旅するくも

『旅が旅であることを終わらせる為の記録』

あなたは誰なのか

2012-07-30 21:47:32 | 素晴らしき日々
1ヶ月ほど歯医者に通い続けて、今夜やっと僕の歯は完治した。
その歯医者には受付けに可愛いであろうお姉さんがいる。
いつもマスクをしていて顔が半分見えないから、あなたは可愛いであろう
お姉さんだ。

僕にはあなたが誰なのかがわからない。
名札も付けているんだろうが、読んだことすら無い。

あなたが誰であるのかを知るのに、名前は重要なことではない。
名前なんてどうだっていい。

金閣寺の湯のみ

2012-07-12 22:19:57 | 素晴らしき日々
朝から雨が降り休みだったので、金閣寺の湯のみで甘いコーヒーを
飲みながら何をするのかを考える。
その日の予定はその日に決めるのだ。

まず外に出て、人に会うという選択肢はこのごろの僕にはない。
本を読み進めようか、ディジュリドゥの練習をしようか、映画を観ようか、
ベースを触ろうか、ブログを更新しようか。
いいや、染め物をしよう!
ということで、染め物をした。



藍がすくすく育ってくれて、生葉染めができるようになったのはいいが、
やはり難しく、そのぶんだけ面白い。
ますます色の魅力に取りつかれ、ますます外に出なくなってしまうのである。

土地を売ってくれ

2012-07-11 23:35:38 | 素晴らしき日々
19歳ごろの僕は現在イラストレーターをやっているタクミに
これから、どのように生きて行くのかの展望を語ったことがあった。
それは、自動販売機を数台購入し、売れそうな場所に設置し、ぬくぬく生きて
行くという、我ながら素晴らしいアイデアだった。
現在、自動販売機は5兆円市場だというから、僕のアイデアもあながち間違い
ではなかったようだ。

そんな僕も現在は植木屋の見習いのようになってしまい、最近は60歳のおっさんと
同じ日当だということに、むかつきながら仕事をしている。

この世界で生きていくにはお金が必要だが、僕の一日から食事、睡眠を取り除いて
しまえば、残りはほぼ仕事である。
まったく僕もお金に夢中である。

アメリカの開拓時代、白人に「土地を売ってくれ」と言われた時、アメリカ先住民が
何を言っているのかわからなかったという話がある。
「聖なるもの(大地)に値段を付けてはならない」という彼らの常識からくるもので
あるし、大地はお金で売り買いするものでもなければ、本来値段など付いていないもので
あるわけだから当然であるが、世界でもっとも高い値段で土地を売り買いする我々には、
ずいぶんと遠くの話である。

去年の冬のアメリカ・インディアンムーブメントのデニス・バンクス氏の来日の際、
体調をくずして喜納昌吉さんの面会ですらキャンセルしたデニスにインタビューを
していた。
そのインタビューを僕が書こうとしている本に載せようと考えていたからだ。
デニスにそのことを伝えたあと、本は無料で配ろうと思っていることを伝えると
デニスは「どうして売らないんだ」と言い、インタビュー前にいきなり変な空気に
なってしまったことがあった。

当然、僕の書くものは聖なるものでもなんでもないのだけれど、僕はそれには値段を付けて
売るつもりは全くない。
これはアメリカ先住民の教えでもなんでもないのだけれど、あらゆるものに値段が
ついて祈りですら買うことができる世界で、「自分が値段を付けたくないもの」を
決めておく必要があるのだと僕は思う。
それに自分の書いた本の値段を決められるほど僕は器用な人間ではない。

初心者マークの女の子

2012-06-13 20:34:00 | 素晴らしき日々
初心者マークつきHonda・ACTY(軽バン)に乗った女の子と橋の上で、
すれ違ったんだ。

若い女の子が乗る車としては、これはずいぶんとミスマッチな車である。
たぶん彼女の家は農家で、女の子が初心者で事故をする率が高いということから、
「とりあえずこれに乗っとけ!」と、オヤジに言われるがまま、いつまで続くかも
わからないオヤジの「とりあえず」が早々と終わるのを女の子は信じているのだろう。

