6月15日 世界で最も有名な猫が この世を去りました―その名はボブ。
🐱2020年のボブ号
🌈ありがとう ボブ
以下 『世界中の路上生活者を支えた猫の死』から抜粋。
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薬物依存症に苦しみ、20代で路上生活におくっていたボウエンさんが茶トラの野良猫と出会ったのは、2007年。
「ボブ」と名づけられた猫は、ボウエンさんに「毎朝起き上がる理由」を与えてくれたという。
路上生活者の仕事をつくる雑誌「ビッグイシュー」を販売したり、路上でギターの弾き語りをしたりして生計を立てていたボウエンさんは、どこにでもボブを連れて行くようになった。
やがて、ボブがボウエンさんとハイタッチをする姿が話題になり、取材が殺到。ボブとボウエンさんのコンビは人気者になっていった。
ボウエンさんはフェイスブックで、ボブが薬物依存症からの回復を助けてくれたと感謝している。
「ボブは相棒でいてくれた以上に、はるかにたくさんのものを僕にくれた。ボブがそばにいてくれたおかげで、自分が見失っていた方向性や目的を再発見できた。」
私は、主に公園で地域猫活動を行っています。
これは望まれない命を増やさないよう野良猫に不妊去勢手術をし、トラブル軽減のため地域で管理していくというもの。
地域のため住民のためのボランティア活動なのですが、当初はなかなか理解を得られませんでした。
「餌やるな」「家で飼え」
「野良猫に施しをするな」
「居着くと迷惑だ」「害になるから排除しろ」
私たちボランティアは、高齢者が多く、ほとんど女性。
追い詰められ、公園で生活するホームレスさんに相談をしました。
「猫たちに危害が及ぶのではないか」
「居場所を追われてしまうのではないか」
ホームレスさん、二つ返事で「猫たちの安全を守る!任せろ」と。
猫たちだけではなく、私たちも安心を得ました。
それから、私たちは事ある毎に頼りにしました。
ホームレスさんも誠意を持って応えてくれました。
だから、お礼をしました。
お弁当を差し入れたり、防寒着や毛布をプレゼントしたり。
猫を介した人同士の助け合いの和が生まれました。
🐱2020年のボブ号
ビッグイシューは 価格¥350の内¥180が販売者の収入になります
やがて、外暮らしの猫たちは減り、数頭になりました。
もう誰も「餌やるな!家で飼え!」とは言いません。
代わりに「ありがとう」と声をかけられるようになりました。
その感謝は、ホームレスさんへも向けられます。
彼が猫の平穏、ひいては地域の平和を支えていたことを誰もが知っていたのです。
ある日を境にホームレスさんの姿を見なくなりました。
皆んな、心配して行方を探しました。
警察…病院…
他のホームレスさんにも尋ね回りました。
ほどなく、彼は福祉施設に入所したと風の噂を耳にしました。
もしかしたら、今頃ビッグイシューを販売しているかも😊
所有者のいない猫たちをホームレスキャットとも呼びます。
ホームレスを社会の枠組みへ押し戻したのは、ホームレスキャットだったのかもしれません。
ホームレスキャットは、皆んなボブのポテンシャルを秘めているのかもしれません🍀