日の本の下で  究極の一点 Ⓢ への縦の道

『究極の一点』Ⓢ 
神のエネルギーの実在を『フライウェイ』の体験を通して知り、
伝えるデンパ(伝波)者

『すべての芸術は絶えず音楽の状態に憧れる』      ② 映画 『シャイン』 について

2015年02月20日 | 音楽 映画 小説  サイエンス  アニメ

引き続いて音楽について

名作映画のネタバレがあるので

『シャイン』をまだ観ていない方は読まないでください。

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角川書店

 

直前の記事に書いたように

私は幼少時に楽器のお稽古事を母の強い希望でさせられていた。

 

母は趣味としてではなく、

私を〇〇ニストにするレベルの厳しい練習を課していた。

 

それは、母の父親が一流の音楽家が幼少であった頃に指導していた事への

形を変えた復讐のようなものであったのだと、

大人になってから私は知った。

 

母はアカデミックな音楽の教育を受けた事がない人であった。

しかし音楽で成功するという事の果実がどういものであるかを

父親が心血を注いで指導した子供が

やがて想像以上の成長して社会的な成功を収めるのを目の前で見てきていた。

 

そして、母は後に自身に注がれるはずであった父親の愛情を

その人に盗られたと子供の頃に感じていたと言った。

それ故にどうしても音楽での成功を息子たちに夢みたのだと。

 

 

映画『シャイン』は実在のピアニスト、ディビット・ヘルフゴットをモデルにした

1996年に公開された映画だ。

 

私は『シャイン』を観ながら幼少期の辛かった母との練習を思い出して、

映画館で周りのお客さんが引いてしまうほど泣いた。

 

主人公のディビットにとって私の母の役回りは父親であった。

夜暗い部屋で電球の下、父に厳しい指導を受ける主人公を

自身に重ねていたたまれなくなって

途中で映画を観るができなくなりそうだった。

 

そして主人公がバスタブの中で大便をして、父親にプライドをズタズタにされる場面では

練習が厳しすぎて母にトイレに行きたいという事ができず

その場でお漏らしをした事を思い出し

思わず声が出た口を押さえ泣いてしまった。

 

いい歳をしたオッサンが咽び泣くのは異様な光景であっただろう。

 

『シャイン』は私の子供の頃の辛かった記憶を思いださせ

練習になると妥協をゆるさなかった厳しい母の記憶と共に

母の当時の愛情を理解するきっかけを与えてくれた。

 

映画は人生の不思議な出会いとはからい、

そして音楽という芸術の持つ普遍的な力を美しく表現していた。

 

『シャイン』を観終わった後

わたしは心の奥底から癒されたのを感じていた。

 

それは子供の頃に受け、どこかにしまい込んでいた

氷塊のようだった想いが

溶けるように心に沁みこんで

掛け替えのない私の一部になった瞬間であった。

 

 

 

 

 *続編

『すべての芸術は絶えず音楽の状態に憧れる』 ④ 続 映画 『シャイン』 親と子  命の合奏(アンサンブル)  


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