37ファウンデーションの夢
第六部
ベイタ・ダレル
第4話
ベイタの出番!
あらすじ
死んだと思われていた、オナム・バーの愛娘ジータ・マルレイネ・バーは生きていた。マルレイネは、彼女の星、シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き入れ、おまけにトランターから、パルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーを一緒に連れて来た。ジータ・ウォンダ・パルヴァーは、パルヴァー家の初の女の子であった。
ジータ・ベリス・マロウは、二つあったペンダントの一つをトランターから来た女の子に渡す。
このことは、いよいよ第2ファウンデーションの出る幕が近づいて来たとの予感を与える。
ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明な娘ベイタがいた。
ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。
ベイタの両親がガール・ドーニックの農園を再び買い取り、住み始めた。ベイタもモーヴ(ターミナスの首都)からしばしば泊まりに来ていた。
近くには、朽ち果てたガールの屋敷があった。
ベイタはコッソリと、そのガール屋敷の地下深くにあった『故郷星探査報告書』を手に取るのであった。
そこにはファウンデーション設立当時、ガール・ドーニックの秘密の特別任務の記録が記されてあった。後に、アルカディアが、ジスカルド・ハニスからそれを譲り受ける。その内容の繙きついては続いて読者の努力に委ねます。
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ロア ベイタ、今朝ラベンダー畑にいたらね、変なおじさんがなんか探しているみたいな...なんでこんなところにって聞いたら、「アルーニンやガールのやつら、俺を煙に巻きやがって...」と呟いて、「すまんすまん、あんたには関係ないがね」と言って帰って行ったわ。
ホントのこと、教えていいかどうか、ちょっと考えて、その前にあなたに相談してみよう、と思ったのよ。
ベイタ ロアお母さん、もしかしたら、その人、ミス...。エブリング・ミス博士だわ。
もうソロソロ会ってみようかと思っていたところなんです。
きっと隠された秘密を探し回っているのよ。ハーディンやアルーニン以来、心理歴史学の神髄が突然消え失せてしまったのです。
それと第二ファウンデーションの正体が、です。
ロア 第二?ファウンデーションがもうひとつ!
ベイタ そうよ。知識人とあるグループだけは、その存在を知っているのですが、その正体は、誰もわかっていないんです。
博士が、それに気がついたのには、その時期がソロソロ来たんだわ。きっと。
ロア ベイタ、あなたはなんの学者なの?「その時期」?
ベイタ お母さんは心配しなくていいわ。
わたしの出番もいよいよね。(ロアには聞こえないほどの小さな声で)
yatcha john s. 「 ベイタの出番!」
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