New Yorkのジャズピアニスト、クニ三上(Kuni Mikami)のブログ

ツアーの様子を中心にお伝えしています。

高知大医学部付属病院/岡山牛窓・牛窓シーサイドホール

2012-10-06 23:48:00 | 2012年秋のツアー
 大歩危、小歩危を眼下に眺めながら徳島県から高知県に戻る。

 昼は高知大学医学部付属病院での恒例コンサート、患者さんと家族だけでなく一般にも開放して開催される。今日は連休で外泊の患者さんが多いのとのことで、最初寂しい客席だったが後半はだいぶ集まり、常連さんもいて私のCDからのリクエストまであった。

 アップライトピアノなのに我々持参のPAの働きで広いロビーによく音が響く。以前お世話になったI氏が差し入れを持って訪れてくれた。









 演奏終了後、病院職員の皆さんにも手伝ってもらって急いで撤収、直ちに岡山県に向けて出発。順調に車が流れ3時間、瀬戸内市牛窓に演奏開始2時間前に到着した。

 牛島シーサイド・ホールには日本に5台しかない型番のスタンウェイのコンサート・グランドが鎮座している。元は米蔵だったホールはとても広く、梁は50mはあるかもしれない巨木。百年前に頑丈に贅沢に作られたこの蔵は、1年前に改装されてコンサートホールに変身した。これまで私が演奏した中でも屈指の会場だ。

 管理している小家さんは木工作家。昔から続く木造船造りの技術を生かして継ぎ目のわからない家具を作る。会場の備品も彼の見事な作品である。

 その小家さんのお陰で、初めての土地なのに70人近い人が集ってくださった。

 最高のホールに最高のピアノという取り合わせ。これでつまらない演奏をしたら申し訳ない。帰りに書いて頂いた皆さんの嬉しい感想が有難い。


ここは搬入口です






徳島三好・百年蔵

2012-10-05 23:04:00 | 2012年秋のツアー
 朝は涼しかったのに、陽が刺すように暑い昼となった。3時間で徳島県三好市の「百年蔵」に到着。吉野川にかかる1車線の青い橋をワゴン車ギリギリで渡る、と大きな蔵。そして室内は骨董品が満載された宝仏殿だった!

 江戸末期の物から蓄音器まで、オーナーの西岡夫人が8年間で集めた、にしては量が多い。早速、私はお盆を購入、値段が通常の店の半額に近いから、色々と欲しくなるがNYに持ち帰るカバンに入りきれないですね、これでは。

 「地域おこし協力隊」の若き藪下氏の尽力で私の師、バリーハリス大好きのジャズファンから、ジャズ初めてという年配の方まで、また若い人も多く、休み時間には世代間の和気藹々の交流が見られる。

 アメリカに5年暮らした経験のある山本氏の「ひょうたん灯かり」の作品が数々がステージに置かれて幽玄な趣を醸し出す。最後は照明を消して「星に願いを」を演奏した。周囲の山に点在する家々の明かりも星のようだった。


この橋を渡ると百年蔵がある


吉野川はエメラルドグリーンだった


オーナー西岡夫妻、地域おこし協力隊の藪下さんと


百年蔵はこんなに広いのである


中は宝の山!


山本稀仁(きみひと)氏の作品によるひょうたん灯り展


ひょうたん灯りの中で演奏




愛媛宇和町・池田屋

2012-10-04 23:07:00 | 2012年秋のツアー
 朝、早起きをしてホテルの自転車を借り高知城へ向かう。天守閣の上方に白い月が綺麗だ。この急な石段を毎日登って登城した武士は、すし詰めの電車で通う現代のサラリーマンと同じ心境だったのかも知れない。

 この城主は、世襲する子孫がどんなに愚かでも家臣団によって統治が出来るような機構体制を整えておいたのだろう。首相の首のすげかえでも日本の運営に大して差が生じない現代社会のあり方と変わっていない。

 四国から3時間、愛媛県宇和町の池田屋に到着。江戸時代から二百年という酒蔵は一部が洒落たギャラリー&喫茶室になっている。昔のままの蔵の方も今は酒蔵としては使われておらず、仮設ステージがあってフォークコンサートや落語会が開催されたり、若者がロックコンサートに利用したりしている。

 今日の来場者はジャズ好きの方、ジャズを初めて聴くという方、3歳の子どもいて年齢層が広い。オーナー渡辺夫妻は酒屋なので、後方では生ビール、ワイン、日本酒が供され、皆さんご機嫌な様子で聴いてくださった。

 演奏後は渡辺夫人、千枝さんの手料理が並んだ。昨年ここを訪れたのは5月だったが、今回は随分と涼しい。200mという標高のせいでこの地域は寒く、冬には雪が積もるという。夏のようだった高知との気温差が激しい。


高知城と朝の月


高知から愛媛への途中、道の駅にて


池田屋のある宇和町の町並み






開演前の会場の様子


ステージ後方に積んであるのは、お酒用の木箱です


演奏中


客席の様子



移動

2012-10-02 22:36:00 | 2012年秋のツアー
 10時出発、高知到着は午後5時。宿泊のターミナルホテルは明日の会場の「かるぽーと」の真向かいである。広いベッドと室内、これで1泊4千円以下!お勧めだ。

 長距離バスのターミナルの向いだから騒音が?と思っていたが、全く静かである。大体あまりバスが発着していない。外の市電の音が響くのも情緒である。

 各自、自由に夜を過ごす。


愛知江南・Cafe&画廊 音彩

2012-10-01 23:19:00 | 2012年秋のツアー
昨晩の嵐が悪夢であったかのような素晴らしい朝日である。台風一過の秋晴れの下、愛知県江南市のカフェ「音彩(ねいろ)」に向かう。

手作りのバッグや服、絵画などが飾られている高い天井の室内の中心に置かれているグランドピアノは、演奏するに従って徐々に私好みの音の調和を作り出してくれた。

今日のお客様は市役所の森氏のご尽力で集まってくださった方々である。ジャズをあまり聴く機会のない方たちなので、ジャズのスタンダードから「愛の讃歌」や「上を向いて歩こう」まで色々と演奏した。

 演奏後に空を見上げると、中秋の名月である。宿泊は昔ながらの旅館「松里」、旅愁を感じさせる。


音彩の玄関にて


演奏中




MC中