ミーターの大冒険 第五部 オーロラへ 第6話 「時間を超えた?」
あらすじ
ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は、まずルート通りにコンポレロンに到達した。ミーターは、その星の初めての惑星探索を果たした。
ミーターたちは、コンポレロンの人々が最古の星についての迷信、地表が放射能で充ちていて焼け爛れているという異常な恐怖感を持っていることに驚く。また故郷の星の恒星系には巨大リングを持つ惑星があり、目指すアタカナには不釣り合いの大衛星があることを知る。
問題なのは、コンポレロンからオーロラという禁断の星へのルートがわからない。困難に直面した二人(?)であったが、そのとき、突如としてイルミナが「フィードフォアード症候群」に襲われた。ある感応者の精神と繋がる。例の「アール(R)」いわゆる「不死の従僕」の感応の響きであろうか。
イルミナは彼女の精神感応力を稼働して、ヴァジル・デニアドールという人物の心理に入り込めた。そこでオーロラについての情報と故郷星の恒星系の特異性を知る。
しかし、その「航海日誌」は、果たして信用できるのであろうか?
ファー・スター2世号はさらに深宇宙に、銀河潮流に沿って進む。
データの不一致が判明する。ターミナスの図書館と18000年前の航海日誌にない天体が進行方向に存在した。ミーターたちは恐る恐るその新たな領域に入ろうとしていた。
そのときその天体の地表から通信応答を求めて来た。ガイアの長老ドムからであった。彼の自己紹介は「わたし/わたしたち/ガイア」であった。ミーターはあらかじめおおよそのことは了解していたように質問していった。
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ドム そんなことはありませんよ。ご心配には及びませんよ、イルミナ・バーさん。我が首領は、先発隊のお二人にはわたしの知っている全知識をことごとくお伝えするように仰せ付かっておりますし、「わたし/わたしたち/ガイア」もそうすることが最善だと了解しておりますので、帝国辞書編纂図書館さん。
イルミナ まあ、わたしの本名までご存知なのですね。ドム ...
ドム ドム・マンディオ・レンブラスティラン・ノヴィです。すみません、我がガイア人は先祖からの名前を大事にする種族ですので。
ミーター というと、あなたはガイア人の中でもノヴィ族ということですね。それ以前のお名前はお分かりになりますか?
ドム それ以前は我が首領、R・レオナルド・エノビアレラ様より教えられただけです。ノヴィ族はシンナックスのニフ人だと聞いております。そしてニフ人は、それこそあなた方が探しておられます故郷星のある地域の名前とか、その地域とは海洋に浮かぶ島々の名前だったとか。
イルミナ 名前ついでに、ミーターさん、でしゃばってごめんなさいね。あなた方の「わたし/わたしたち/ガイア」のわたしの女性たちのことについてお聞きしてよろしいでしょうか?
ドム 残念ですが、イルミナとかアルカディアという名前は「わたし/わたしたち/ガイア」の女性には今のところついておりません。
多い順に述べますと、ベニス、サラ、シーラ、スラ、セーラ、ソラ、ブリス、ベリスとなります。
ミーター 面白いですね。名前に法則性があるんですね!
ドム そのように聞いております。これなども、故郷の星を忘れないためのことであると知られました。
イルミナ ベリスという名前もあるんですね!ごめんなさい。話に割り込んでしまったわね。
ミーター いいんだ。おかげでガイアのことがわかったというもんじゃないか。
ドムさん、普通、テラフォーメーションというのは、恒星系のハビタブルゾーン内の惑星を思い浮かべるのですが、ガイアがガイアSと一緒に存在する、また浮遊惑星(恒星系外の浮遊天体)でもないとすると、その想像エネルギーは凄まじく驚異的であったとしか考えられませんが、それについて何かご存知ですか?
ドム さあ、それについては「わたし/わたしたち/ガイア」の能力の範囲を越えております。ただ一言だけ、レオナルド様からレオナルド様の長(おさ)から教えられた言葉がおありとか。
それは「時間を超えた」という言葉だそうです。
ミーター/イルミナ 「時間を越えた」、ですって?
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