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仏語、英語学習者。アイザック・アシモフのファン。ノース・ホワイトヘッド思想信奉。縄文志向、仏陀志向。

ミーターの大冒険  エピローグ  第18話  ハニスの弱点か?

2022-09-26 21:41:25 | ミーターの大冒険
85第17話ハニスの弱点か?
ミーターの大冒険 
エピローグ 
第17話 

ハニスの弱点か?

あらすじ

 アルカディアが81歳で亡くなった。
 
 ハニスの直感とミーターの柔軟性のある論理思考が冴え渡る。「心理歴史学」の権威のハリ・セルダンを唸らせた、地球探査の報告書を携え戻ったガールの真実発見とはなんだったのか?「微細心理歴史学」という真理なのか?ベイタ・ダレルが、ガールの見解を正確に踏襲していた、ということなのか?ミュールの必然性とは?ますます展開が際立って来たようだ。
 そしてその究極的謎の究明には、「極素輻射体」、「ロボット第零法則」の理解までも到達した。
 
 ハニスは、いよいよ銀河復興への第一歩が胎動して来たとの予感を感じるのであった。それはドースの盟主の思惑なのであろうか、ハニスに戦慄がはしる。彼は今や、通常人間の世界には許されてない限界点を超えようとしている。
 ハニスは、イオス星でドース・ヴェナビリに会い、続いて、かつて天の川銀河の中央、中心都市、トランターに降り立った。果たして、彼らの感応能力によって、ハニスへの干渉のボーダーラインは、どの地点に設定されたのであろうか?ハニスの記憶はどこまで、どのように保持されるのであろうか?ハニスはアルカディアに続いて、単独人としてのボーダーラインに立っている。
 
 ついにハニスは、第2ファウンデーションの第一発言者に会った。壮大な宇宙史が解き明かされて圧倒される。そこでハニスの探索は終わる。暗示されていた「反ミュール」には遭遇能わず。しかしハニスはこの成功をミーターへの土産としてターミナスに凱旋した。
 ジスカルド・レベントルフ、ダニール・オリヴォー、そしてミーター・マロウ。第零の法則を遵守するロボットたちの活躍を思って、ハニスは、自分の命を、ミーターに捧げる決意をする。それは、第零の法則を信奉する人間を造り出す道に進むことだと悟ったのである。人間が、新しい銀河をつくらねばならないからである。ミーターは、そのハニスの志しを心からありたがるのであった。

85
ハニス ミーター君、そこが重要だと、思うよ。俺は、その政治能力の限界を感じるんだよ。情報収集にかけてはターミナス一を自負するんだがなぁ!アルカディアさんのようには、うまく振る舞えない。なんたって彼女は政府から絶大な信頼を寄せられていたからなあ。それなのに、あの時の全権大使以外、政府の要職にはついてない。ここだけの話し、彼女はあのプリーム・パルヴァーの孫であったのにもかかわらず、一切、最後までその秘密を公には出してない。なんたるご人格なんだ。感服しっぱなしだ。

ミーター ハニスさん。それについてはですね、彼女の秘密というものがあるんです。やはり「ベイタ文書」のサルヴァー・ハーディンの項を熟知していました。ハーディンの能力の秘密は、なんと言っても、人間社会と未来を透視する目だったと、僕に教えてくれていました。つまり相手の弱点を利用するという技法。
ハーディンは、第二ファウンデーションのこと、銀河トランター帝国の歴史、ハリ・セルダンの「心理歴史学」をよく理解していたにもかかわらず、一切口外しませんでした。
それと「孫子」という兵学、「呉越同舟」とかいう物語まで知ってたと語ってくれました。

ハニス ミーター君。そのことは聞いている。ガール・ドーニックの奥さんのベリスさんは、おとなしい方で、穏やかな反面、隣の子であるサルヴァーを大事にして、兵法を伝授してたなんて、驚きを通り越している。
その極意とやらを俺はマスターできるだろうか?


ミーターの大冒険  エピローグ  第16話   幽玄のなかの先駆者との対話

2022-09-25 17:49:30 | ミーターの大冒険
84第16話幽玄のなかの先駆者との対話
ミーターの大冒険 
エピローグ 
第16話
 
幽玄のなかの先駆者との対話

あらすじ

 アルカディアが81歳で亡くなった。
 
 ハニスの直感とミーターの柔軟性のある論理思考が冴え渡る。「心理歴史学」の権威のハリ・セルダンを唸らせた、地球探査の報告書を携え戻ったガールの真実発見とはなんだったのか?「微細心理歴史学」という真理なのか?ベイタ・ダレルが、ガールの見解を正確に踏襲していた、ということなのか?ミュールの必然性とは?ますます展開が際立って来たようだ。

