ミーターの大冒険 第五部 オーロラへ 第2話 「航行には要注意!」
あらすじ
ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は、まずルート通りにコンポレロンに到達した。ミータは、その星の初めての惑星探索を果たした。はじめはドローンで、それから人間に扮装して紛れ込んだ。そこはターミナスに比べてやや寒冷であったため、人間たちは透明なドームの鋼鉄都市に住みはじめていた。それはトランターの繁栄した時代のような外界の宇宙空間から身を守るような形態であって、ターミナスやその周辺星域の惑星とは異なっていることに二人(?)はいわゆる懐古趣味というような違和感をおぼえた。さらに、コンパーやジスカルド・ハニス、オリンサスの縁故がいないのには何故か落胆した。
ミーターは、コンポレロンの人々が最古の星の話題に異常な恐怖感を持つのに、あるもう一つの理由があることに思いつく。
それは、太古の星についての忌まわしい伝説、地表は放射能で焼けただれているという。
問題なのは、コンポレロンからオーロラという禁断の星へのルートがわからない。困難に直面した二人(?)であったが、そのとき、突如としてイルミナが「フィードフォアード症候群」に襲われた。ある感応者の精神と繋がる。例の「アール(R)」いわゆる「不死の従僕」の感応の響きであろうか。
イルミナは彼女の精神感応力を稼働して、ヴァジル・デニアドールという人物の心理に入り込めた。そこでオーロラについての情報と故郷星の恒星系の特異性を知る。
しかし、その「航海日誌」は、果たして信用できるのであろうか?
ファー・スター2世号はさらに深宇宙に、銀河潮流に沿って進む。
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ミーター イルミナ、なんか航路上に航行の問題点はないか?
イルミナ ミーターさん、どういうこと?
ミーター そう、そのことをお前から先に俺に報告すると思っていたんだけど、実はファー・スター2世号のデータとこの『航海日誌』のデータとを念のために照らし合わせたんだ。
イルミナ 私に何か見過ごしたことでもあったというそぶりですか?
ミーター そうじゃないけど、宇宙潮流に沿って飛ぶファー・スター2世号は強烈なソーラー・ローカル・バブルを貫通して次のソーラー・ローカル・バブルに繋がるよな。
イルミナ ミーターさん、それって当たり前ですけど。昔からの理論よ。
ミーター 以前、アルカディアから教わったことを思いだしたことがある。
イルミナ というと?
ミーター アルカディアはこう言った。「銀河の反対側のセーシェル星系付近には要注意ね!銀河百科辞書に記載されてないものがあるらしいの。」ってね。今の航行はまさにアルカディアの指し示した領域だ。イルミナ、お前のプライドを傷つけて悪いが、もう一度チェックしてくれないだろうか。
イルミナ いいわよ、ハイハイ船長様!
yatcha john s.
Photo は1000光年に及ぶ恒星系地域の巨大な泡。
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