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ファウンデーションの夢
第六部
ベイタ
第3話
心理歴史学の弱点?
あらすじ
死んだと思われていた、オナム・バーの愛娘ジータ・マルレイネ・バーは生きていた。マルレイネは、彼女の星、シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き入れ、おまけにトランターから、パルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーを一緒に連れて来た。ジータ・ウォンダ・パルヴァーは、パルヴァー家の初の女の子であった。
ジータ・ベリス・マロウは、二つあったペンダントの一つをトランターから来た女の子に渡す。
このことは、いよいよ第2ファウンデーションの出る幕が近づいて来たとの予感を与える。
ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明なの娘ベイタがいた。
ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。
ベイタの両親がガール・ドーニックの農園を再び買い取り、住み始めた。ベイタもモーヴ(ターミナスの首都)からしばしば泊まりに来ていた。
近くには、朽ち果てたガールの屋敷があった。
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シーウィー セルダンだって、人間だ。予言者ぶってるだけじゃないのか?
ロア シーウィー、確かにそうかもしれない。 ある時限からは無理だと思うの。でも私ね、何か胸騒ぎがしたのよ。セルダン。ハリ・セルダンっていう人は、人類の全体を説明できると言って、個人だけの能力は把握できないのが、心理歴史学だと言ってるんだけどね。ちょっと違うんじゃないかと思ったの。それにここターミナスに戻って来られたのも単なる偶然じゃないかも知れないってね。
シーウィー ロア、どう違うってると思うのかい?
ロア 実はね、偶然発見しちゃったのよ、ドーニックが住んでた家の地下室のまたその下に、もう一つの地下室があったのよ。そしたら、ドーニックの書いた記録が床の下にあったの。それは100ページものノートだったわ。それをざっと読んだのよ。そしたら1週間後にそれを置いておいた場所から消えていたのよ。間違いないわ。誰かが盗んだとしか考えられないわ。
シーウィー なんて書いてあったんだい?
(以下ロアの暗記の文=ガール・ドーニックのハリ・セルダンへの『故郷星探査報告書』の写しの冒頭)
「このノートを読めば、ハリは分かるはずだ。頼まれた調査、探索は無事完了した。明日、トランターから来るアルーリンに渡すだけだ。この記録をハリが読んでくれるのを祈るだけだ。彼の寿命が尽きるまでに。彼が予測した通り、500年先には必ず、3万年続くはずの衰退、混沌、無秩序に光明を見いだせる。彼はわざと300年後のセルダン危機にターミナスを欺いて、虚偽の報道を時間霊廟ですることになる。セルダン理論は不完全だったと思わせなければならないと。私としては、これもまた、我が子孫の奮闘に委ねるほかない。」
という書き出しだったかしら。
シーウィー ロア、俺にはなにがなんだか、全然わからないんだけど。
ありゃー、もう時期、300年経ったんだったよね!
ごめん、大事な用事があったんだ。これからエブリング・ミスさんにヘイブン産のタバコを持っていくんだ。
ロア ベイタ(娘)も言ってますよ。そんな父さん、大好きだってね。クスクス!
https://youtu.be/n0mysFZK074
yatcha john s. 「心理歴史学の弱点?」
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