きっと農家のオヤジはタバコを吸い、車内はタバコの臭いがこびりついているだろう。
そして、女の子は友達を乗せるたび、「あたしじゃないの」と、自分がタバコを
吸わないことを真っ先に伝えるだろう。

しかし、軽バンは寝転がれもしない車よりも何倍もナイスである。
そんな軽バンに乗った初心者マークの女の子、君はナイスな女の子なのである。
軽バンに誇りを持て!

僕は、どうでもいいことに想像を膨らめてしまう、めんどくさい人間なのであるが、
そのように想像が膨らんでしまうのは、やはり初心者マークで軽バンの女の子が目の前に
現れたことに原因があり、むしろ当然な結果であろうと妙に納得するのもまた僕である。

やりたいことが山ほどあり、毎日考え事はつきないが、これといった悩みもなく
僕の世界は今日も平和である。

『電波百姓一揆』

2012-05-01 22:08:36 | 素晴らしき日々
日の出前に仕事場に着いて、鼻の中が茶葉でいっぱいになるまで
働く日々である。
世間はゴールデンウィークでBBQだの新東名だの言っているのに、
お金を稼ぐ理由がたいしてあるわけでもなければ、使う当てのない
お金を稼ぐのを好まない僕が、流れでそんな仕事をすることになった。

とっくに定年を迎えた、ぶっきらぼうな爺さんと仕事中に話をするのも
楽しいが、もうひとつ楽しんでいるものがある。
それはラジオである。

トラックの移動の時に聞くラジオが面白い!

10代のころ友人と『電波百姓一揆』というテロのようなラジオ番組を
つくろうという話をしていたが、ラジオをまともに聞いたこともなかった。

わざわざ「ここで笑え!」的な字幕付きで映像つきのテレビとラジオは
大きく違う。
テレビは内容というよりもテレビという媒体そのものに奪う力が強すぎる。

「この美しい声の持ち主はどんな女性なのか」と、想像するのも、
もちろん楽しいが、ラジオには説明しすぎないところに魅力があって
隙間がたっぷりで自由があっていい。
おまけに笑いの質もいい。

とりあえず、お金が入ったら僕は『高価なラジオ』を買うことにする。

そして、『電波百姓一揆』が実現したらオープニングは毎回この曲だ。

Rancid - Radio


興味があること

2012-04-10 20:29:41 | 素晴らしき日々
このごろ自分のプロフィールをつくる必要があって、全てを
書き込んだら長すぎるので、短く必要であろう範囲から
外れないようにまとめてみた。

05 北山耕平氏著『ネイティブ・マインド』と出会う。
06 アラスカWPPDにてラコタ族アーボルルキンホースと出会う。
07 北山耕平氏と出会い、アメリカ先住民の世界を学ぶ。
08 AIMのデニス・バンクスが主催するLongestwalk2にて、
アメリカ徒歩横断に参加。
メキシコ・グアテマラを旅する。
縄文土器を復元する。
09 7Generationswalk 静岡案内人として大阪から東京を歩く。
フリーペーパー「最南端」の編集長になる。
  「地球を抱きしめる」ことを目的に団体を結成し、代表に
  なる。
10 7Generationswalkで長野から東京、山口から広島、東京から
名古屋を歩く。
  ディジュリドゥを吹き始める。
11 正木高志氏が主催するWalk9で鹿児島から大分を歩く。
台湾巡礼にて台湾先住民の村を訪ねる。

