68第11話夢を引き継ぐもの
ファウンデーションの夢
第八部
アルカディアの遺言
第11話
夢を引き継ぐもの
あらすじ
「ファウンデーションの夢」の最終部になります。次作「ミーターの大冒険」を橋渡しする部分になる。
アルカディアは81歳で天寿を全うしようとしていた。暦はターミナス443年。
アルカディア農園はほぼラヴェンダーの畑。第二期のポエニッツ仕様のラヴェンダーのエキスがもうひとつの主役。
アルカディアは全身全霊をかけて14歳から共に歩んできたミーター(ミーター・マロウ アルカディアの命名でダレル家が名門マロウに繋がることを重んじたから。)に訥々と遺言を語る。
ハリ・セルダンとガール・ドーニックによって導かれた銀河復興の希望をミーターに賭けるアルカディアの切実さと真摯さとが最後の息までもその輝きがラヴェンダー畑に染み渡る。
彼女はまず、「反ミュール」の現象から話しはじめる。
そしてアルカディアは銀河の歴史に何度も人類を脅かした政治体制の全体主義の恐怖に話しを移す。銀河の暗黒と混沌の原因もこの全体主義が元凶であり、銀河復興はこれからの解放をも意味していることをつまびらかにする。
アルカディアは尚も気丈夫に最後の気力を振り絞って宇宙最大の謎について語る。それはアタカナ(地球)の悲惨さ状況についてであり、放射能の悲惨さについてであった。
かつてダニールは、ジャーナリスト、チェッター・ヒューミンと名乗って、ハリ・セルダンに接近し、彼の第零の法則に沿って、ハリを誘導した、またハリの盟友、ユーゴ・アマリルの亡きあと、ハリを助ける人材ともう一つの補助手段を構築するために、シンナックス星で若きガール・ドーニックを見いだした。ガールは彼の生涯かけて、この二つの課題を完全に成し遂げ、なおかつ地球復興と銀河復興の糸口を500年後のために用意した。
アルカディアのとくとくとミーターに語る語り口は、まるでガールの魂が、彼女をして語らせているようであった。
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アルカディア だいぶ長いあいだ、話したわ。もうソロソロお暇(いとま)ですね。
オリンサス(ミーターの生みの親)をたのむわね。
それから、これからはしばらくはジスカルド・ハニスさんを慕って、なんでも相談するのよ。
あなたが一人立ちして宇宙に飛び出す日が楽しみね。最初はちょっと苦労するでしょうけど。後でその苦労の理由がわかるはずよ。
ハニスにはハーラ・ブラノという八歳の灰色の髪の毛の女の子に気をつけてねって言っておいて。少し気どったマンドレス星風のスタイルをして私のファンと称して面会して来たわ。
...う~んと、あのウォンダが、彼女の死期を察して、ベリスの娘を、イオス星に呼び出したことがあったわ。ふるさとの星の再生のしるしの泉の、湧く島に上陸したとき、3本の花(白、コトブキ色、紫)の周り全体、クローバーが被っていたという話をベリスの娘ドースにして生涯を閉じたんです。クローバーの意味。それら三色の花を、クローバーで束ねられていたのですよ。それはね、「夢を引き継ぐ」ということ。
今、あなたに私の夢を託すわね。また会いましょうかねえ、ミーター、あなたと!
いつもの我が家の呪文、一緒に唱えてくれますか?
直感、感応、触れ合い、溶け込み、融合、歓喜、充満
....そしてその後の...。
ミーター アルカディア!...
yatcha john s. 『ファウンデーションの夢』完結
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