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生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになるのだが…。不朽の名作ついに登場。(Amazon内容紹介より)
=例会レポ=
森絵都作品は平成15年5月の「永遠の出口」に次いで2回目です。出席者は11人(男性3名、女性8名で未読1名)。
この作品は、ラジオドラマ(1999年NHK-FM)、映画(2000年、解説にもあるように阿川佐和子が母親役で出演)、アニメ(2010年)にもなり、傑作と評判の高い作品です。
推薦者は、菊池講師です。本当は最新作の『みかづき』にしたかったが、諸事情により『カラフル』にしたとのこと。その裏付けなのか、思いのほか全体的に不評でした。
● 語りが上手で、すっきり読めた。
● 真が絵を描くのは好感が持てた。
● 若い人に向かって、物事を多面的に見ることの大切さを主張しているのではないか。
● 真の母親の人物造型が面白かった。
● 子ども視点で語られる話は好まないが、この作品は、抵抗なくよめた。大人の小ずるい目でみれば、中学生なら共感するであろうことがわかる。
● 年を重ねて、色々なものが見えてくる代わりに、新鮮な驚きとか感情が揺さぶられることがどんどん減っていくなあと思った。
などの好意的な意見がりましたが、以下のような否定的な意見もありました。
● 「作り物」と感じてから、物語に入っていけなかった。
● 冒頭の場面で、天使が「魂」に小林真の家族の面々の先入観を与えているのはどうかと思う。
● 納得のいかないシーンがある。
● 可もなく不可もない。
● 援助交際、不倫、自殺などの問題を扱っているが、メッセージが中途半端である。
● 物足りない。
● 中学生の援助交際などを扱っているが、納得できないまま終わってしまった。
● 孫がこの本を「めっちゃ面白い」と言っていたが、深みが感じられなかった。彼らはもっと面白い小説に出会っていないのかもしれない。
● 「リプレイ」、「スキップ」には及ばない。
● 作者の意図に沿って登場人物が無理やり動かしている気がして今一つ。『永遠の出口』の方がよかった
菊池講師のコメント
● 森絵都は作品の設定・構成のうまい作家である。
● 中学生の自殺問題に対しての答えがこの小説であろう。
● 自分を見つめるもう一つの目をどう設定するかで、このような方法をとったと思う。
● 汚れのない中学生にとってこの本は面白いのではないか。
● これはあくまでも児童文学で、読書に長けた人にとって、この本は鼻についたかもしれない
● 彼女の作品では「ダイブ」が素晴らしい。
● 最新作の「みかづき」はテーマが深く、とてもうまくなった。
以上
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