興味があること
色、音、写真、映像、農、木(植物)、本(印刷物)、
言葉(言語)、歴史、人類、食、海、物語、旅、土器、
熊、航海、文字、鉄、環境、女性、雲。


僕だったら目の前にこんなプロフィールの人物が現れたら
友達にならないだろうな。

のようなもの

2012-04-08 18:07:00 | 素晴らしき日々
アメリカ先住民で白人教育を受けていない最後の世代である
「ローリング・サンダー」というメディスンマンは、かつて森の中で
数年の時を過ごしたという話がある。

僕はローリング・サンダーが森でいったい何を食べて過ごしていたのかという
謎について考えながら、仕事で植樹用の大小合わせて50個穴を掘っていた。

穴を掘っていると色んなものが出てくる。
ミミズはもちろんのこと、昨日は冬眠中の蛙とも出会った。
そして、さらに出てきたのはエシャレットのようなものと、ウコンのようなもの。
穴を掘っていると春は下からやってくるような気がする。



エシャレットのようなものは、食べれば何かわかるわけだが、これが
なかなか口にするのがおそろしい。
ビニールで包まれ販売されているものに安心を感じている自分が嫌で
食べてみると、それは多分エシャレットであった。

ウコンのようなものは食べてもわからないので、調べてみると根の形から
秋ウコンであろうことがわかった。
黄色い染料として使えそうだ。

春ということで染め物用に藍を畑で育てることにして、種を蒔いたのだけれど、
さすがに二日で芽がでるわけがない。
そんな藍を見て、一年彼女がいない、ちゃらんぽらんな僕に向かって母親は
「藍の芽が出ないね」と言ったあと「藍(愛が)が芽生えるといいね。」と、
わざわざ言い直す。

季節は上下し、時は環を描く。
ふたつが交わるところに花が咲くのかも知れない。

春ですな!

アイヌアートプロジェクト

2012-03-26 20:52:14 | 素晴らしき日々
去年、京都で初めてお会いしたアイヌアートプロジェクト代表の結城幸司さん
と知り合いが企画したイベントで、またお会いすることができた。



特に夜、結城さんも交えて複数人で焚火を囲みながら話を聞かせてもらえた
ことと、ある程度の時間をまわりに遠慮なく二人で話ができたことは嬉しかった。

ハワイのタイガーが亡くなる一年前に交わしたカマクラ号建造の約束の話や
アイヌのカヌーの構造についてや、建造方法。
今年行われる東ティモールのエゴレモスとの北海道ツアー予定やデニス・バンクスや
アラスカの語り部ボブ・サムの話など聞かせてもらえて、そのままずっと話を
していたいと思った。

僕がこの機会に特に聞きたかった、オホーツク文化と察文文化が後にアイヌという
総称で呼ばれていることについて、結城さんに聞くと、連続している時間を無理矢理に
境界線を引き、区切ろうとする考古学の落とし穴について話をしてくれた。

結城さん言っている事について、僕もわかっていることろをあえて質問したので
驚くことはないのだけれど、僕の質問の答えに、そう返答するところに結城さんの
人柄がよく出た質問の内容以上のものがかえってくる楽しい時間だった。

ついでに言っておくと、結城さんも漫画のワンピースが面白いと言っていた。

リハビリ終了

2012-02-12 16:55:43 | 素晴らしき日々
洗濯物が他人のものと混じらないよう、シャツに付けてくれた糸が
ネパールへ行った時のままシャツについている。
長野に行った時、車の中で洗濯物を干すのに使ったハンガーが
そのままだ。

映画を3日で13本観たり、本を読んだりのんびりすごした。
日本に帰ってきて一ヶ月がたって、ようやく日本にも慣れてリハビリが
終わった気がする。

いまは浜松から大阪へ向かうバスの中。
なかなかブログで僕の台湾での大冒険の話が終わらないままだけど、
大阪で7Gの山田さんと合流して3月11日からはじまるウォークで歩く
九州の下見をしてくる。

このごろ、僕の流行は最後に「humanERRORだぜ!」を付けることだ。
どのように使うのかというと、
「大阪までバスで3880円!humanERRORだぜ!
と、そんな感じだ。