8月23日(火)出産議員ネットワーク&子育て推進議員連盟主催の勉強会に参加しました。
「データ利活用による教育・福祉分野連携のプッシュ型支援~箕面市の取り組み」
講師は、箕面市の子ども未来創造局子育て支援室長の松澤ひとみさん。
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箕面市では前市長の号令で平成28年から貧困の連鎖を断ち切るための取り組みを始めました。
未来にわたって子どもたちを救うためには貧困の連鎖を断ち切ることが重要で、そのためにはずっと見続け見届け見守り、対処療法でなく高いレベルに引き上げることを目指しました。
こども成長見守り室を教育委員会に一元化し、0才から18才までを対象に教育と福祉の融合をしています。
2020年の教育大綱のトップに貧困の連鎖の根絶を位置づけ、関係機関との連携をとりやすくなったそうです。
子ども成長見守りシステムは、ハブ=情報集約、ウォッチ=定点観測、コントロール=指示からなっています。
見守りシステム活用会議で年2回データを更新し関係機関と年10回会議をしています。
個人情報保護法を改正して本人の利益になる場合は個人のデータを使用できるようにしたそうです。
それでも給食費の滞納と全体の税情報はNGだそうです。
そして、子どもと家庭の情報を一元化して経年経過もわかるようにしました。
生活困窮判定、学力判定、非認知能力判定から重点支援する子どもを抽出しています。
これにより今までノーマークだった子どもも浮かび上がってきたそうです(写真下)
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コロナ禍で成果が出るのはこれからのようですが、課題としては、
「子ども」に直接届く支援への転換、高校との情報共有、幼児の非認知能力の測定などがあるそうです。
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子どもの個人データについては取り扱い注意でしたが、子どもひとりひとりの詳しいデータが蓄積されていました。
ちょうど子ども家庭庁がデータを活用して貧困状態の子どもの支援に取り組もうしている話を聞いたばかりだったので、時代はそういう方向に進んでいるんだなということがわかりました。
非認知能力とは学力テストで測れない主に、意欲、自信、忍耐、自立、自制、協調、共感など心の部分である能力のことだそうです。
非認知能力の数値化について質問がでていましたが、確かに数値化にはなじまないのではないかと思いました。測定者の主観が必ず入るし、レッテル貼りにならないか危惧します。
各部署に散在しているデータを一元化することのメリットは大きいとは思いますが、データは使いようによってはいろいろな弊害もあると思いますので取り扱いは慎重にするべきだと思います。
子どもも成長の過程で学力以外の点数化されたレッテルをはられるのはいかがなものかと思いました。
もちろん貧困の連鎖を断ち切ることは大切で簡単ではないと思いますが、もう少し大きな視点でとらえるべきかなと私は感じました。
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箕面市の取り組みを否定するものではありませんし、成果が出ることを期待していますが、あくまで貧困の連鎖を断ち切るための方策の一つだと思います。子どもからのアプローチですね。
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