東京の田舎から

日々の雑感や思いを書いています。

大雄山最乗寺の紅葉

2018-11-17 13:15:25 | 旅行
清々しい晴天である。11月16日に神奈川県にある大雄山最乗寺の紅葉を見に行った。このお寺の紅葉は、過日、テレビ神奈川の放送で見事な紅葉を放送していたのを見て行く気になっていたものである。
 カーナビによれば、ほぼ高速道路だけで行けて、筆者の家からの所要時間は1時間半との案内である。まあ気軽な距離である。実際には、超の付く安全運転であったためか、約2時間弱を要したが・・・。
 最乗寺に続く道路の脇には旅館が何軒もあり、そして、進に連れて道路には太い杉並木が現れ、それが延々と続き、幽玄さを醸し出している。入り口からして、大きな寺であることが予想された。なお、最乗寺は建立から600年とのことであるから、建立当時からの植栽であれば、樹齢は600年以上であろう。それだけの風格を保っている立派な並木である。

最乗寺に着いて、いや~驚いた。随分と大きなお寺である。境内は宏大である。入り口付近には「茶店」や土産物店もあり、観光地然としている。それにもかかわらず、拝観料、駐車料金は無料であった。これは驚きである。京都の寺社では、一寸した拝観でも数百円は必ず徴収される。








 そして、平日であったためか、比較的空いている。ゆっくりと紅葉を見て、石段を上がっていくと大きな下駄が奉納されている。天狗の下駄である。天狗伝説は次のように書かれている。








最乗寺を建立した、
****** 寺の案内に書いてあることを以下に示す *****
了庵慧明禅師の弟子だった道了尊者は、師匠の了庵慧明禅師が最乗寺を建立することを聞いて、近江の三井寺から天狗の姿になって飛んできて、神通力を使って谷を埋めたり、岩を持ち上げて砕いたりして寺の建設を手伝いました。そして了庵慧明禅師が75歳でこの世を去ると、寺を永久に護るために天狗の姿に化身して舞い上がり、山中深くに飛び去ったといわれ、以来、寺の守護神として祀られています。
*****

 とあり、天狗の神通力も加わって建立したとのことである。この天狗は、境内の処々に像が建てられていた。但し、蛇があちこちに絡まり、詳しく見ると余り気味の良いものではない。



 奥の院までの参道は石段である。300段との説明である。途中まで上ったが、降りることを考えて中止してしまった。後に、茶店で聞いた話では、帰り道は、平坦な道路があるとのこと。惜しいことをしてしまった。
 
 肝心な紅葉であるが、寺の建物と紅葉のコントラストは見事である。但し、時期が早すぎたのか、その見事な風景は、少々、限定的ではあったが・・・。



    


   


 帰りに茶店に寄り、遅い昼食をいただいた。
 店の人が、いろいろと話してくれた。その主人は「寺の役員をしている」とのこと。そして、僧侶の数は「今は少なくて30人程度」とか・・・私の感想では「随分と多い」と感じたのではあるが、主人によれば、毎年、本が出されていて、「ここのところ、随分と少なくなっている」とのこと。
寺の規模を考えると、少ないのであろう。その話の中で、「どこから来たのですか?」、「青梅です」と答えると、「あ~、チューリップを見に行ったことがある」「あの近所かな?」とのこと。「チューリップは、羽村市ですよ」と言うと、「そうそう羽村だ」と。「青梅市は隣でして」と。そして、その主人が言うに「通ったことがあるような?」と。
青梅市は、自然が豊と自称しているが、「自然」すなわち、山と多摩川しかない。観光資源のようなものは特にない。ただの田舎である。隣の羽村市は、元々は何もないところである。しかし、休耕田を使って、春には見事なチューリップ畑を作り、努力して観光地としている。青梅市は何も努力していない。これが、知名度の差となってきているのであろう。

ところで、カーナビは便利である。余りに便利であるため、行先を確認しないで来てしまった。「最乗寺」と入れたら案内してくれたのである。そのため、今、自分のいる場所がよく判らない。茶店で観光地図を戴き、確認していたら、先ほどの主人が来て、観光地案内、帰り道の案内などと、寺の行事などを話してくれた。いや、何とも親切な人である。これは、天狗のパワーのご利益と思い、雑談も楽しめた。

 帰りの圏央道のパーキングでも面白い出来事があった。これも天狗のパワーの為せるところであろうか?
 トイレ休憩して戻って来ると、「この車はダンナのか?」と、「はいそうですが、何か?」と、内心では「何か不都合でもあったか??」と。すると「いやーいいですねぇー」という「・・・???」である。聞けば、筆者の乗ってきた骨董品の車を褒めてくれるために、戻って来るのを待っていたようである。
 その方は、元、白バイの警察官をしていたとのこと。曰く、冗談ではあろうが、「自分が白バイで走っていたら、この車は捕まえないよ・・アハッハ!!」と豪快な笑いである。筆者にしてみれば、余りに骨董品で余り自慢のできるものではないと、多少なりとも恥ずかしさがあったのであるが・・・。この方は、広島から柏へ戻る途中とのこと。そして、温厚そうな方でもあるので、いろいろな雑談をしてきたのであるが・・・面白い一日であった。そして、杉並木の素晴らしさ、寺の建物と紅葉の見事なコントラストを楽しめた一日であった。