先週の23日・24日に、宮城(名取)と岩手(盛岡)で、TOKYO FMの番組クロノスの1コーナー「ありがとう、先生!」のスペシャルライブがありました。
番組のテーマソング「高校23年生」を歌っているのは、馬場俊英さん
馬場さんの大ファンのメロンパンさんは、駆けつけるのかな~? 福島から名取だと行けない距離ではないと思うんだけどな~・・・なんてボンヤリ考えていた私。
台風15号の襲来で、東京の交通がマヒしたり大混乱になったのは、9/21の夜。
台風はそれから福島の方へ駆け上がって、海へ出て、猛スピードで北上していきました。
なんとな~く、台風の影響はなかったんじゃないかな~なんてノーテンキだった私
ちょうどその頃、悩めるオバチャン状態だった私。メロンパンさんに「行って来たの~?」なんて尋ねることもできずにいたら、25日の夜に、メロンパンさんの方から、「行って来たよ」メールが届きました
彼女からのメールには、ラジオのパーソナリティー・庄子久子さんのブログの紹介と、ヘッズさん(馬場さんのファンのこと)との再会や交流、そして、イベントに参加してきて沢山チカラをもらってきた、と綴られていました。
庄子久子さんは、当日の様子を「お客さんが馬場さんの歌をこころの奥まで吸い込んでいるような空気でした。」と表現されています。
たった短いこの文章だけで、その場の雰囲気が手に取るようにわかります。
詳しい内容はコチラ 庄子久子さんのブログ http://www.hisako.me/blog/2011/09/post_751.html
とっても素敵な時間だったのが、よくわかったので、メロンパンさんに速攻でメールを返し、もう少し詳しく教えて~
(ここまで、長々と書いてきましたが、当日のライブのレポでは、ありません。ごめんなさい。セットリストとか、トークの内容とか一切ありません。タイトルで、期待しちゃった方がいらっしゃったら、本当にごめんなさい)
ちょっと気持の整理がつかない内に出かけました。(メロンパンさんのメール、ほぼ原文)
そうだよな~、お彼岸だったものね~。そういえば、ニュースで仮設住宅が水に浸かって、またもや避難してるって人のニュース、やってたな~
なんか、悲惨なニュースが多かったので、感覚がマヒしてて、他人事って感じでボンヤリとニュースを観ていた私です
でもメロンパンさんの「行く行かない」の葛藤の気持ち、私は何となくだけど理解できるな~。
なんていうかなぁ~、近くで酷い目に合っている人がいるのに、自分は楽しみに行く後ろめたさっていうのかな~。悪いことなんかしてないのに、笑う・楽しむ・喜ぶってことが、罪悪感のように感じるっていうか。。。
でも、行ったんだよね
気持ちの整理がつかないまま、名取へ向かったメロンパンさん
前回のライブでお話出来なかった方と避難所での事や今の生活を語り、 この辺りから気持ちは日常を少し忘れ馬場ワールドになって来ました
会場には、やはりいつものヘッズさんの顔が 「こんにちは~」って手を振る人 、 「大丈夫だった?」と声かけてくれる方(私が福島県だって知ってるから)、仙台のライブしか行けないって方々は「宮城県に来てくれて嬉しい~」って。(メロンパンさんのメール、ほぼ原文)
会場で顔を見かけたからって、わざわざをくれて、「生きててくれて良かった~」なんて、ヘッズさんとの感動的な再開もあったようです
メロンパンさんにとっては、馬場さんの歌を聞く それは、もちろんこれまで彼女を慰め、勇気づけ、大きな力になってきたこと。
でも、それ以上に、馬場さんを通して巡り合ってきた人たち、その人たちとの繋がりが、彼女の心を慰めて、支えているんだって思いました。
庄子さんのブログに、「ある特別番組を担当することで、馬場さんと繋がって、馬場さんのファンからも声をかけてもらうようになった。その中には、いま苦しい思いをされている方もいるけど、馬場さんの歌を口ずさみながら、日々を過ごしてほしい。そして、またどこかでお会いできることを」と結ばれています。
ひょんなことから繋がった人たち。会場には馬場さんの歌を聞くのはもちろんだけど、ひょっとしたら、ヘッズさんたちと会う事、声を掛けること、そっちの方が大きな目的だった人たちもいたのでは。。。
メロンパンさんは、阪神淡路の震災を経験した関西ヘッズさんから貴重なお話を聞けたそうです
メールとかできなかったけど、とっても心配してたよ。「お家は?ご家族は?」との矢継ぎ早の質問に、メロンパンさんが状況を説明すると絶句 され、メロンパンさんが「しばらくは馬場さんの歌聞けなかったよ。辛すぎて」って言ったら「それは当たり前だよそれで良いんだよ」って
「何もない生活でも、綺麗な物とか好きな歌大事だよ」 素敵な言葉だなぁ~。希望の灯りがポッと灯るような言葉だなぁ~
私も、そういう心の灯りが灯るような言葉をいいたいな~。
このブログを書くにあたって、馬場さんのブログを再読したところ、「言葉」ってキーワードに引っかかってしまった私
たまたまなんだけど、「言葉」ってな~ってボンヤリ考えていたところだったのでね。
