３月１１日からの日々(１０)・・・終

明日はもう４月だ。
これから日本はどうなるんだろう。
平日の夜には勤め帰りの人達の姿はあるものの、休日の夜などは
その人の姿もなく、まるでゴーストタウンのようだ。

計画停電が実施された街は真っ暗で異様で初めての感覚だった。
今まで当たり前のことがそうでなくなる・・・これからも増えるのだろう。

店は地震当日と計画停電が予定された月、火と休んだ。
日頃〝働け～〟とオトンの尻を叩いているのに１１日は〝行かないで！〟
なんて我ながら情けなかったが・・・
月、火両日とも計画停電は実施されず・・・・そんな時お客さんからメールが！
<いつまで店を閉めておくつもりですか？余震も停電も怖くない！！>と！

ちょっぴり嬉しい励ましに、停電対策も考えてオトンもやる気を出した。
幸いなことに店は超オンボロなのに全く被害なし！
家の状況からして、店の中もグチャグチャであろうと諦めていたが
コップひとつ割れていなかったのには驚いたりホッとしたり！

ろうそくはほとんど売り切れであったが家には最適なろうそくがあったのだ。
私達の結婚式で渡された、直系６、７cm、高さ４０cmの巨大ろうそく。
なんとまぁ物持ちの良いこと！となんでもすぐに捨てる友人に笑われた。
捨てるに捨てられずにいたが、こんな時に役に立つとは思わなかったね。
それを３等分にして、オトンも頭に懐中電灯をつけて・・・・・店再開！！

ただウチのように臨機応変に営業できる所はよいが規模の大きい店舗の
影響は計り知れない。ましてや夏場はどうなるのか？
違う意味で沈んでしまわないかと心配だ。

さて明日から４月でもあり、私達が元気をだしてこれからも被災地の皆を
常に意識しながら支援する生活をしなければならない。
私もだいぶ落ち着いてきたと思う。が、どうしても消えない不安要素がある。
被災地での障害児者の方々家族を思うと切ない。
避難所に入るのを遠慮して苦労しているとの話もきく。
私自身も、もしそうなったら避難所には行けないだろうと覚悟している。

Y君は地震への恐怖感はあまりなく、むやみにうろたえることは
ないが、一人で留守番している時にあのような状況になったら対処できない。
そんなことを想像すると不安がむしかえしてくるのだ。
どーしたものか・・・・
そーだ！ホントに心配な時は店に連れて行っちゃえ！！
皿洗いくらいはできそうだから！
そんな訳でお客様方！ひょっとしたらノースピーキング＆マイペースな
男子がいるかもしれませんが、よろしくお願いします

ちなみに計画停電の際には当店は｢ナイトクラブと○け○｣となります
若いホステスはおりませんので、あしからず

私にしてはクサい台詞ですが、みんなでガンバロウ

３月１１日からの日々(９)

２８日のＫＭ田さんのブログ(おっさんがゆく)を読んでいてウルウルした。

８９歳になる郷里のお母さん。杖をつきながらスーパーへ行き・・・
心配していろいろな物を送ってくれたという。
その荷物を見ながら３０分は泣いたというＫＭ田さん。
オカアチャンもステキ、涙するアラカンの息子もステキだよ

それぞれの生活が大なり小なり変わったように思える。

地震津波と共に深刻さを増している原発。
Ｈ君は即座に反応した。
あのあくる日にはmichaに岐阜に行ってほしいと説得していた。
私もmichaも初めは軽く受け流していたが、そうではなかった。

数日後に４ヶ月検診を控えていたが、それも待たずに一日も早く！と。
オイオイ、ちょっと待って！Ｈ君の心配はよくわかるが・・・
新幹線もかなり混雑し始めて、チケットも現金、超取りにくくなっているし
この頃宅配もストップしていた。
妊娠４ヶ月でサクちゃんを連れて荷物を持って・・・・そっちの方が心配だ。
私はこの点で反対したが、オトンはＨくんの過剰な反応にピキッときて
やみくもに〝許さん、許さん〟と喚いてた。

情報量も多く知識もあるＨ君と超アバウトなオトン、お互い譲らずそんな二人に
挟まれたmichaも〝原発に近い妊婦さんや、同じ立場の兄貴のオヨメちゃんや
友人もいるのに私だけ？？？〟と葛藤してストレスを抱え込む。

そしてきちんと検診を受け、michaの意志に任せ、その時はＨ君も一緒に！と
いうことになったが、結局michaは〝東京にいる！〟と決めた。
すでに新幹線のチケットもとっていたＨくんは呆然だったが
その代わりと〝譲歩したんですから、できる限りのことはしてやってください〟と
きたもんだ！

その〝できる限りのこと〟はすぐにでてきた。
東京都の浄水場で放射性物質が基準値を上回ったという水だ。
我が家は２３区以外なのにしっかり対象地域となっていた。
ウワワワ・・・Ｈ君の〝それみたことか！〟という声が聞こえてくるようだ。

出先でその連絡を受けてダッシュしまくって、持てる限りの水を買った。
<被災地では水もままならないのにな・・・・>と複雑な思いでもある。
しかし検診でも〝なるべく水道水は控えて〟と言われたこともあり
約束もありと、できる限りはしなければ・・・・

だが、またまたオトンはこう言い放った。
〝な～に、そんな神経質になるこた～ないさ〟
もう・・・お口をチャックしなさい

前出のＫＭ田さんだって、ニュースを見てすぐに孫のために
水を買いに走ったというのに・・・・・ためいき全開です