ジェイソン・グッドウィン(著)
和爾 桃子(訳)
ハヤカワ・ミステリ文庫
出席者11名 うち男性1名 未読1名
「タイトルもカバーデザインも魅力的で期待して読み始めたが、
ミステリーとしては期待はずれ。ただイスタンブールの雰囲気は楽しめた」
と言う人がほとんど。これほど全員の感想が一致するのはなかなかない、
というぐらいでした。
・謎解きがすっきりしない、2つの事件の関係とか殺した方法とか
犯人は自殺なのかどうかとか、よくわからない
・殺人の動機が弱い
・探偵役が犯人探しをしていないじゃないか
よくないところは具体的には
・ヤシムに魅力が無い、悪役に深みが無い
・ヤシムが危機一髪で助かったり、美女とねんごろになったり、
できの悪い探偵物みたい
・章立てが短すぎて読みづらい
など。
よかったところは、ほとんどこの1点
・イスタンブールの街やバザールの描写がいい、
トルコ料理について書かれたところも楽しい
K講師からも「導入部はうまくて期待したが、ミステリーとしては物足りない。
ただ周辺の書き方はおもしろいし、知識と力はある。そのへんがエドガー賞
受賞の理由か」とのご指摘あり。
解説にも「イスタンブールの街が主役」とありましたし、
例会でHさんが言ったように「謎解きを楽しむのでなく
イスタンブールを楽しむと思えば、それなりに楽しめる本」
というところでしょうか。
と言うことで、課題本の内容についてはあまり深く論じ合うこともなく、
あとは宦官についての話題で盛り上がった4月の例会でありました。
トルコ料理オプションもぜひ実現いたしましょう。
(アビィ)
感想は全く同じで、ミステリーとしてはちょっと期待外れでしたが、トルコの歴史や民族、イスタンブールの描写は面白くてよかったです。
よぴかりさんが歌う「飛んでイスタンブール」を聞くたびに、この一冊を思い出すでしょう!?