New Yorkのジャズピアニスト、クニ三上(Kuni Mikami)のブログ

ツアーの様子を中心にお伝えしています。

ブラジル公演記2日目「サンパウロ」

2009-10-09 22:54:00 | 2009年10月ブラジル
相変わらず涼しい、というよりも寒い日である。持ってきたのが夏服だけでなくて良かった。昼は日本街のリベルデージに行き、冷やし中華を食べ、緑茶を買う。これで日本食のない地方に行ってもしばらくは大丈夫だろう。



お風呂の表示、サウナのこと


公衆電話。可愛いけれどノイズがこもるとの事



素朴な一方通行表示


懐かしいワーゲン車がたくさん走る町・サンパウロ


果物売り、マンゴ70円也


夜の演奏は「カシュエラ」というライブコンサートも出来る録音スタジオなのでピアノが良い。

 共演はドラムのマギノ・ヴィソーラ、ベースにシディオ・ヴィエーラ、両氏ともアメリカに行った事はないというのに、何と絶妙なサポートをしてくれること。耳が良いのか機転が利くのか実に演奏しやすい。

 トリオの後半に加わった特別ゲストは日本で13年間修行をしたシェイ・リベイロ氏の尺八。サマーサンバや黒いオルフェなど尺八の旋律でうまいことあてはまる。はたして日本人の奏者より達者の感あり。

 1時間のコンサートのはずなのにスタンディング・オベーションで2回もアンコールがあった。初日のこの大成功は嬉しい。




立派な垂れ幕を作ってくれました!


ブラジル公演記、出発「サンパウロ」へ

2009-10-07 20:15:00 | 2009年10月ブラジル
 夕方発のフライトは結局その日一日中何も出来ない。朝から忘れ物はないかな、と荷物を開け閉めする位が関の山だ。

 ラッシュだからと午後5時に家を出たら6時にはJFK空港に着いてしまった。出発は9時なのに・・・。私、もうちょっと落ち着いた人間になりたいものである。

 機内は空いていて横になれたし、飛行時間は9時間で時差も1時間だけなので身体は楽だった。日本からだと時差は12時間、ちょうど地球を挟んで裏側だから、調整が大変だろう。

 窓から湧き上がるような白い雲が見え、熱帯を感じる・・・・・・はずがサンパウロは雨で17℃、これから秋に向かうNYを出るときに着てきた上着が必要なほど涼しかった。

 飛行場内を税関まで延々と歩く。どこの飛行場もこの歩く距離が長過ぎる。スーツケースを乗せるカートは無料、NYでは5ドル取られた。滞在目的も期間も何も質問しない移民官、税関には申告書を受け取るために一人いるだけ、と米国の入管に比べて何と簡単な事。

 さて今回の主催団体、国際交流基金からのお迎えの車で市内へ、これが首都高なみの大混雑、ホテルまで2時間かかってしまった。狭い車線の間を宅急便のオートバイが何台もすり抜けるし、そのすぐ横を車輪が12個もついている大型ダンプがすれすれに走る。この町じゃ、私では運転できないな。

 NYではお目にかかれないフォルクスワーゲンの荷物車やプジョーの小型車がたくさん走っているのが異国情緒だ。ampmのコンビニがある、この店は日本の資本経営じゃなかったのだろうか?

 10時半にチェックイン、早速、午後からは交流基金のジョー高橋氏と「サンパウロ州立ジャズオーケストラ」のリハを視察。弦楽器の入った70人編成の交響楽団である、美しい音色が旅の疲れを癒してくれた。
 
 次には明日の会場Cachueraを見学、ヤマハのグランドピアノの調整の素晴らしい事、録音スタジオとしても機能している会場なので音響も抜群である。

 雨のせいもあってかまだ、車の混雑は続いている。

夕食には日本領事館の首席領事を始め、関係者の方々が集まり、それぞれが駐在されていた各国のお話を伺い、見聞を広める食事会となった。


Cachueraにて。交流基金のジョー高橋氏(左)と明日の共演者シェン・リベイロ氏


ホテルのエレベーターは右上の箱にカードキーを差し込まないと動かない。壊れない限り安全である。


夕食に出た「アマゾン川に住む魚、タンバッキーのかば焼き」
ピラニアもスープにすると美味しいとの事


サンパウロの皆さん。左から松代領事、小林首席領事、
坂尾さん、私、シェン、ジョー、前方は交流基金所長、内山氏



ブラジル公演記、出発準備

2009-09-20 20:11:00 | 2009年10月ブラジル
 今年の春、世界中に日本人の芸術家を派遣している国際交流基金のニューヨーク支部から、秋のブラジル公演の打診を受けた。その時は「わーぃ、ブラジルだぜ。サンバだぜ、ボサノバもあり。しかも日本とは逆に夏に向かう季節だから、よく写真で見るマスクのサイズの小さな布を付けただけのビキニのお嬢さんたちの本物がみれるぜっ!」と喜んでいた。
 
 ところが今日行った医者によれば「黄熱病の予防注射」は入国の際に必ず必要。あとは任意ですけど「マラリア」「破傷風」「タイホイド」が心配されますね・・・、との事。「えっ!これは冒険の旅なのか!」と驚いた。ソロピアノの公演とワークショップのはずだったのに・・・。とにかく黄熱病をやってください、と頼んで1本チクリで150ドル。さらに医者は蚊から感染する「デング熱(今まで天狗熱だとばっかり思っていた)には予防接種は効かないので肌用と服用と、二種類の虫除けスプレーを買わされた。帰りがけに「犬や猫を撫でないように」とのアドバイスをいただく。

 もらったパンフには水は沸騰させて、生ものは食べない、よく調理された食品だけを、などと注意書きがある。こんな病原菌だらけの土地で現地の人達は一体、どんな生活をしているのか?と疑問に思う。

 15年前にサンパウロに行ったときは、これほどの怖さは無かったのだが・・。まあ海岸沿いの都市は大丈夫らしい、5都市のうちの熱帯雨林地域のマナウスとベリンに気をつけねばならないようである。