先日の日曜日、横浜・赤レンガ倉庫ホールで行われた
KOKIA 音の種蒔きコンサート in 横浜 に参加してきました
実はKOKIAさん、6月に風邪を引いてしまって声が出なくなり、6/18の神戸でのチャリティーコンサートが中止になりました。
もちろん、まるっきりなくなったわけではなく、8月に延期になったのですがね。
昨年秋にちょっとタイトなスケジュールのヨーロッパツアーを敢行して、日本に帰国した途端、体調を崩したそうです。
持病の喘息もあって、かなり悪い状態だったみたいです
確かに、年末に行われたクリスマスコンサートや、イベントの時の歌声に、いつものハリや艶がちょっと欠けていた気がしましたが、正直そこまで悪かったとは思ってもみませんでした
その後、3月に行われた2日間のステージレコーディング、そして5月の「KOKIA 2011 The 5th season concert」2days,無事にそれも大成功で終わったので、私は病気のことなど忘れてしまっていて、今年のKOKIAさんの動向にとっても期待していました。
ステージレコーディングは3月にあって、私は2日間のうち1日目に参加していました。
KOKIAさんは、自分にとっても高いハードルをあげて、それに挑戦したかったって云っておりましたが、私、正直ちょっと心配していました。
だってね、見ててそれは想像以上に過酷な現場だったんですよ。
例えていうなら、お相撲の1場所、15日間の取り組みを2日間でやるみたいな。。。(ちょっと違うか)
きっと、喉の疲労が想像以上で、ずっと腫れた状態だったのね。
喉って、自分で見ることができないでしょ。
沢山歌ったり、大声を長く出すだけで、喉に血豆ができたりもするんですってよ
それに、花粉症でよくくしゃみをする人いるでしょ あのくしゃみでさえ、喉におおきな負担を与え、炎症を起こしたりするみたいですよ。
私も喘息体質なので、その辛さもよくわかるつもりです。
咳のし過ぎで肋骨を折ってしまったことがあるKOKIAさん、私は骨折まではないですが、胃袋が飛び出そうな、白目をむくような酷い咳をします。
普通におしゃべりしてるだけでも、突然咳き込んだりもします。
風邪とかじゃなくても、埃や花粉・黄砂・そして温度差・気流、ストレスや心因性も原因の一つになるので、とってもやっかいな病気です。
さてさて、話がとーっても横道に逸れてしまいましたが、「KOKIAさーん、無理しなくってもいいんだよ~。コンサートはお休みしたっていいんだよ~」の声が大きかった中で、開催された赤レンガホールコンサート。
気がかりは、KOKIAさんからの「元気になりました。もう大丈夫、安心してね」宣言がなかったこと
たぶんね、会場に集まったほとんどの人が、不安を抱えながら待っていたと思います。
会場に入ると、ステージにはグランドピアノが一つだけ。
ということは、ピアノとKOKIAちゃんの2マンってことかな ピアノは誰が弾くのかな~?
瀬田さんのブログのスケジュールにはなかったし・・・。ひょっとして浦さんかな
私の希望は、浦さんのピアノと光隆さんのベースのジャジーなKOKIAだったんですけどね。
だって、CDと同じアレンジだったらつまらないでしょ。その時限りのアレンジ・パフォーマンスがライブの醍醐味だと、私は思ってます。
ライブが始まる前に、今日のコンサートは2部構成で、途中15分の休憩があるとアナウンスされました。
うんうん、、なんとなーく覚悟を決めたよ。調子はイマイチなんだね。
客電が消えて暗闇になる会場。会場の緊張感が最高潮になった時に、現れるKOKIAさんがなかなか出てきません
黒っぽい半袖の浦さんと、黒いドレスのKOKIAちゃん。浦さんの頭だけ KOKIAちゃん、顔色悪いし、なによりも艶がないし、もうアチャー
1曲目、イントロを聞いただけで、私の目から涙が 歌う人
これが、今日集まってくれた人へのKOKIAさんの気持ち、心配してるファンへのお返事なんだと思うと、涙がポロポロ出てしまいました。
もうね、音程が狂ってるし。。。声が不安定だし。。。。なんかね、いつもの声の出し方、声の当て方と微妙に違う感じ。
それなのに、下手くそな歌なのに、いつもよりKOKIAさんの気持ちがヒシヒシと伝わってくるの。
「生きていることは愛おしい」 愛おしいには、とっても大切とかたまらなく可愛いとかという意味がありますが、〈つらい〉という意味があるのをご存知ですか?
まさに、生きているってことは、楽しいことばかりではなく辛く苦しいことのほうが多いかも。
今回の一連の事も、KOKIAさんにとっては「なんでこのタイミングなの、なんで私なの」って思ったでしょうね。
会場が、KOKIAさんを心配する気持ちで満ち溢れていたし、調子を確認しようとする気配が充満していたし、思うように歌いきれないKOKIAさんを応援しようという気持ちとか、とにかくいつもと違う気配の会場。
私は、なんとか楽しもうと頑張ってみたけど、やっぱり全然楽しめませんでした。
つまらなかったとか、残念だったという気持ちではなく、反対に参加できて良かったっていう気持ち。
私がコンサートに行くのは、その人に会いに行ってるんだ、その人の人柄に触れたくって行ってるんだってことを再認識したから。
KOKIAさん、いま、体調はいかがですか? ちょっと悪くなってませんか?だから、やめろって言ったのにって叱責されてませんか?
