Ninbuのスマホで撮った花だって美しい!

サイクリング・テニス・散歩等の道すがら、公園・野原・湖畔・川辺等で見つけた美しい花をスマホで撮っています。

紅葉(黄葉・褐葉)の季節

2022-11-22 | みんなの花図鑑
晩秋を迎え、各地の紅葉の名所から、鮮やかに色づいた紅葉の便りが届いています。私は今年も遠出は避けて、近場の公園の紅葉を探して写真に収めてきました。

<イロハモミジ ムクロジ科カエデ属> 11/18 柏の葉公園 日本庭園


子供時代、誰もが「どうしてモミジの葉は秋になると赤くなるのだろう?」と疑問に思ったことがあると思います。小学校の理科の授業や屋外学習で、紅葉について学んだ記憶は誰もがあると思います。

<イロハモミジ ムクロジ科カエデ属> 11/18 柏の葉公園 日本庭園



今回は、私が近場の公園で撮りためた紅葉の写真を織り込みながら、小学校時代に学んだ紅葉の仕組みを復習してみたいと思います。

<ノムラモミジ ムクロジ科カエデ属> 11/18 柏の葉公園


<モミジの語源はもみず>
秋が深くなるとモミジを始めとしたカエデ属植物は紅葉(こうよう)します。もともと「モミジ」という意味の語源は平安時代の「もみづ:染色するという意味」から葉の色が染まる様子をもみじに当てはめて呼んでいたところからきています。

<ノムラモミジ ムクロジ科カエデ属> 11/18 柏の葉公園


<紅葉とは>
狭義には、赤色に変わるのを「紅葉(こうよう)」、黄色に変わるのを「黄葉(こうよう、おうよう)」、褐色に変わるのを「褐葉(かつよう)」と呼びます。

<イチョウ(銀杏) イチョウ科イチョウ属> 11/11 柏の葉公園


しかし、これらを厳密に区別するのが困難な場合も多く、いずれも「紅葉」として扱われることが多いようです。

<イチョウ(銀杏) イチョウ科イチョウ属> 11/11 柏の葉公園


<葉が緑に見えるもとはクロロフィル>
紅葉といえば、赤くなるモミジや黄色に変わるイチョウがよく知られています。これらの木々の葉も、春から夏にかけては緑色ですが、なぜ植物の葉は緑なのでしょう。

<イチョウ(銀杏) イチョウ科イチョウ属> 11/11 流山総合運動公園


葉の中には葉緑体があり、太陽の光と水、空気中の二酸化炭素を使って光合成を行い、酸素と養分を作っています。

<イチョウ(銀杏) イチョウ科イチョウ属> 11/11 流山総合運動公園


葉緑体には緑色の葉緑素(クロロフィル)、黄色の色素(カロチノイド)の2つの色素があります。葉緑素の緑色が濃いので、ふだん黄色は隠れて目立ちません。

<メタセコイア ヒノキ科メタセコイア属> 11/18 柏の葉テニスコート


<木は冬に向けて眠る準備を始める>
冬になると乾燥して水分量が減り、気温も下がるため木の活動は弱まり十分に活動できません。

<メタセコイア ヒノキ科メタセコイア属> 11/18 柏の葉テニスコート


そのとき葉を付けていると貴重な水分がさらに減ってしまうので、木は自身を守るために葉を落とすのです。

<メタセコイア ヒノキ科メタセコイア属> 11/9 あけぼの山農業公園


<葉が落ちる前に何がおこる>
木が葉を落とす前になると、葉に水や養分を運ぶ管の働きが弱まります。

<メタセコイア ヒノキ科メタセコイア属> 11/9 あけぼの山農業公園


葉と枝の間に壁を設け(離層)、葉が落ちた後に冬の厳しい寒さに耐え、葉が落ちた枝から病虫害が侵入するのを守ります。

<ケヤキ(欅) ニレ科ケヤキ属> 11/11 流山総合運動公園


<モミジは緑色から黄色へ>
木が枝と葉の間に壁(離層)をつくっているときには光合成が止まり、葉の中にあったデンプンやタンパク質が減るため、緑色のもとである葉緑素が分解されます。

<ケヤキ(欅) ニレ科ケヤキ属> 11/11 流山総合運動公園


葉緑素が消えると、緑色だったときには隠れて目立たなかった黄色の色素(カロチノイド)が見えて、まず黄色い葉になります。

<カシワ(柏) ブナ科コナラ属> 11/11 柏の葉公園


<モミジは黄色から赤に>
その後、光合成で葉に残されていた糖類が変化してアントシアンという赤い色素になります。赤の色が濃いので、また黄色は隠れて目立たなくなります。

<カシワ(柏) ブナ科コナラ属> 11/11 柏の葉公園


<紅葉が終わり落葉へ>
こうして、紅葉も終わりに近づくと木の枝と葉の間には壁(離層)ができあがり、葉は落ちます。

<サンシュユ(山茱萸) ミズキ科ミズキ属> 11/11 柏の葉公園


葉の色が変わっていくときは、冬に向けて葉を落とす前に木が準備をしているわけです。

<サンシュユ(山茱萸) ミズキ科ミズキ属> 11/11 柏の葉公園


<葉の種類によって色の変化は違う>
葉の種類によって、持つ色素は異なります。モミジのように緑~黄~赤と変化する葉もあれば、イチョウのように緑~黄と変化して散る葉もあります。

<トチノキ(栃の木)  ムクロジ科トチノキ属> 11/11 柏の葉公園


イチョウが黄色になるのは、モミジと同じく、葉緑素が消えて黄色(カロチノイド)が目立つことによる変化です。イチョウは赤(アントシアン)が作られないので、赤くならずに散ります。

<トチノキ(栃の木)  ムクロジ科トチノキ属> 11/11 柏の葉公園


太陽が当たりすぎて葉中の水分が少なくなり、夏に日焼けしているような赤を示す植物は概ね紅葉します。

<ナンキンハゼ(南京櫨) トウダイグサ科ナンキンハゼ属> 11/11 柏の葉公園


カエデ属植物の他にもブドウ科やバラ科の植物も紅葉しますが、カエデの紅葉は植物では群を抜いて美しいものです。

<ナンキンハゼ(南京櫨) トウダイグサ科ナンキンハゼ属> 11/11 柏の葉公園


また、茶色くなる葉は茶色の色素(フロバフェン)が作られることにより色が変化します。

<ハクモクレン(白木蓮) モクレン科モクレン属> 11/11 
流山総合運動公園


<紅葉には条件がある>
紅葉は秋に始まりますが、その時期には地域差がありますが、紅葉が始まるには条件があります。

<ハクモクレン(白木蓮) モクレン科モクレン属> 11/11 流山総合運動公園


目安として、最低気温が6~8度くらいまで下がり、日中は太陽の光(紫外線)にたくさんあたり気温が上がること。

<ラクウショウ(落羽松) ヒノキ科ヌマスギ属> 11/11 柏の葉公園


夜から明け方にかけて気温がぐっと下がり、昼と夜の寒暖の差が大きいこと。適度な湿気があることなどです。

<ラクウショウ(落羽松) ヒノキ科ヌマスギ属> 11/11 柏の葉公園


このような条件を満たす山間部や盆地などは、寒暖差が激しいため美しい紅葉を見ることができます。


「紅葉(黄葉・褐葉)の季節」を最後までご覧いただきありがとうございました。「ブログアップに耐えうる紅葉の写真を撮る」ことを目的に出かけましたが、実際に見ている景色はとても綺麗なのに、写真に撮るとイマイチの内容になってしまいました。まだまだ修行が足りないと、反省しきりです。