経済ジャーナリストの樫原弘志氏が、広島県開示文書からピースワンコ問題を追求して下さいました。
✴PWJのわかれ道
第1回は「PWJと広島県との動物愛護に対する論点について」です。
19年5月、ちょうどピースウィンズ・ジャパンが、狂犬病予防法違反で内偵されていた頃。
広島県副知事を含む行政で、ピースワンコ対策の会議が行われていました。
ちょっと意外でした。
広島行政はピースとズブズブの関係で、敢えて野放ししていると考えていたので。
話し合われたのは、このままピースワンコに頼っていたら、殺処分を行わなければならないだろうというもの。
そして、今後の対応として上げられたのは3点。
① エンジェルス(滋賀県の動物愛護団体)等の団体譲渡登録施設に譲渡動物の受け入れを増やすように働きかけを行う
② 団体譲渡登録施設を拡大するため、ペットショップ等へ譲渡動物の受け入れの働きかけを行う
③ 団体が行う譲渡会の情報を(動物愛護センターの)ホームページに掲載する
② 団体譲渡登録施設を拡大するため、ペットショップ等へ譲渡動物の受け入れの働きかけを行う
③ 団体が行う譲渡会の情報を(動物愛護センターの)ホームページに掲載する
付け焼刃でしかありません。
いや解決どころか事態は悪化すると思われます。
ピースも「殺処分ゼロ」を掲げながら、センターへ引き取り拒否を要求するなんて!
殺処分されなきゃイイって考えることは、苦しみ不幸な命を増やしてしまいます。
✴引き取りを拒否される小さな命
やはり、広島は「不妊去勢手術の徹底」をガッツリ無視。
行政と動物愛護の現場は、乖離していると実感させられます。
いつも動物愛護や動物福祉の識者たちから、意見を聞けば良いのにと思います。
そもそも、捨て犬だけで4桁頭数は集まりません。
不妊去勢手術をしないで離し飼いして繁殖→
不妊去勢手術をしないで増えたから遺棄→
不妊去勢手術をしないで遺棄されて繁殖→
以下ループ
保護犬に不妊去勢手術をしません!と公言する団体へ譲渡を認めてしまったのが、間違いのもと。
ピースワンコへの引渡しは停止し、不妊去勢手術徹底の厳重指導を。
殺処分ゼロや譲渡拡大ではなく、県民に不妊去勢の重要性を呼びかけるべきです。
奄美も。
10年間で森林の猫を根絶したいのであれば、TNR が駆除処分より、はるかに確実で効果的です。
しかも数百万の費用で済み、TNR計画だったら、今頃既に希少種を捕食するとされた猫が、増える懸念はなくなっていた(被害は減少していく)と思います。
「生態系について無知なんだ」「外猫って危険で侵略的」と頭ごなしに押さえつける前、奄美の稀有な自然について知って貰うこと、守りたい想いを伝えることにこそ、力を注ぐべきでした。
人の意識を変えるのは、時間を要し簡単ではないと解るでしょう。
私たちは、20年以上かかってコツコツ TNR を広めたのです。
ようやく成果が現れ始め、正解に たどり着いたのです。
科学者からの見解だけではなく、動物愛護の現状にも耳を傾けていたらと。
ピースワンコは、空間移動の終点だけの小手先修正では、もう立ち行かない崖っぷち。
入口対策に本腰を入れた改革が必要だと思います。