今を生きる  MOMENTARY 

草の輝く時 花美しく咲く時 
再びそれは帰らずとも嘆くなかれ 
その奥に秘められし力を見出すべし
 ワーズワース

倉本聡 豊かさの根っこ

2007-04-10 01:37:59 | 言葉
富良野塾

倉本氏が主宰する役者とシナリオライターの養成塾
北の厳しい大自然に向き合って生活していると、
真に必要なものが見えてくるようです。

あなたにとって大切なものは何ですか?

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『 人 』  倉本 聡   




富良野塾生数十人に生活必需品を十ずつ挙げよと問い、
出てきた答えを集計して、
一位から並べたアンケート結果である。

僕はこの答えがひどく嬉しかった。
ある日、テレビ局のプロデューサーにこの話をしたら
彼はこの結果に興味を持ち、こころみに都会の若者に
同じアンケートを問うてみたいと云い出した。

半月ほどして答えが出てきた。

一位   金
二位   携帯
三位   テレビ
四位   車
五位   家

という、想像を超えた中々のものだった。

僕は塾生達を誇りに思った。
塾生の十四位に
「人」という不思議な答えが三票入っていた。

人を生活必需品といえるのかと、
一瞬不思議な気がしたが、
それは異性かと問うと
別に異性である必要はない。

自分は一人では生きられない気がする。
そばに誰かしら人が居て欲しい、
故に人間は自分にとって
間違いなく生活必需品である、
という。

妙に感心してしまった。

原点に近い暮らしをしていると、
自分の暮らしを支えている根源を
常に見据えて立つ癖がつく。

豊かといわれる都会の暮らしでは、
根源が豊かに埋没し
座標軸自体がゆらいでくる。

塾生達もおそらくここに集まる前ならば
携帯電話やテレビや車を生活必需品に挙げたに違いない。

それがこの塾の暮らしの中で、
水や火やナイフに変わってきたことに
云いようのない感動を覚えた。

塾をやってみて良かったと思った。

それにしても「人」という不思議な答え。
考えれば考えるほど深い気がする。

僕らは絶対一人では生きられない。

あまりにも人が多すぎる為に
そのことを忘れていた自分に気付き、
僕は塾生に教えられたと思った。

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  sachiko あとがき

 人は原点に戻り、見つめられるものがあること。
 大切なものを無くしつつある今の社会。
 環境が変われば、人間も変われるのだということ。
 
 今夜、ふと目に止まった雑誌のページ。
 三井住友フィナンシャルグループの広告掲載ページより
 全文、書き写させて頂きました。

 




コメント (4)
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