先回の続きです。⇒ 7月の花のアルバム ② 2023-08-10
今回も、先回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。
オーストラリア原産で、日本で出始めた頃は花色が青いことから「ブルーファンフラワー」と呼ばれていました。
<ブルー>
その後は白やピンク色、紫色の花色も開発されていきました。花は手を広げたような形の小さな花が沢山咲き、紫や白、桃色の花もあります。
<ピンク>
花期がとても長く、5月から10月の間、長く花が咲き続けます。和名は末広草です。
<バイカラーラベンダー>
園芸品種ではサントリーが開発した「サンク・エール」がよく知られています。
<ホワイト>
「サンク・エール」は従来のスカエボラより耐暑性と連続開花性が優れ、丈夫で、ほぼ植えっぱなしでOKなどの特徴があります。
<ラベンダー>
花言葉は「涼しい風を運ぶ人」です。ブルーやホワイトの涼しげな花色をイメージさせます。
<インディゴ>
他に「祝杯をあげる」「あふれる可能性」「浮気な心」といった花言葉もあります。
<スカエボラ(末広草) クサトベラ科クサトベラ属(スカエボラ属)>
7/5 あけぼの山農業公園
原産地は南ヨーロッパから中央アジア。ハーブとして用いられるほか、見た目が似ていることからコショウの代わりとしても使用されていました。
花が少なくなる7月から、さわやかなスミレ色の花を咲かせます。生育旺盛で育てやすい落葉低木ですが、あまり栽培されていません。
花には芳香があり、葉にも香りがあり、開花期も非常に長いのが特徴です。樹高は3mほどになり、枝も広く張るため、栽培するには多少広い場所が必要ですが、開花時にはひときわ目立ちます。
和名は、この葉が、チョウセンニンジンに似ることに由来します。
<セイヨウニンジンボク(西洋人参木) シソ科ハマゴウ属>
7/5 あけぼの山農業公園
熱帯アメリカ原産で、花後に枯れる一年草です。日本には江戸時代前期に渡来したとされます。
主な開花期は夏から秋で、花色は紫紅、白、ピンク、オレンジなどがあります。炎天下でもめげずに茎がよく枝分かれして茂り、球状の花を咲かせます。
花びらはもたず、色づいているのは苞葉(ほうよう)と呼ばれる花の付け根に付く葉っぱです。夏から秋まで長い間、紅色が色あせないことからこの名前になったそうです。
<センニチコウ(千日紅) ヒユ科センニチコウ属(ゴンフレナ属)>
7/5 あけぼの山農業公園
ユリ科ユリ属台湾原産の外来植物です。7月から9月頃になると、テッポウユリに似た白い花を咲かせます。
本種の花の大きさは15cmから20cmほどで、テッポウユリは10cmから15cmほどです。小さいほうがテッポウユリと覚えます。
また、本種にはピンクの筋が入りますが、テッポウユリには筋がありません。筋の有無でも判断できます。本種の葉は細長くて松の葉に似ていますが、テッポウユリは笹の葉のようにややふくらみがあります。
まだ法的指定がありませんが、本種は繁殖力が強いため、いずれ「特殊外来生物」に指定され、駆除対象になる可能性の高い植物といえます。
<タカサゴユリ ユリ科テッポウユリ亜属>
7/26 自宅
熱帯から温帯に生育するカンナ科の多年草。カリブ諸島、熱帯アメリカ原産ですが、園芸目的で世界各地に移出しています。
園芸種のカンナの原種のひとつです。日本には江戸時代初期に観賞用として渡来しました。
花は黄色~赤色で、カンナより花が小さめです。花後は、棘のある球形の蒴果ができます。種子は数珠やネックレスなどに用いられます。
<ダンドク(檀特) カンナ科カンナ属>
7/5 あけぼの山農業公園
北海道から九州までの地域に夏鳥として飛来し、人家や商店、駅などに泥でできたおわん型の巣を作ります。
体の色は光沢のある黒で、腹は白く、額と喉が赤い。尾は長く二つに分かれ、オスの尾はメスよりも長く見えます。
春から夏にかけて繁殖し、2回子育てすることもあります。トンボやアブ、ユスリカなどの飛ぶ虫を飛びながら捕えます。
チュピッなどと鳴き、さえずりは「土食って虫食ってしぶーい」と聞こえます。
子育てが終わると、川沿いのヨシ原等に数千羽から数万羽が集まり、ねぐらをとります。8月中旬から10月にかけて東南アジアへ渡ります。
<ツバメ(燕) スズメ目ツバメ科ツバメ属 体長:17cm>
7/10 自宅
日本を含む東アジア原産で、畑の隅や道端で見かけることの多い鮮やかな青い花が咲く夏の植物です。
