阪神ＪＦの展望－その３

オッズバランス編。
上位人気が予想される馬を中心に寸評。

主要ステップのファンタジーＳ組から。
ただ、ファンタジーＳが京都１４００ｍで今回が阪神１６００ｍという事もあり、
極めて関連性が低いステップレースでもあるのだが．．．

１着キャンディバローズ。
スローの上り勝負。
当然、レースは前に行った馬での決着で逃げ込みを計る先行勢を追いものの強みも含めて、
決め手で勝り、際どく捕らえて勝利。
レースはスローの低レベル戦だが、一応、良い脚は持っているところは見せたし、
それまでが洋芝の札幌でのものだから、中央の競馬場で良い脚が使えたのも大きい。
マイルは未経験でも札幌で１５００ｍは経験してこなしているので、距離の不安も心配しなくても良いだろう。
一応、未勝利勝ちはコースレコードでもある。
付け加えればディープインパクト産駒。
有力だろう。
ただ、前走は勝ってしまったので、当然人気の中心の一角だろう。
これ、僅差３着だったら、妙味が多少でもありそうだが、オッズバランス的には微妙な部分がある。

２着メジェルダ。
重症レベルの内容でないスローの逃げを粘りこんだだけの２着。
それまでのレースぶりからも本質は重賞(Ｇ１)では通用するのは厳しいだろう。

３着ブランボヌール。
３番手追走から直線で内を突いたが、思ったほど伸びなかったというところか。
結果的に内の馬場状態が微妙だったのかもしれないし、休み明けで叩き台だったという事もある。
また、１２００ｍを２戦しての距離延長も重なって大事に乗ったというのもあるだろう。
その辺の試走と考えれば、悪くはないが、今回はさらに伸びてのマイル戦。
マイルならば距離泣きする走りではないが、不安要素としてはある。
また、函館２歳Ｓを勝っている分、実績上位という事もあるから、当然人気の一角だろう。
その点が微妙。
前走、３着負けで評価が下がるようならば良いのだが．．．

６着メイショウスイヅキ。
前残りの展開で後方からは位置取りから勝ち負けは無理で負けは致し方がない。
その中で、ワントゥワンに次ぐ上り33.2の脚は使っているから、上位入線馬と着差ほどの力差はないだろう。
レースが流れた前々走は決め手が活きて２馬身差の快勝もあるし、新馬から３戦は上りは最速を記録している。
マイルを経験してレースでは負けすぎな面もあるが、中山はある種、特殊でもあるので、
今回に向けては都合良く捕らえれば参考外にもできる。
勝ち負けを続けているように続けて好走というタイプでもないようで、そういう意味で前走負けは良かったとも言える。
展開が嵌ればチャンスが出てくるかもしれない。
とりあえず今回は人気暴落の１戦だろうから、印は回しておきたい馬だろう。

８着アドマイヤリード。
休み明けの１戦で力負けとは思ないが、それにしても物足りなかった。
しかし、このあと、マイルの白菊賞を快勝。
能力の高さは示した。
ただ、出走すれば、中１周。
馬格もない馬で、それほど体質も強いようにも思えない。
まして出走すれば、伏兵以上の人気にはなるだろう。
なんといってもクラシック候補のシルバーステートに新馬戦で勝っている点はどうしても注目されるので。
素質はあるのだろうし、将来を考えれば、今回は出走を見送る英断があっても良いと思う。
また、出てくれば、基本的には無印で良いと思う。
極めてこないタイプのローテーションなので、それを考えての人気から妙味はない。

アルテミスＳ組。

１着デンコウアンジュ。
平均ペースよりやや遅い程度の流れ。
差しが有利というほどのペースではなかったが、外差しの馬場だったのかもしれないが、
それにしても良く伸びた。
ただ、それだけに嵌り過ぎ感は否めない。
一応、未勝利勝ちも最速の脚を見せており、決め手はあるタイプのようだが、
半信半疑。やや疑よりとみるのが妥当か。
ただ、大方がそのように思いそうで、前走が人気薄の抗争だっただけに、今回もあまり人気にならない可能性は有る。
その点ではオッズバランスは良いとも言える。

２着メジャーエンブレム。
ペースが緩んだこともあって、外枠でのコースロスを避ける意味もあったのだろう、途中から先頭に立った。
逃げは理想の展開ではなかったと思うが、それでも手応えよく直線を向き、抜け出しを計ったが、
最後に捕まってしまった。
ただ、展開のアヤの差でもあり、このレースに全力を注いだわけでもないだろう。
その前の２連勝の内容も良く、能力の高さは示している。
マイルの切れの勝負向きではなさそうだから、決め手負けは有りそうだが、上位争いはできそうな安定感は期待できるタイプか。

３着クロコスミア。
上位２頭には完敗もこの馬の伸びも良かった。
その前も重賞３着もあり、アルテミスＳのあとの東京のマイル戦を快勝。
使われて着実に力を付けてきているようだ。
多少、押せ押せのローテの感はあるが、ある意味、それで持ち味を出してきた意味はある。
勝ち負けするタイプとは思えないが、３着候補としては抑えておきたいタイプか。
恐らく人気にはならないだろう。

４着ペプチドアプル。
クロコスミアよりも上りは上回る脚を使った。
そこそこの能力はありそうだが、抽選待ちの身。
出走できるか？

５着ウインファビラス。
内を追走してそのまま内から追ったが、伸びがイマイチ。
メジャーエンブレムもそうだったように、外に比べると内は伸びなかったように思える。
新潟２歳Ｓは勝ち馬には完敗も２着。
今回は叩き台と思いえば、あながちチャンスがないとも言えない。

その他。

クードラパン。
２連勝中。
特に前走はクロコスミアに完勝している。
勝ち内容も優秀の部類だろう。
ただ、重賞級ほどのパフォーマンスでもない。
中間の状態やオッズなどで扱いを考えたいところ。

ペルソナリテ。
新潟２歳Ｓからの休み明けの１戦になる。
その新潟２歳Ｓはウインファビラスから0.3秒差。
その前がデビューから２連勝があるが、ダリア賞は凡戦。
休み明けもあるし、基本、軽視で良いだろう。

アットザシーサイド。
２連勝がともに無難な快勝。
まだ底を見せていないが、ともに１４００ｍというところが微妙ではある。
阪神ＪＦを本気で考えているのであれば、ローテの関係もあるが、マイルを使っておくのが通例。
マイルが来ない瀬ないタイプにも思えないが、穴人気も考えられる馬だけに扱いは慎重にしたい。
極端な一例になるが、昨年のコートシャルマンがこのタイプで本番は３番人気で惨敗している。