秋も終盤を迎え、方々から菊の花便りが届いています。残念なことに、私は今シーズンはまだ菊の花を見ていないので、投稿する素材がありません。昨年10月に投稿した「キク きく 菊」に加筆修正したものを、リメイクして再投稿させていただきます。
秋を代表する菊の花は、皇室の紋にも使われている日本を象徴する花のひとつです。
私が今までに撮りためた、菊の名の付く写真を織り交ぜて、菊について調べました。
<菊 キク科キク属 我孫子市民農園で撮影>

菊は竹、梅、蘭と並んで四君子と呼ばれ愛されてきました。四君子とは、竹、梅、菊、蘭の4種を草花のなかの君子と称えた言葉です。君子とは徳が高く品格のある人という意味。菊は四君子に含まれるほど、美しく尊い花として扱われていました。
<大輪菊 管物(くだもの) 山陽メディアフォーラムで撮影>

菊(キク)の花言葉は「高貴」「高尚」。
真直ぐに伸びた茎の先に凛として花を咲かせる姿は美しく高貴でもあります。
<風車ギク(洋菊) キク科キク属 山陽メディアフォーラムで撮影>

パスポートや五十円硬貨にも印字され、国会議員のバッジにも菊がモチーフとされていることなどからも、現在でも菊が日本人にとって重要な花として扱われていることがわかります。
<アスター(蝦夷菊) キク科エゾギク属 ジョイフルホンダで撮影>

観賞用の菊が中国から日本に伝わった平安時代以降、日本でも高貴な花として宮中から大衆へと菊の文化が広まり、江戸時代には盛んに品種改良が行われました。
<マーガレット(木春菊) キク科キク属 柏の葉公園で撮影>

菊は大きく分けると中国などから江戸時代に入ってきたキク「古典菊」と、欧米で生み出され日本に入ってきたキク「洋菊」に分かれます。
<ピンポンマム(洋菊)キク科・キク属(クリサンセマム属) 北総花の丘公園で撮影>

菊には沢山の種類があり、分類の仕方もいくつかありますが、大菊・古典菊・小菊・その他の菊に分かれます。
★大菊
花の直径が18cm以上のもので、花型によって「厚物」、「管物」、「広物」に分けます。
<大菊 厚物(あつもの) キク科・キク属 山陽メディアフォーラムで撮影>

★古典菊
江戸中期に各地の殿様の保護奨励によって地域独特の発展を遂げた菊の総称で、昔の地名で呼ばれています。
(嵯峨菊、伊勢菊、肥後菊、江戸菊、美濃菊、奥州菊)
<イソギク(磯ギク)キク科キク属 山陽メディアフォーラムで撮影>

★小菊(山菊)
山菊とも呼ばれる小輪の菊で、花型も丁字、平弁、サジ弁など変化が多く、花色も豊富で、極めて丈夫です。
<ノジギク(野路菊) キク科キク属 万葉植物園で撮影>

★ポットマム(洋菊)
ポットマムとは、1950年代にアメリカで矮性園芸品種として育成された鉢植えのキク(マム)を指します。
(ガーデンマム・スプレーマム・ピンポンマム・エクセレントマム)などがあります。
<スプレーマム(洋菊)キク科キク属 柏の葉公園で撮影>

菊の漢字は散らばった米を1ヶ所に集めるの意で、菊の花弁を米に見立てたものです。
菊は”究極、最終”を意味し、一年の一番終わりに咲くことから名づけられました。
◆キク科キク属でない菊
キク科だがキク属ではないのに「菊」の名が付いている花や、キク科でもないのに「菊」の名が付いている花も多くあります。菊以外の花が少なかった頃の日本人は輸入された花を見た目で「菊」と名付けやすい傾向があったことがわかります。
<ガザニア(勲章菊) キク科ガザニア属 自宅で撮影>
南アフリカ原産の草花で、鮮やかな花を春から秋まで咲かせます。和名は勲章菊で、花の色や形が勲章に似ていることに因みます。

<マツバギク(麗晃松葉菊) ハマミズナ科デロスペルマ属 大堀川畔で撮影>
松葉菊はキク型の花を初夏を中心に秋まで断続的に咲かせます。菊の名がついていますが、キク科の植物ではありません。

<ヤグルマギク(矢車菊) キク科 セントウレア属 北柏ふるさと公園で撮影>
花を「矢車」に見立ててこの名前があります。矢車は鯉のぼりのてっぺんでくるくる回っている車輪のような部分です。ヤグルマソウとも呼ばれます。

<デイジー(雛菊) キク科ヒナギク属 柏の葉公園で撮影>
デイジーを「雛菊」と呼びますが、キク属ではなくヒナギク属なので、普通の菊とは違うグループに含まれます。春に咲く花ですが、どうやら最近の園芸品種に季節は関係ないようです。

