1位入線のブエナビスタがローズキングダムの走行を妨害して、2着降着となり、
上位馬、特に1位入線の馬が降着になると、後味が悪すぎで、とてもスッキリしない結果となった。
降着の対象となった部分に関してだけで言えば、進路妨害になっても仕方がないだろう。
しかし、これには一連の流れがあって。
先頭に居たヴィクトワールピサが右に寄れてきて、後ろに居たエイシンフラッシュ、ローズキングダムが
それを避けるために更に右の進路を変えてきた。
その横にいたのがブエナビスタ。
(ブエナビスタがやや左に刺さり気味になっていた事もあったが)ある意味ではローズキングダムに
先に邪魔されたのはブエナビスタ。
横からぶつかるのは基本的に進路妨害にならない。(走行妨害には場合によって値すると思うが)
そのあと、ブエナビスタとヴィクトワールピサに挟まれた形で進路が狭くなったローズキングダムが
1馬身後退。
そこで、手前を変えてバランスを崩したブエナビスタが左に寄れてローズキングダムの前をカット。
これだ進路妨害となった。
この瞬間だけなら、走行妨害も仕方がない。
しかし、最初にきっかけを作っているのはヴィクトワールピサだと思う。
(制裁金1万円)
ヴィクトワールピサが進路妨害がきっかけに起きているわけで、ブエナビスタもある意味では被害馬でもある。
ヴィクトワールピサが進路妨害がなければ、ローズキングダムの進路が狭くなることはなかったはずだから。
Gallop記載のコメントでは松田博調教師はかなりの憤慨。
ケチがついたから、ちょっとでも納得がいかないで気だったら、有馬記念は使わないとのコメントも。
スミヨンは裁定には従うとアッサリ非を認めたが、別に「世界に映像配信するのには恥ずべき判定」の
ようなコメントもしている模様。
ヴィクトワールピサが発端の一連の動きから判断すれば、降着にするほどではなかったというところだろう。
世界標準の見解?
今までの日本の競馬標準からいけば判定は正しいと思うが・・・
ただし、そうでない判定もいくらでも今までにもあった。
今後の改善要求を含めてJRAに言いたい事。
トールポピーのオークスの時など、前に何度か書いたことがあるが、
JRAの進路妨害の基準が曖昧すぎる!!
まずこれだ最大の問題。
基準がハッキリしているなら、あんなに審議が長くなる必要がなく、結局、審議員もどうして良いのか、
判断がつけにくいものだったということを表している。
人間が決めるので主観が入るのは仕方がないが、もっとすんなり決断はしてほしい。
また、今回、ローズキングダムはブエナビスタとは脚色は明らかに見劣っていて、不利を受けなくても
2着入線だったと思う。
しかし、JRAの審議の対象に脚色は関係ない事になっている。
進路妨害でも入線順に影響がない場合は、そのままの入線順位にする判断をしてほしい。
今回の場合でローズキングダムが3着入線であれば問題もあるが、不利を受けようが受けまいが、
今回の上位3頭の入線準は変らなかったはず。
そんな場合は、騎手に制裁金は課すにしても、順位変更をしないくらいの基準があって良いと思う。
このレースでの一番強いレースをしたのはブエナビスタであることは誰もが認めるところだし、
あの進路妨害も結果的に着順に影響はしない。
強い馬が着順に影響がない程度の事で負けになり、負けた馬が勝ち馬になるのは、繰り上がった側は
複雑な気持ちがあるにしても嬉しいだろうが、真の勝者とは認めてもらえない。
競馬、特にG1で求めるものはレベルの高いレース、強い馬がどの馬なのか見たい。
これが基本だと思う。
これがあるから、競馬場に足を運ぶし馬券を買うのだと思う。
今回、ジャパンカップは久々に(今年初の)G1で入場者数、売り上げが前年を上回った。
外国馬は低調なメンバーだったが、日本の馬は、古馬も3歳も上位馬が殆んど参戦してきたから。
良い馬が集まれば、人は集まるし、売り上げも伸びる。
でも、このレースを見て、競馬に疑問を感じた人も多かったと思う。
こういう後味が悪いものがあると、ただでさえ相対的に競馬離れが進んでいる状況。
今後の売り上げにも影響するだろう。
競馬を見る側、馬券を買う側がどういうことを望んでいるのか、JRA側の理解が足りない。
進路妨害の問題は、何故あれが降着にならないのかというものもいくつもある。
ハッキリした基準がなく、審議員の違いによる主観で差がありすぎる。
そんな状況なら、あまりに悪質なもの以外は降着はしない方がスッキリすると思う。
その分、騎手の制裁金は高くする。そうでないとラフな騎乗が増えるので。