 そしてその究極的謎の究明には、「極素輻射体」、「ロボット第零法則」の理解までも到達した。
  
 ハニスは、いよいよ銀河復興への第一歩が胎動して来たとの予感を感じるのであった。それはドースの盟主の思惑なのであろうか、ハニスに戦慄がはしる。
 彼は今や、通常人間の世界には許されてない限界点を超えようとしている。
 ハニスは、イオス星でドース・ヴェナビリに会い、続いて、かつて天の川銀河の中央、中心都市、トランターに降り立った。
 果たして、彼らの感応能力によって、ハニスへの干渉のボーダーラインは、どの地点に設定されたのであろうか?ハニスの記憶はどこまで、どのように保持されるのであろうか?
 ハニスはアルカディアに続いて、単独人としてのボーダーラインに立っている。

 しかし、これらの神妙な邂逅は、いやがうえにも「青の世界から黄色と紫の未来へとシフト」して行くには通らねばならない欠くべからずの通過点なのには違いなかった。

 ついにハニスは、第2ファウンデーションの第一発言者に会った。壮大な宇宙史が解き明かされて圧倒される。そこでハニスの探索は終わる。

 暗示されていた「反ミュール」には遭遇能わず。しかしハニスはこの成功をミーターへの土産としてターミナスに凱旋した。
 

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ハニス ミーター君、今回の旅はすべて順調、大成功だったと言える。
 あのアルカディアさんが、「銀河は謎に満ちてる」と言ったことばの意味を少しは理解できたんだよ。
 生きてる俺らは、幽玄の世界に生きている先駆者たちと会話することが大事なんだ。その意味で、歴史消滅の結束点以前を探ることは、混沌の暗黒時代を切り開く鍵なんだよ。つまり故郷の星にたどり着く旅こそ次の大銀河を復興することに繋がる。
 よーし、俺が今からやる行動も明確になった。
 まず、君やオリンサスさんを助けて、大銀河横断の旅に行かせる。
 オリンサスさんが早く「心理探査イルミネーショナー」を完成してもらえるように協力するよ。

 もう一つは、この腐りきったターミナス、第一ファウンデーションを正しい軌道に戻す。

 そして、第二ファウンデーションや反ミュールの連中と協力して、銀河復興の土台を築く。           もう俺は命を賭けるしかないな!

 ミーター君、「アルカディアの真実」というのはねぇ、ジスカルドと不死の従僕がつくった第零の法則を超える行動を人間がとることなんだよ。

 まず、そういうことで、ロボットであるミーター君に、人間である俺の命を捧げる!

ミーター ハニスさん。ありがとうございます!
 ああ、涙が...

 でも、あなたは僕が涙を流すロボットだったということを、どうして分かったんですか?

 それに、政治の世界は危険がいっぱいですよ。十分気をつけて下さいね。

yatcha john s. 幽玄の中の先駆者との対話

Photo ∶ハッブル宇宙望遠鏡は、宇宙を観ることの先駆者の記念すべき道標です。


足摺の王、禹

2022-09-25 17:13:37 | 中国古代史
「ジョン・ナック 『禹』の足摺りの深層」その一日本人の女性観を中心にして

 『禹』について語った私ジョン・ナックは、 Yin Yi の『宇宙の組成と日本人の組成』という短い文章のに触発されて、さらに日本史の真なる基層を掘り出したいと思います。
 
 まず日本の天皇家から話しをはじめてみましょう。
 「日本書紀」を天皇に講義した記録に書かれている話しですが、天皇が博士への質疑で、「わが国が姫氏(きし)国と呼ばれるのはなにゆえか」とあります。この姫姓は周王朝の王族の姓ですが、その前の殷王朝のその前の夏王朝の姓は本来、禹は彼の姓を「姒(じ)」と称していたのです。周王朝が、同じ漢字の左側の「女へん」を用いていている点に注目してもらいたいのです。
 なぜ周王朝は「女へん」に拘るのでしょうか? それは復興夏王朝の旗を鮮明にして殷王朝(子氏)を倒す正統性を名乗る必要があったからでしょう。殷王朝討伐に加担した姜族の太公望ならそこら辺の画策はお手のものでしたでしょう。なにしろこの姜族も禹の流れであると自負していたからです。姜族の伝統行事では、あの「禹の足摺り」を真似する、という儀式があるそうです。

