東京の田舎から

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欧州からの「虫のいい話」

2022-02-20 17:35:28 | 時事問題

 ウクライナ危機に備えて、欧州、特に、ドイツでは、ロシアからの天然ガス供給が減少されてしまう、もしくは、停止されてしまうのではないかと、慌てているようである。エネルギー安全保障を忘れていたためか、欧州諸国でのロシアに対する対応は乱れて一致できていない。

 そして、これに備えるとして、欧州と米国からの要請により、日本が輸入する天然ガスを欧州に融通してほしいとの要望があり、日本は既に応じ、日本向けの運搬船を欧州に向けているとのことである。

 素直に聞けば、ここまでは、ウクライナ危機に対する日本からの欧州支援であり、美談であろう。

 しかし、忘れてはならないのは、昨年11月に、イギリスで開催された国連の気候変動会議、COP26では、日本は、欧州の主要国から「石炭火力発電」の廃止に積極的でないとして、「石炭中毒」などと罵られ、散々に虐められていた。そして、この会議に連動して、NGO組織であるCANインターナショナルから、「化石賞」という、日本を環境後進国として、揶揄し馬鹿にしたが如くの「賞」を勝手に贈られたのである。

 しかし、欧州諸国は、多数をもって、自分らの考えを押し通し、日本の石炭火力発電の世界一の高効率を無視していた。すなわち、日本の石炭火力発電は、欧州や他の国々に比較して遙かに高効率であり、発電する電力量に対する二酸化炭素の排出量は天然ガスと比較して、そうは劣っていない。加えて、日本の技術を使った石炭火力発電を設置している、東南アジア諸国の二酸化炭素の排出量を実質的に削減しているのであり、寧ろ褒められるべきところである。

 こうした、日本の努力を無視して、欧州は「環境保護」という「錦の御旗」をかざして、自分らの非効率な石炭火力発電を基準として、日本を散々に罵り、虐めている。一方、欧州では、北海からの安定した風力を利用しての発電、そして、ドイツでは風力に加えて、フランスからの原子力発電からの送電を受けて、自国では「原発廃止」をして、自然エネルギーを使っている「環境先進国」と嘯いて(うそぶいて)いるのである。そして、「二酸化炭素の排出削減に後ろ向きである」として、日本を虐めている。

 しかし、ドイツはつい先頃まで、褐炭という熱量が少なく効率が悪く、二酸化炭素の排出量が多い石炭火力発電を使っていた。そして、環境・環境と騒ぎ出してから、二酸化炭素の排出削減に、天然ガスを利用した火力発電を始めたのである。しかし、その天然ガスは何と、ロシア産である。ロシアからパイプラインで、ドイツ国内まで、天然ガスを運んで利用しだしたのである。

 このことについて、2018年、当時の米国・トランプ大統領は、ロシアから大量の天然ガスを輸入することは、ロシアに巨額な資金を与えることになる。加えて、ドイツは、国内で消費する天然ガスの60~70%をロシアに依存することになり、(エネルギー安全保障の観点から)、ドイツはロシアの捕虜にされてしまうと非難した。しかし、当時のドイツ・メルケル首相は、「ドイツは独立国だ」と反論していたのである。ドイツのメルケル首相の頭の中は、環境第一でエネルギー安全保障という観点が抜けていたのであろう。

 そして、トランプ大統領の言った通り、今や、ドイツはロシアの捕虜となっている。こうして、ドイツは、エネルギーという重要な資源をロシアに握られているため、ウクライナ危機に対して欧州の足並みを揃えることができない。そして、泣きっ面に蜂の如く、安定していた筈の北海からの風までが今年は弱く、風力発電の発電量も減少しているとのことである。

 一方、日本の石炭火力は、高効率で、得られる電力に対する二酸化炭素の排出量は、天然ガス火力発電と大きくは劣っていない。そして、以前のことであるが、このことを理解できない小泉進次郎・アホ大臣は、外国の記者からの質問に窮してしまっていた。

 しかし、非効率な欧州の石炭火力の二酸化炭素の排出量を基準にして、石炭火力に対する資金に対して、銀行等に対して、融資をしないないようにするなどして、強引に石炭火力を廃止しようとしている。

 なお、「J-POERホームページ」から引用した、下図「世界の石炭火力の効率比較」によれば、日本の竹原火力発電は50%に近い高効率である。

 

 世界の石炭火力発電の効率

 そして、欧州では、エネルギー安全保障を忘れて、ロシアに依存した天然ガスを使って発電しているのである。

 また、一方では、石油生産国に対しても、「これからは脱石油だ」と言い、石油生産国・産業に対して喧嘩を売るが如くの行動をしている。そのため、石油生産国は、需要が増えても増産をしない。これから「買ってくれない」と言っているのに「設備投資をするバカはいない」というのが産油国の言い分であろう。そのため、石油の価格が高騰しているのである。

 一方、日本では、反原発の声が高く、原子力発電は大幅に抑えられている。「二酸化炭素の排出によって地球は温暖化している」という、インチキな地球温暖化論を信奉する欧州からの圧力に加えて、軽薄なるマスコミに煽られた世論によって、原子力発電もダメ、石炭火力発電もダメとした結果が、天然ガスの依存に陥ったのであり、その結果はエネルギー安全保証の崩壊である。

 欧州の国々サンよ、こうした日本叩きをしておいて、困ったら、日本が輸入している天然ガスを「融通してくれ」とは、余りに虫が良すぎるのではないか。それも、実際には、今のところ、ロシアからの天然ガスは「供給されているのに」である。不思議なことである。これは、ウクライナ危機は口実で、本当のところは、北海からの風が今年は少ないので、風力発電が不足しているのを補うためではなかろうか? すなわち、天然ガスは、長期の備蓄はできない。備蓄には多大なエネルギーを必要として、長期に備蓄すると、備蓄のために使用するエネルギーが、備蓄しているエネルギー量を超えてしまう。そのため、日本の天然ガスの備蓄量は2~3週間分程であり、日本向けの天然ガスを、今、融通するというのは、備蓄期間の限界を考えると話が合わない。このため、北海の風力発電減少の「補填に使用するのであろう」と考えざるを得ないのである。

 しかし、この虫の良い話に対して、「ハイハイ」と言うことを聞くしことしかできない岸田政権の情けなさには失望を覚えるばかりである。尤も、言うことを聞いておかないと、遠くない将来に予想される台湾・尖閣危機のとき、全く味方してもらえなくなる恐れがあるので、日本は何も言えないのかも知れない。台湾・尖閣危機に対して、欧州は当てにはならないが、意地悪をされても困るので、仕方ないとして、言うことを聞いているのであろう。しかし、国際関係において、日本人的な義理人情などは、通じないことを知っておくべきであろう。

 余談であるが、原子力発電を早急に稼働させておかないと、台湾危機=尖閣危機が生じたとき、そのとき、天然ガスに頼っているとその輸送路を遮断されれば、日本のエネルギーは簡単に枯渇してしまう。それを避けるには、備蓄することが比較的に簡単な石炭、石油の備蓄量を増やして、これを使った発電設備を維持しておかないと大停電は簡単に起きてしまう。欧州と日本では事情が全く異なるのである。

 環境も勿論大切であるが、二酸化炭素による温暖化は大嘘である。こんな大嘘を信じて、日々の生活の基盤となる、エネルギーのこと、そのエネルギー安全保障のことを忘れてはならない。

【了】

 

 



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1 コメント

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Unknown (春日部の敬です)
2022-03-02 00:24:08
素晴らしいその通りです、今の平和ボケを目覚めさせてくれる政治家は日本にはいないのか⁉️
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