4月22日(木)第10回貧困問題オンラインセミナーに参加しました。
テーマは「大学生の奨学金問題と学生の困窮」です。
パネリストは大内裕和中京大学教授。コーディネーターはおぐら修平足立区議でした。
大学の奨学金は大内先生が学生の頃は借りているのは2割くらいの学生でしたが、今
は50%の学生が利用しています。
すべて無利子だった日本育英会は今はなく、現在は日本学生支援機構が奨学金を貸し
ています。
第一類は無利息で40万人利用。毎月1.5万返すことで4.5万借りられます。
第二類は利息付きで100万人利用。2,007年からは民間の金融機関も参入しています。
第二類で480万借りると利息が3.0%で640万返さないといけません(-_-;)
返還するのに親や祖父母まで年金から返している例もあるとのことです。
延滞金や利息から返すと元本がいくらたっても減らないので何十年も返済している
例もあるそうです。
背景には大学の授業料の大幅な上昇があります。
かつて国立大学が1万6000円、私立大学が22万だった授業料が今や81万、133万に
なっています!
なぜこんなに高くなったのでしょうか?それなのに大学は余裕がなくて教授の補充
などできていない状況らしいです。
また、ここからブラックバイト問題などが派生していると思われます。
野村総研の調査によると日本の富裕層は133万世帯で総資産は333兆円です。
しかもここ数年富裕層は増えているとのことです。
トランプの「大貧民」というゲームを皆さんやったことがあると思います。
1ゲーム目の結果で富豪になると富豪は貧民から良いカードをもらえてほぼずっと
大富豪で大貧民はせっかく良いカードが配られてもそれを大富豪に渡さないといけ
ないのでいつまでも大貧民から抜け出せないという残酷なゲームです。
現代社会はこの「大貧民」に近くなっているのではないでしょうか?
金持ちはいつまでも金持ちどころかもっと金持ちになり、貧乏な人は貧乏なのに
さらに貧乏になるという全く不公平なことになっていると思います。
コロナで拍車がかかっているようです。
☆
2018年から給付型の奨学金が増えていて、延滞金や利息より元本をまず返済する
ようにはなってきているそうですが、この奨学金制度は見直す必要があると痛感
しました。
大内先生は国の私学への補助を増やすべだと話されていました。
そのことも含めて学生がお金の心配をしないで希望する人は大学に行かれるように
しないといけないですね。