馬場さんは、「よく言葉の力と言いますが、それは、言葉を受け止めた人が自分の中から生み出す力。」と書いています。
もちろん、その前後に文章があるのですが、妙にこの一文が心に引っかかった私
それまで、自分の言葉のチカラ不足、語彙の足りなさを痛感していたから、相手に伝わらないのは、自分の力が足りないのだと思っていたの。
震災直後に、ツイッターで詩を投稿していた和合亮一さん。
彼は、言葉を失った人の代わりに、その時の福島の様子を、まるで実況中継のように言葉で表しました。
ほとばしる言葉は、時に映像を超えるエネルギーがありました。
そして、いま、和合さんは、感情の赴くままだったような言葉を整理し、推敲して、更に心の奥深い、言葉にならない気持ちを詩にしています。
先日観たテレビで、作家の開高健さんは、「自分は作家だから、筆舌に尽くし難しとは言えない。なんとしてでも、言葉をひねり出し、絞り出さなければならない」みたいなことを、おっしゃっていました。
作家の平野啓一郎さんは、「日々の生活の会話の中からだけは表現しきれない何かが、自分の中にあった。」「被災した人たちが、本当に何を考え、何を感じているのか。その人たちの思いと自分たちの思いの距離を、出来合えの言葉で埋めてしまうと、何かの瞬間に溝が現れてしまう」みたいなことを、おっしゃっていました。
私は、その場の思い付きだけで、安直に言葉を使ってはいないか えっ、でも言葉のチカラは、発信者のチカラではなく、受け止めた人の心の中にあるの?
考えは、ただ頭の中をグルグル回るだけで、答えはみつかりません。
メロンパンさんに、もう一度尋ねました。
「馬場さんの歌聞けなかったよ。辛すぎて」って、どういう意味? 綺麗ごと過ぎて、そんな容易いものじゃないって思ったの?
答えは、「直後はね 頭が空っぽだから 何も入って来なかったの。でも 時が過ぎてくると 馬場さんの歌の中に自分がいるみたいに感じて来た。たとえば、長~い坂道を登ってる自分 、人混みの中で行き先がわからずウロウロしている自分 、そんな感じ。今は 根っこを張るために地面に栄養を蓄えてるって感じかな 」
どうやら、私は表面だけの上澄みの「言葉」に囚われていたのかもしれません。
打てば響くじゃないけど、言った、伝えた言葉の反応を、答えを性急に求めていただけ。
受け手のことをよく考えていなかった。アンテナはちゃんとこっちへ向いてるか?とか。雑音は混じってないか?とかね。
どんな素敵な言葉を用意しても、気持ちの押し売りはイケナイってことね。
超、反省します。ただ、その時は、伝わらなかった言葉(想い)も、時を経て、「あぁ~」ってこともありますね。
ちょうど、番組のテーマソング「高校23年生」は、まさにそんな歌でした。
学生時代に言われた言葉が卒業して何年も経ってから胸に響くことがあります。
時間が経ってからわかることや自分がその立場になってみて初めて理解できる言葉がありますね。
「ありがとう先生」と思う瞬間は学生時代よりも大人になってからのほうが多いのかも知れません。(馬場さんが、この歌に込めた思い)
発した言葉を誤解されたり、真意が伝わらなかったり、50歳を過ぎたけど、自分の未熟さで戸惑う事ばかりです。
でも、自分の気持ちがぶれさえしなければ、いつか伝わることもあるってことで
あ”-、でも、私、すぐぶれちゃうのよね そんな時は、是非、叱咤激励をお願いいたします。
~~~~番組告知~~~~
「ありがとう、先生!」スペシャルライブ 特別番組
10月2日 19:00~19:55
TOKYO FM FM岩手 Date fm ふくしまFM
9/23,9/24のスペシャルライブの模様が特別番組でオンエアされます。
視聴エリア外でも、いまならradikoから、全国どこでも聞けるはずですよ。
当日、会場へ行けなかった人も、どうぞラジオでお楽しみください。
また、会場へいらっしゃった方も、改めてあの日の感動に浸るもヨシ、忘れてしまいそうな記憶を呼び覚ますもヨシ
メロンパンさん、そしてこの文章を最後まで読んでくださった方々、私のしょーもない悩みにお付き合いいただきありがとうございました。
最後に、馬場さんのブログの文章より、「もどかしい思いの中からようやく一粒こぼれた言葉。歌作りではそんなイマジネーションを大事にして行きたいと考えています。」
歌の中には、どうして私の事がわかるの?って驚いてしまうような「君の心を詩にしたよ」的な歌に遭遇することがあります。
誰もが心の中に言葉にならない詩を抱えています。馬場さんが、私の、メロンパンさんの、多くの人のそんな言葉にならない気持ちを詩にしてくれるのを、楽しみにしています。
でも馬場さんの歌は、どこか短編小説のような、ショートムービーのようなところがあるから、わたしたちのような普通の人間が主人公の歌も大歓迎です
メロンパンさん、「苦しみの中で、いま、あなたの樹は育っているんだね」 私も、そろそろかなって思ったけど、まだ育っているみたい。見えないとこだけどね