<シロタエギク(白妙菊)キク科/セネキオ属 あけぼの山農業公園で撮影>
花壇や寄せ植えで良く見かけるシロタエギク(白妙菊)はキク属ではなくセネキオ属です。別名「ダスティーミラー」とも呼ばれます。

<イトバハルシャギク(糸葉春車菊)キク科ハルシャギク属 北柏ふるさと公園で撮影>
コスモスの花を小さくしたような黄色のかわいらしい花を沢山咲かせます。葉が糸のように細いので、このような名前になっているようです。

<シュウメイギク(秋明菊)キンポウゲ科イチリンソウ属 あけぼの山農業公園で撮影>
いけばなで愛される「秋明菊(シュウメイギク)」はキク科でなくキンポウゲ科です。秋に、菊に似た花を咲かせるところからこの名前になったそうです。

<ダンギク(段菊) クマツヅラ科カリガネソウ属 あけぼの山農業公園で撮影>
晩夏から秋にかけて、菊に似た紫色の花が ”段々”になって咲くからこの名前になったそうです。

<ストケシア(瑠璃菊) キク科ストケシア属 あけぼの山農業公園で撮影>
初夏から秋にかけて可憐な花を咲かせる多年草です。和名は瑠璃菊で、瑠璃色の菊に似た花を咲かせるところから名づけられました。

<エキナセア(紫バレン菊)キク科ムラサキバレンギク属 あけぼの山農業公園で撮影>
花の中心部がクリのイガのように球状に大きく盛り上がり、そのまわりに細長い花弁が放射状に広がります。

<シュッコンアスター(宿根アスター)キク科シオン属 北総花の丘公園で撮影>
宿根アスターの花期は品種によって異なりますが、6月~10月。一つ一つの花は小さく派手さはありませんが、野菊のようにどこか素朴で可憐な雰囲気を持つ植物です。

高貴な花として日本人に長く愛されてきた菊の花。和菊だけでなく洋菊も含めて様々な色や形の品種があり、花きの出荷量では人気ナンバー1の花です。
農水省 令和3年産花きの作付(収穫)面積及び出荷量(全国)より
<切り花類出荷量(千本・鉢)>
1位 きく 3,249,000(40%)
2位 カーネーション 201,500(6.3%)
3位 ばら 194,400(6.2%)
4位 りんどう 75,400(2.3%)
5位 宿根かすみそう 50,800(1.6%)
菊の季節を最後までご覧いただきありがとうございました。菊の花はお供え花として、家紋として、食用ギクとして私たちの生活に切り離せない花として重宝されています。機会があれば、菊についてもっと掘り下げて調べてみようと考えています。
秋を代表する菊の花は、皇室の紋にも使われている日本を象徴する花のひとつです。
私が今までに撮りためた、菊の名の付く写真を織り交ぜて、菊について調べました。
<菊 キク科キク属 我孫子市民農園で撮影>

菊は竹、梅、蘭と並んで四君子と呼ばれ愛されてきました。四君子とは、竹、梅、菊、蘭の4種を草花のなかの君子と称えた言葉です。君子とは徳が高く品格のある人という意味。菊は四君子に含まれるほど、美しく尊い花として扱われていました。
<大輪菊 管物(くだもの) 山陽メディアフォーラムで撮影>

菊(キク)の花言葉は「高貴」「高尚」。
真直ぐに伸びた茎の先に凛として花を咲かせる姿は美しく高貴でもあります。
<風車ギク(洋菊) キク科キク属 山陽メディアフォーラムで撮影>

パスポートや五十円硬貨にも印字され、国会議員のバッジにも菊がモチーフとされていることなどからも、現在でも菊が日本人にとって重要な花として扱われていることがわかります。
<アスター(蝦夷菊) キク科エゾギク属 ジョイフルホンダで撮影>

観賞用の菊が中国から日本に伝わった平安時代以降、日本でも高貴な花として宮中から大衆へと菊の文化が広まり、江戸時代には盛んに品種改良が行われました。
<マーガレット(木春菊) キク科キク属 柏の葉公園で撮影>

菊は大きく分けると中国などから江戸時代に入ってきたキク「古典菊」と、欧米で生み出され日本に入ってきたキク「洋菊」に分かれます。
<ピンポンマム(洋菊)キク科・キク属(クリサンセマム属) 北総花の丘公園で撮影>

菊には沢山の種類があり、分類の仕方もいくつかありますが、大菊・古典菊・小菊・その他の菊に分かれます。
★大菊
花の直径が18cm以上のもので、花型によって「厚物」、「管物」、「広物」に分けます。
<大菊 厚物(あつもの) キク科・キク属 山陽メディアフォーラムで撮影>

★古典菊
江戸中期に各地の殿様の保護奨励によって地域独特の発展を遂げた菊の総称で、昔の地名で呼ばれています。
(嵯峨菊、伊勢菊、肥後菊、江戸菊、美濃菊、奥州菊)
<イソギク(磯ギク)キク科キク属 山陽メディアフォーラムで撮影>

