ちゅう年マンデーフライデー

ライク・ア・ローリングストーンなブログマガジン「マンフラ」

枯れているのに美しい落ち葉の色のハーモニー

2009年11月07日 | マンフラ・ギャラリー
 ウォーキング&ジョギングのついでに枯葉を拾ってきて描いた。枯れてもなお、美しい色の複雑なハーモニーを奏でている落ち葉は、ほんとうにすばらしい絵の教材だ。橙色から深い赤と臙脂、茶に至るグラデーションとその中にかすかに見える緑、紫、群青などの色。みつめればみつめるほどその色の調和に惚れ惚れしてしまう。どんぐりの単純な形をうまく描くのが意外と難しかった。わが家から見える公園の紅葉もいまが真っ盛り。紅葉狩りも風流だねー。

 「枯葉」は日本では最もポピュラーなシャンソンの一つ。イヴ・モンタン、ジュリエット・グレコが定番。日本では高英男がよく歌っていた。たぶん始めて聞いたのも、この人の歌だったと思う。クレージー・キャッツのギャグでも秋のシーンのバックには必ず使われていて、植木等が甘く「枯葉よ~~」なんて歌いながら現れていたっけ。英語版はあのジョニー・マーサーが作詞していて愛唱したシンガーもナットキング・コールやらシナトラやら枚挙に暇ない。ジャズでは「サムシン・エルス」のマイルス、「ポートレイト・イン・ジャズ」のビル・エヴァンスの名演が極めつけか。「ポートレイト・イン・ジャズ」の日本版LPが出た時、ジャケットのかっこよさ、そして、そのエヴァンスの演奏はちょっと衝撃的だった。スコット・ラファロとの丁々発止の掛け合いと会話、シャンソンの名曲が実にみごとに戦闘的なジャズに変貌していたのだ。この頃のエヴァンスは、クールというより、パッションに満ち溢れ戦闘的だった。

 そうなのだ、一枚の枯葉の複雑な色のハーモニーをたとえるならこのエヴァンスの演奏がふさわしい。
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