った公園を通過して、砂浜で海を眺め、
海沿いで風が強いことが難点ではあるが、昨夜の中央分離帯よりは、
百倍はマシだと思えた。
夕方になると目的地としている花蓮の方角から満月が昇り、夜になって
風が止んだと思うと、今度は雨が降り出した。
防水能力が全くないテントから滴り落ちる雨を避けるようにして、
うずくまり、昼間の女性の言うことを素直に聞いておけば良かったと
思いながら眠りにつく。
85キロ移動した二日目。
宿といっても、テントを張れて静かに眠れる場所という意味である。
コンビニで早めの夕食をとり、自転車に股がろうとすると、目の前に
やってきた車が道を塞いだ。
仕方なく自転車を少し先に停めて、荷物の整理を始めると女性が道の
向こうから走って現れ、僕に向かって必死に北京語で話しかけている。
ふと、自分の背後にある建物をみると、それはホテルで、彼女は
どうやら宿泊客と勘違いしたようで「泊まるんだろ?安くするわ!」と
言っているらしかった。
ホテルの柔らかいベット、温かい風呂という誘惑と闘い、何とか勝利を
もぎ取り、女性を冷やかすかたちでその場を去ったが、さっきまで
笑っていた女性の表情は嘘のように一変し、恐ろしい顔で僕をにらんでいる。
海沿いの道から少し入った公園を通過して、砂浜で海を眺め、
海沿いで風が強いことが難点ではあるが、昨夜の中央分離帯よりは、
百倍はマシだと思えた。
夕方になると目的地としている花蓮の方角から満月が昇り、夜になって
風が止んだと思うと、今度は雨が降り出した。
防水能力が全くないテントから滴り落ちる雨を避けるようにして、
うずくまり、昼間の女性の言うことを素直に聞いておけば良かったと
思いながら眠りにつく。
85キロ移動した二日目。