日本でも古来から自生しています。朝咲いて昼には萎む儚い様子から、万葉集の和歌でも恋の歌で登場する植物です。
<ツユクサ(露草) ツユクサ科ツユクサ属
7/20 手賀沼
なつみかんさんからのご指摘により、説明文と品種名を変更させていただきました。なつみかんさん、ありがとうございました。
↓ ↓
ヨーロッパ原産のキク科の植物です。繁殖力が強く、在来の植物の生育場所を奪うなどの影響を与える可能性があるため、環境省により生態系被害防止外来種に指定されています。
葉っぱがギザギザで、トゲがあるのが特徴で、手に刺さると痛みを伴います。
開花時期は7~10月ですが、枯れた後でも鋭いトゲがあるため、駆除の際には十分に注意してください。
在来種のノアザミは葉のトゲは葉の縁に付けますが、アメリカオニアザミは表面にも密生します。また、花の付き方もノアザミは茎の先に花を1つだけつけるのに対し、アメリカオニアザミは茎の先に花を数個つけます。
<ノアザミ(野薊) キク科アザミ属>
<アメリカオニアザミ キク科アザミ属>
7/7 近隣の路傍
中国原産での落葉性のつる性木本。平安時代には日本に渡来していたと考えられます。古くから観賞用に植えられており、庭園、公園などに庭木として利用されています。
夏から秋にかけ橙色あるいは赤色の大きな美しい花をつけ、気根を出して樹木や壁などの他物に付着してつるを伸ばします。
近似種に北アメリカ原産がありますが、本種に比べ、花は4㎝程度と小ぶりで、花数が多いのが特徴です。
<ノウゼンカズラ(凌霄花) ノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属>
7/19 あけぼの山農業公園
北アメリカのミネソタ州、コロラド州、モンタナ州からテキサス州に分布する一年草。
英名のスノー・オン・ザ・マウンテンから冬をイメージしてしまいますが、夏の花壇を彩るカラーリーフです。
夏に茎の上部が分枝して、緑の葉が白い覆輪となり、雪が積もったように見えることから和名が付けられました。
<ハツユキソウ(初雪草) トウダイグサ科ユーフォルビア属
7/5 あけぼの山農業公園
輝く太陽の下で元気いっぱいに咲き誇り、見るだけでパッと明るい気持ちにさせてくれる花です。明るい黄色やオレンジの色彩と、エネルギーに溢れた佇まいはポジティブなイメージです。
キク科の一年草ですが、学名・英名とも「太陽の花」という意味を持ち、ゴッホゴーギャン、モネをはじめとした多くの芸術家の心を魅了してきました。
大ぶりな黄色の花を観賞用に、または種を食用とするために広く栽培されています。和名で「向日葵」と表記するほか、「日廻り草」「日輪草」「日車」「天竺葵」などとも呼ばれます。
大きな花を1つ咲かせているイメージが強いですが、実は多くの花が集まって1つの花の形を形成しています。これは「頭状花序」と呼ばれ、キク科の植物に見られる特徴です。
黄色い花びらの部分の花を「舌状花」、内側の色が濃く花びらがない部分の花を「筒状花」とも呼びます。
<ヒマワリ(向日葵) キク科ヒマワリ属>
7/19 あけぼの山農業公園
南米原産のオシロイバナ科の低木、あるいはツル性植物で同属は18種の原種が知られています。
花びらのように見えるのは苞(ほう)で葉が変化したものです。一重咲きの場合、3枚の苞が一組になっており、1枚の苞に花は一つで苞中央部の脈上に長さ1~2cm程度の細長い筒状の萼があります。
苞の色は白、ピンク、赤、紫、黄色、オレンジ色、白い苞に赤い脈が入るもの、白に紫のぼかしがはいるもの、白にピンクのグラデーションがかかるものなど実に変化に富んでいます。
<ブーゲンビリア(筏葛) オシロイバナ科ブーゲンビリア属>
7/19 あけぼの山農業公園
日本原産のつる性の落葉高木で、日本人には万葉の時代からなじみのある植物です。4~5月頃に蝶のような形をした紫色の小花を房状にぶら下げます。
総状花序の一つの花が、一つの豆果になるので、よく見ると花軸に豆果がぶら下がります。つまり多くの花があっても1~3個ほどしか結実しないことが分かります。
初夏に豆果(豆サヤ)が付き始めて、秋になると豆が成熟するにつれサヤも褐変し、完全にサヤが乾燥するとパチンと豆が飛び出して種子散布に至ります。
<フジ(藤) マメ科フジ属 (落葉つる性)>
7/5 手賀沼
7月の花のアルバム ③ 13品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「7月の花のアルバム ④(最終回)」に続きます。