JRAの関係者として、また当事者として騎手に責任を制裁金という形で責任は取ってもらって。
JRAには今回のケースを良い教訓にしてもらって、今度の判定に活かしてもらわないといけない。
すべてのレースで。
G1だけが競馬ではないということも強く言っておきたい。
G1以外の場合は、とても曖昧に(ある意味適当に)感じざる終えない場合があるので。
レースについて。
レースはジャパンカップとしては、標準的な流れのスローペース。
1000m通過は1.00.2は少し遅いぐらいだが、そのあとラップが上がらず、完全な直線勝負。
1コーナーで躓くアクシデント(落馬してもおかしくないくらいバランスを崩した)。
道中も外外ずっと回って、直線に入って、楽に前に上がって、差し切ったブエナビスタが
こういうレースの流れは特に得意ということもあるが、他馬とは力が違う内容。
それだけに降着は残念。
2着ローズキングダムは内で脚を溜めてスムーズに前が開き上がってきた。
その後、今回のアクシデントの被害馬となったが、レースの流れには1番乗っていた1頭。
巧く立ち回れた。
3着のヴィクトワールピサもローズキングダムと同様、流れに乗れた1頭。
爆発的な瞬発力に欠ける脚質なため、差し比べで3着になったが、一応の実力は示して
人気暴落を見返した形。
4着ジャガーメイルは後方からこの馬なりに良く伸びで、上位に肉薄。
天皇賞・秋より体調はグンと良くなったと思うし、このくらいは走れる馬。
5着ペルーサはジョシュアツリーの枠入りに時間が掛かったこともあって、またも出遅れ。
そのジョシュアツリーが一緒に出遅れ、たぶんペルーサは外に行きたかったと思うが、
ジョシュアツリーに押し込まれるように内に入って最後方。
出遅れはある程度覚悟していたと思うが、これは計算外だっただろう。
結局、直線だけの勝負。
しかも直線も進路を選びながら100%では追えていなかった。
それで上がりはブエナビスタと同じ33.5。
レースの中身はブエナビスタに匹敵するほど高い。
(スタートも競馬の要素だが)、能力ではG1級。
スタートがまともに出て、能力全快のペルーサが見てみたい。
エイシンフラッシュは一頓挫あったこともあるし、少なくとも今回はこんなものだろう。
展望でも書いたようにダービーは特殊なレース。
この世代の暫定王者のようなもの。
本当に評価されるのはこれからで、巻き返せるか?
ナカヤマフェスタは、明確な敗因は微妙でしょう。
中間の咳の問題。海外遠征の目に見えない疲れ。久々の日本の速い流れに対応できなかった。
レース後に歩様が気になって検査もしたらしい。(結果異常なし)
どう陣営が判断するかはあるが、これが現状の日本での力という可能性も有り得る。
それはそれとして、この惨敗はレースの評価の上で微妙になったのが残念。
ナカヤマフェスタがそれなりのレースをすれば、勝った馬のレーティングは上がるかもしれないが、
ナカヤマフェスタが惨敗となると、結果をそのままレーティングに反映はできないので、
レーティングは高くならないのかもしれない。。。
外国馬はあんなものでしょう。
とりあえず、1,2頭は実績のある馬に参加してほしいと思う。
まとめ
連対馬の傾向
イチオシのブエナビスタが2着。
ローズキングダムも残っていた馬。
3着馬の傾向
イチオシ次点扱いのヴィクトワールピサが3着。
連対馬と合わせてほぼ完璧。
オッズバランス編
ヴィクトワールピサは特注的に取り上げていた馬。
見事に巻き返した形の3着。
このレースのオッズバランス的なポイントは、ナカヤマフェスタとエイシンフラッシュが
オッズバランスが悪く微妙すぎで、逆にヴィクトワールピサが不当に人気を下げていた馬。
良し悪しがモロに着順に表れたレース。
これでナカヤマフェスタは有馬記念に出て来れば、メンバーにもよるが人気を下げる事は間違いないだろう。
でも、中山2500mは基本的にタフなレース。
単純に瞬発力だけの馬が通用するコースではない。
適性はある。
体調が戻っいるなら(万全なら)、有馬記念では逆にオッズバランスが良い馬になる可能性もある。
馬券は・・・
的中したと思った3連単が降着により水の泡。
馬連、3連複は的中したものの終始はたいした儲けではなく、気分は負けに等しい。。。
もっといえば、ローズキングダムさえ(降着に関係なく)沈んでいてくれれば、
圧勝(16→2→8)だっただけにレースもそうだが、馬券的にも本当に消化不良な結果。。。
秋のG1は天皇賞から連続的中しているし、良いところも付いているのに、その割りに
大して儲かっていないのがなんとも歯がゆい。