★小菊(山菊)
山菊とも呼ばれる小輪の菊で、花型も丁字、平弁、サジ弁など変化が多く、花色も豊富で、極めて丈夫です。
<ノジギク(野路菊) キク科キク属 万葉植物園で撮影>

★ポットマム(洋菊)
ポットマムとは、1950年代にアメリカで矮性園芸品種として育成された鉢植えのキク(マム)を指します。
(ガーデンマム・スプレーマム・ピンポンマム・エクセレントマム)などがあります。
<スプレーマム(洋菊)キク科キク属 柏の葉公園で撮影>

菊の漢字は散らばった米を1ヶ所に集めるの意で、菊の花弁を米に見立てたものです。
菊は”究極、最終”を意味し、一年の一番終わりに咲くことから名づけられました。
◆キク科キク属でない菊
キク科だがキク属ではないのに「菊」の名が付いている花や、キク科でもないのに「菊」の名が付いている花も多くあります。菊以外の花が少なかった頃の日本人は輸入された花を見た目で「菊」と名付けやすい傾向があったことがわかります。
<ガザニア(勲章菊) キク科ガザニア属 自宅で撮影>
南アフリカ原産の草花で、鮮やかな花を春から秋まで咲かせます。和名は勲章菊で、花の色や形が勲章に似ていることに因みます。

<マツバギク(麗晃松葉菊) ハマミズナ科デロスペルマ属 大堀川畔で撮影>
松葉菊はキク型の花を初夏を中心に秋まで断続的に咲かせます。菊の名がついていますが、キク科の植物ではありません。

<ヤグルマギク(矢車菊) キク科 セントウレア属 北柏ふるさと公園で撮影>
花を「矢車」に見立ててこの名前があります。矢車は鯉のぼりのてっぺんでくるくる回っている車輪のような部分です。ヤグルマソウとも呼ばれます。

<デイジー(雛菊) キク科ヒナギク属 柏の葉公園で撮影>
デイジーを「雛菊」と呼びますが、キク属ではなくヒナギク属なので、普通の菊とは違うグループに含まれます。春に咲く花ですが、どうやら最近の園芸品種に季節は関係ないようです。

<シロタエギク(白妙菊)キク科/セネキオ属 あけぼの山農業公園で撮影>
花壇や寄せ植えで良く見かけるシロタエギク(白妙菊)はキク属ではなくセネキオ属です。別名「ダスティーミラー」とも呼ばれます。

<イトバハルシャギク(糸葉春車菊)キク科ハルシャギク属 北柏ふるさと公園で撮影>
コスモスの花を小さくしたような黄色のかわいらしい花を沢山咲かせます。葉が糸のように細いので、このような名前になっているようです。

<シュウメイギク(秋明菊)キンポウゲ科イチリンソウ属 あけぼの山農業公園で撮影>
いけばなで愛される「秋明菊(シュウメイギク)」はキク科でなくキンポウゲ科です。秋に、菊に似た花を咲かせるところからこの名前になったそうです。

<ダンギク(段菊) クマツヅラ科カリガネソウ属 あけぼの山農業公園で撮影>
晩夏から秋にかけて、菊に似た紫色の花が ”段々”になって咲くからこの名前になったそうです。

<ストケシア(瑠璃菊) キク科ストケシア属 あけぼの山農業公園で撮影>
初夏から秋にかけて可憐な花を咲かせる多年草です。和名は瑠璃菊で、瑠璃色の菊に似た花を咲かせるところから名づけられました。

<エキナセア(紫バレン菊)キク科ムラサキバレンギク属 あけぼの山農業公園で撮影>
花の中心部がクリのイガのように球状に大きく盛り上がり、そのまわりに細長い花弁が放射状に広がります。

<シュッコンアスター(宿根アスター)キク科シオン属 北総花の丘公園で撮影>
宿根アスターの花期は品種によって異なりますが、6月~10月。一つ一つの花は小さく派手さはありませんが、野菊のようにどこか素朴で可憐な雰囲気を持つ植物です。

高貴な花として日本人に長く愛されてきた菊の花。和菊だけでなく洋菊も含めて様々な色や形の品種があり、花きの出荷量では人気ナンバー1の花です。
農水省 令和3年産花きの作付(収穫)面積及び出荷量(全国)より
<切り花類出荷量(千本・鉢)>
1位 きく 3,249,000(40%)
2位 カーネーション 201,500(6.3%)
3位 ばら 194,400(6.2%)
4位 りんどう 75,400(2.3%)
5位 宿根かすみそう 50,800(1.6%)
菊の季節を最後までご覧いただきありがとうございました。菊の花はお供え花として、家紋として、食用ギクとして私たちの生活に切り離せない花として重宝されています。機会があれば、菊についてもっと掘り下げて調べてみようと考えています。