NHK総合テレビでは『あさイチ』という番組が放送されています。(平日朝8:15~9:54放送)
最近は、被災地で役立つ情報などを、視聴者からの質問に答えながらたくさん伝えてくださっています。
その『あさイチ』のアナウンサーの西堀裕美さんは、以前関西にいた頃、私の活動や想いをとても丁寧に取材してニュースで紹介してくださり、
メモリアルコンサートにも何度も足を運んでくださったり、感性豊かな方なのですが、
昨夜、その西堀さんからお電話をいただき、避難所で阪神淡路大震災を乗り越えた一人として取材を受けました。
今、『あさイチ』では被災された方々に少しでも希望を与えようと、
まだ物資の届かない避難所など、物のない被災地でも役に立つ情報をと探しておられて
「中谷さんが実際、阪神淡路大震災で避難していたとき、どうやって乗り越えたか
サバイバル術のようなことがあったらぜひ教えてください」 とのことでした。
津波まできて余震の続く東北の方々の恐怖と大変さは私たちの被災経験とは比べものにならないと思いますが、
私たちの経験が少しでも役立つならと思い、記憶をたどりました。
倒れた高速の近くに住んでいた我が家も全壊し、なんとか家から脱出してからは避難所の東灘小学校に避難して、被害のひどい地域だったので校内は亡くなった方でいっぱいだったのと3000人も避難されていて中には入れず、
1月の寒い夜も外で、運動場で、段ボールでなんとか寒さをしのいだことや
都会での地震だったから山や木なども遠くて暖をとりたくても燃やせるものがなくなって、家の瓦礫をみんなで持ち寄って燃やしたこと、
大変だったお手洗いやお風呂、下着の話等いろいろ話させていただきました。
必要なもの、なくてもその変わりになるようなもの、気を付けることなど微力ながらも経験者の一人としてお伝えさせていただきました。
そして、私は避難所にいる方々の心のケアが心底気になっていることも伝えました。
(震災や防災を伝えるコンサートをしている私でさえ、今回の災害では映像を見ただけでフラッシュバックして体調を崩したり本当に大変なので、
大人にも子供たちにもに心のケアが必要だと思うのです)
私の時は地震の翌朝、たまたま隣にいたおじさんのラジオから初めてCMかなにかでピアノ曲が流れたんです。
ほんの数秒の音楽でしたが、サイレンや悲鳴や暗いニュースに馴れた耳に、避難所で初めて流れた音楽で一瞬空気が変わり、ハッとして現実に引き戻され、
同時に心を奏でたピアノを失った喪失感も蘇り涙は溢れましたが、それ以上に現実を見なくては、と気づいて前を向いていくしかないと心の方向を変えるきっかけになったんです。
まだまだライフラインも食べる物もない中で、
避難所に音楽を流すことは難しいかもしれませんが、滞った空気をなにかで変えることも大切だと思います。
(音楽は聴いて心を慰めるだけでなく、リズムにあわせて体の末端でもいいからを動かしたり、歌うことも(まだまだ辛いと思いますが…)体の血液を循環してくれて病気を防ぐ効果もあるので、団体で狭い場所で体を動かせないときこそ音楽療法も大切だと思います。)
電池で流れるラジオやデッキで小さくてもいいから音を流したり、
夜、眠れないかたなどにはイヤホンと音楽を貸しだししてあげるとか
(現地にはなかなかないと思うので送ってあげたいです)、
そういった物を届けてあげることでかなり不安や痛みや恐怖も和らぐのではと思うのです。
孤立した、まだ助けにいけていない地域の方々もいらっしゃり、今はとても心の復興の話まで流せない現状かもしれませんが、
現地のかたそれぞれ(助かって何日目なのか、初めての食事から何日目なのか)で、心の状態や必要な情報は様々だと思うので報道の方々も大変だと思います。
いろいろなお話をさせていただいたのでこれから番組でどのことが紹介されるかわかりませんが、少しでも皆さんのお役に立てるといいなと思います。
今被災されているかたの生の声や、過去の災害で避難したとき、どうやっていろんなことを乗り越えられたのか、
希望を持てる情報を今後も伝えようと必死で情報を集めておられます。(昨日もお電話を切った時は0時を回っていました)
電話の最中も関東では余震があったり大変そうでしたが、一人ひとりの為に、寝る間もおしんで一生懸命頑張っておられます。
皆さんもこうやって震災を乗り越えましたという情報があれば ぜひ情報をお伝えください。
避難所ではテレビもないところもたくさんありますが、ついているところではNHKが流れていることが多いと思います。
番組のメールと、FAX(03-3481-0099)で受けつけていますし、
こちらのブログコメントにいただいても構いません。(私から西堀さんにお伝えします)
今回の災害は皆さんもご存じのように本当に想像を絶するもので
まだまだテレビや自衛隊が行くことさえできない孤立されてなんの情報もなく
ただただ不安の中、必死に待っておられる地域がすごく多いのだそうです。
原発のことも心配ですし、いろいろな情報がありますが、皆さんを支えるためにも
今回被害のなかった地域の私たちもひとりひとりが冷静に今の状況と情報を正しく把握して 物を必要以上に買い占めたりせずにきちんと自分の生活をおくることが、東日本の皆さんを支えるためにも大切だと思います。
今日も寒いけど、どうか負けないでください。 日本中のみんなが被災された皆さんのことを応援しています。
孤立して情報もなく孤独を感じてる地域の方々も みんながずっと大切に思っていること、祈りがどうか届きますように…。