でも、やめた方が賢明とわかっていてもやってしまうのがKOKIAさんなのでしょうね。
今までだって、きっと血反吐を吐きながら、息をすることさえ辛くなっても歌ってきたんだろうな~、そんなことフト思いました。
あなたが、とても不器用で真面目で頑固な人だってよくわかりました。歌を歌うことでしか、気持ちを表現できない歌バカなんですよね。
完璧な歌唱を期待するなら、生の何があるかわからないコンサートではなく、立派なオーディオセットでCDを聞いていればいい。
でも、その時のKOKIAさんの気持ちを受け止めたいから、共有したいから私はコンサートに足を運んでいるんだな、きっと。
KOKIAさんの生き方、生き様を見届けたいんだよね、きっと。
痛々しくってボロボロなKOKIAさんだったけど、切なくなるような姿だったけど、妙に格好よかった。
3月の震災以来、聞くのが辛かった世界の終りに
日曜日の歌声は、とても優しく心に響いてきました。
強くメッセージする歌だから、しばらくは歌うことはないだろって思っていたのに、まさかこんなに早く歌うことになるなんて、今日はみんなのためにというより、自分に向けて。。。みたいに歌いだしたmoment~今を生きる~
ピアノ1本で歌うmoment~今を生きる~は、国際フォーラムでのアレンジに似ているようでありましたが、歌唱はやや違っていました。
5月は、神の啓示といか、神様がKOKIAさんの姿・声を借りて「今を生きる」といことを強く示した光の道のような歌。
でも今回のは、KOKIAさんのある1日、髪を振り乱し、悶え、苦しみながら、でも踏ん張ってるみたいなのを妄想してしまうような感じ。
シャンソンのような、ファドのような、一人芝居のような、やや鬼気迫る感じ。
我武者羅に歌を歌うことしかできない、すべてをさらけ出すような歌。
浦さんのピアノが、それまである時は心配そうに、ある時はKOKIAさんをリードするように、常に寄り添っていたのですが、この歌の時だけは顔を真っ赤にして、必死に弾いていました。
国フォでも、素晴らしいピアノでしたが、あの時は演奏していない音レンジャーさんの気持ちも一緒にみたいな感じだったんですけど、日曜日は浦さん一人で、KOKIAさんの気持ちに負けないよう、必死って感じでした。
小さな消え入りそうな声なのに、その声の方が心の奥深い所に届いた気持ち。魂の化身のようなロングトーン。私は、決して忘れません。
本来なら、この曲でラスト、そしてアンコールに突入なんでしょうが、長い長い拍手の後に、Remember the kiss
途中からは、会場のみんなの大合唱
ごめんなさいね、私、泣いてたもので歌ってません。だって、声を出そうとすると、それは歌ではなく嗚咽になってしまうんだもの。
KOKIAさんに向けて歌われた歌は、事前に練習していたわけではなく、あの時のみんなの素直な気持ち。
代われるものだったら代わりたいとか、エールを送りたい、自分の元気パワーをわけてあげたいとか、愛してるって叫びたいとか
いつの日か、この日のコンサートのことを笑って話せることができるといいなって思っています。
その時は、「KOKIAちゃん、あの時、泣いてたもんね~」っていいましょうね~
赤レンガホールは、音楽だけのホールではないので、音的にはどうかなって印象でした。
時々、音が籠る、濁る印象です。違う選曲ならまた違う聞こえ方なんでしょうけど。
海が見えて、潮風が吹いていて、そんなところで聞く、クレマレテ は素敵でしょうね~
次、会えるとき のピアノとのアドリブ合戦も、本来なら聞き応えがあったんでしょうね~
キャピタルさん、どうかお願いです。KOKIAさんにリベンジの機会を与えてください
今回のコンサートも充分、心に残るコンサートだったけど、できれば自由に伸び伸びと音の波を泳ぎ回るようなKOKIAさんを赤レンガホールで見たいです。
KOKIAさんも笑顔、みんなも笑顔になれるコンサートが楽しみです
これから、地方へ歌を届けに行く予定があるらしいKOKIAさん。
みんながとっても楽しみに待ってます。早く、心も体も元気にしてくださいね。
7月はKOKIAさんのお誕生月ですが、言っちゃ悪いですが、そろそろ今までとは体力が変わってきます。いつまでも若いつもりでいると、また今回みたいになるので、気を付けてくださいね。
それと、夏になると頭が蒸れて、云々。坊主頭に云々。浦さんが固まっていましたよ
【セットリスト】 ピアノ: 浦 清英さん
歌う人
次会う時は
愛と平和と音楽と
優しい調べ
クルマレテ
世界の終わりに
あたたかい場所
いつか誰かを愛した時
この地球がまるいお陰で
moment~今を生きる~
Remember the kiss