 もし天皇家が「姫氏」であるなら、日本の精神構造及び政治構造も「禹」の実像を反映したものとなったことは十分頷けることでありましょう。
 
 この「女へん」の事実は当然、女性と男性とが切っては切れない不可分の精神を反映しています。それはおそらく当時としては高貴な人間性高揚の革命的な新時代のおおらかな到来の宣言であったでしょう。
 この女性性重視の考えはさらに我が国においてさらに発展したと見るべきです。世界には太陽を主神とする宗教、民族があまたあるなかで日本だけが女性の太陽神を主神としているからです。
 これは邪馬台国の卑弥呼の話をなぜ現代の日本人が執心するかの答えでもあります。アマテラス神や斉明天皇に連動している不思議をそこに見るからです。
 しばしば日本史においてはその時代時代の混沌期に活躍する傑出した女性の指導者が現れ、壁にぶつかった男社会の弊害から脱却させました。まるで救世主のように。卑弥呼の印象は我々に、繰り返し勃発する国難を克服する女性のトップの出現を予兆させます。
 以下ざっと挙げますと、アマテラスを筆頭に、神功皇后、推古天皇、光明皇后、北条正子などなど。
 彼女らは「天照」の言葉そのもののような見事な明るさで我が国の民をリードして来ました。最近の研究によれば、あの藤原不比等は、彼が仕えた持統天皇を、アマテラスオオミカミに比して日本の歴史を構築したのではないかと言われているほどです。

 伝来の仏教にも女性的に浮き彫りされる観音菩薩、弥勒菩薩、薬師如来が出現するのも頷けます。インドにおける原始仏教ではあり得ない様相が日本仏教には現出するのです。要するに日本の精神土壌は本来的に、「五障三従」という女性蔑視とも言うべき古仏教とやや趣を異にしているようです。
 ちなみに本地垂迹説の垂迹神と本地仏の主要な女性神仏を列挙しますと以下のようになります。
*天照大御神=大日如来、十一面観世音菩薩
* 大山咋神「日吉」=天照大神=大日如来
* 市杵島比売命=弁財天
* 豊宇気毘売神=稲荷神=金剛界大日如来
* 菊理姫=十一面観音
* 伊弉美尊=千手観音
* 木花之佐久夜毘売=浅間大菩薩、阿弥陀如来
* 御姥尊=大日如来
* 七面天女=吉祥天、弁財天
* 稲荷神=十一面観音、聖観音、荼枳尼天千手観

 さらにおそらく中国由来の陰陽思想も男女同一の価値を表す思想でしょう。

 さて夏王朝に話しを戻してこの論考を閉じたいと思います。夏王朝の中興の王、少康の母「緡(みん)」の話しです。
 「史記」とともに古代中国史を語る上で重要となる情報を与えてくれる『竹書紀年』によると、夏王朝中期の「王中康」の子である「相」が跡を継ぎます。在位年数は二十八年。 その在位八年に夏王朝を実質的に支配していた「羿」がその妻「玄妻」(純狐氏)と臣下の「寒浞」に殺されました。 そして「王相」自身も「寒浞」とその子供の「澆」によって弑されます。相の妻「緡」は都でのクーデターから逃がれ、彼女の出身地である有仍国で次の王となる「少康」を生む。少康はやがて成長すると、その息子の「杼」や夏王朝の遺臣である「伯靡」、「有仍氏」、「有鬲氏」などと共に「寒浞」や「澆」、「豷」を討ち滅ぼしました。これを「少康中興」といいます。
 ここに、中興の王の母の存在の偉大さが「禹」の精神的子孫の日本人の心に投影し続け、今なお息づいていると思う理由です。
 
 そして次回は「記紀」に見られる神観の特異性に触れてみたいと思います。

ジョン・ナック 「歴史思想書」より


ミーターの大冒険  エピローグ 第15話 マイコゲンの秘密

2022-09-25 06:02:06 | ミーターの大冒険
83第15話マイコゲンの秘密
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第15話

マイコゲンの秘密


あらすじ

アルカディアが81歳で亡くなった。
 
 ハニスの直感とミーターの柔軟性のある論理思考が冴え渡る。「心理歴史学」の権威のハリ・セルダンを唸らせた、地球探査の報告書を携え戻ったガールの真実発見とはなんだったのか?「微細心理歴史学」という真理なのか?ベイタ・ダレルが、ガール・ドーニックの見解を正確に踏襲していた、ということなのか?ミュールの必然性とは?ますます展開が際立って来たようだ。
 そしてその究極的謎の究明には、「極素輻射体」、「ロボット第零法則」の理解までも到達した。
 ジスカルド・ハニスはミーターの巧みな誘導によって、ジスカルド・ハニスがジスカルド・レベントルフ由来の命名であることに気付かされ、オリンサスが今の携わっている図書館改造に真摯に向き合う決心をする。ハニスの外遊が始まろうとしている。が、第2ファウンデーション及びまだ隠されているもうひとつのグループに会合できるかは、未知数であった。
 彼のジャーナリストとしての直感は、まずイオス星のドース・ヴェナビリに焦点が当てられた。
 ドースはハニスを快く歓迎して再会に際してハニスがとるべき次の一手を教授する。ドースに会ったハニスは、「反ミュール」という不思議なグループがトランターのヘイム人の中に入り込んで、第2ファウンデーションの動きにある一定の干渉作用を及ぼして来ていることを明かす。
 ハニスはそれを聞いて、いよいよ銀河復興への第一歩が胎動して来たとの予感を感じるのであった。
 それはドースの盟主の思惑なのであろうか、ハニスに戦慄がはしる。

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リー・センター(対外的な名称 ジスカルド・ハニスさん、ここマイコゲン地区にある、金属という金属全部、あるいは利用可能な機械類、集積回路類は全部ご提供致します。ドースさんからの連絡で、快くご協力致します。なにしろ二つのファウンデーションともう一つのグループが一致して、暗闇からの銀河復興を成し遂げることが、われわれに課せられた唯一の願いなのですから。
 
ハニス リー・センターさん、貴方は何人目のリー・センターさんなのですか?

リー・センター ハニスさん、あなたはそこまでご存じだったとは、驚きですよ。われわれは、現在は、農業輸出星ではありますが、銀河帝国崩壊後は、ニュー・トランターと農業生産物と金属類との貿易で補完関係にあります。
 では、ここマイコゲンの由来もご存じのはずですね。

ハニス いいえ、存じ上げません。マイコゲンの由来とは?
 何か銀河帝国の起源について、この場所と深い関係がありそうなニュアンスですね。

リー・センター 今から1万1千年前の、銀河暦の初まりの1000年期について、なにも伝わっていないという状況のなかで、チャッター・ヒューミンという名前で、かの不死の従僕は、ハリ・セルダンをこのマイコゲン地区に陰ながら誘導して、徐々にではあるが、着実に、ハリの「心理歴史学」を、完成に向かわせていったのです。
 
 私は、100年前の第一発言者のような銀河を出回っての活躍はできないですけれど、いよいよ銀河復興の探索工作に出て行く時期ではないかと考えております。その具体的な行動を託せる次期第一発言者に譲りたいと願っています。
 そうして、第一ファウンデーションとの確執云々などの問題どころに拘ずり合っている場合ではありません。もうすぐ銀河復興に直接的な取り組みをしなければならないでしょうからね。
 それと同じように、極めて最近、様々な起源譚が妙に解き明かされ初めているのですよ。実は、「反ミュール」というグループが、最近われわれに干渉しはじめているのにも、なんらかの訳があるみたいだと感じています。

ハニス マイコゲン地区とは?

リー・センター 正直にお伝えいたします。あなたには、ドースさんから、そうするように依頼され、わたしもそうすべき、と考えておりますので。

 トランター星がこの銀河のセンターを占める段階で、当初からこの星に入植したスペーサーという50もの星のグループの、中心星「オーロラ」に纏わる事実もセルダン理論の構築に大いに作用しました。その起源、オーロラ人の聖地がここマイコゲンなのです。われわれ第二ファウンデーション人も幾分かは彼らの血を受け継いでおります。

 また、それにセルダンから300年目には、突如としてミュールが出現して、この銀河を席巻しました。そして彼は、順調に進んでいたと信じられていた「セルダン・プラン」の機能を停止させてしまいました。
 そのことが、皮肉にも逆説的に、その「セルダン・プラン」の真実を浮き彫りにしてしまったのです。
 ですから、今回のドースさんからのご依頼は、新しい時代の始まりのように思えるのです。言うなれば、最終的なその入り口なのです。

 是非とも、あなたハニスさんが、ミーター君やオリンサス・ダムさんとともに、これからの二者、いやもう一者を加えたグループとともに銀河復興の時代を作り出して頂きたいと願うものです。

ハニス なんと、ミーター君のことも、あなた方はご存じなのですね!ミーター君と、新時代の探索機能装置を作りつつあるオリンサス・ダムさんとファー・スター2世号には、いい土産をもって帰れるというものです、センターさん。

https://youtu.be/cUSl1dc_qCc

yatcha john s. 「 マイコゲンの秘密 」


遠い瞳

2022-09-25 05:29:25 | 杉山清貴
遠い瞳

シンプル過ぎる素敵な純心

波と潮風がKSの高音を後押しする
「右端に少し光る夕日と雲間からの光が波を照す」

その小さな信じ合いは
未来への躊躇の揺れ動き
冒険と航海といたわりの間(はざま)

揺れ動く宇宙と世界に呼応して
人と人の共鳴は時を五十年前にタイム・スリップさせる

待てよ
それは今と過去の僕とのふれあいだけかも
それでもいいじゃないかい!

「夢を形に変えただけさ」

また今日からも
心が純である限り
新しい航海へ漕ぎ出すだけさ

今ここでそよぐ風の波に任せてみるのも
Hello again かもね

https://youtu.be/9dLri0u6VMk

yatcha john s. 「 Tōi Hitomi 」