無会派 大竹功一の独り言

福島第一原発から約80キロの白河市在住。市議会議員7期目。
老病傷保護犬猫たちと暮らしています。

会津20万円、県南10万円(原発事故、妊婦・18歳以下)、地域差解消の不可解

2012年03月28日 17時11分13秒 | 福島原発事故 放射能汚染
 本日の地元新聞に、原発事故に伴う精神的苦痛に対する賠償(避難区域外)で、福島県は「県原子力被害応急対策基金」から会津地方と県南地方への給付を、昨日27日に関係市町村に示したとの報道がありました。金額は、

 
●県南地区 妊婦、18歳以下の子ども 県給付10万円 東電賠償20万円 合計30万円
       上記以外                 4万円        0円   合計 4万円

●会津地方 妊婦、18歳以下の子ども 県給付20万円 東電賠償 0円  合計20万円
       上記以外                 4万円        0円   合計 4万円


 これは、先日の東電の賠償対象に会津地方は含まれていないことに対し、県が独自に地域差を解消する目的での給付額決定とのことです。

 県は、昨年法律により創設された「県原子力被害応急対策基金」403億円のうち、300億円を支払いにあてるとしています。しかし、この基金の本来の目的は、「子どもたちの健康」「農林水産業の復興」「公的施設等の復旧等」のための基金であり、本来の使用目的から逸脱していると言えます。しかし、この緊急時のために一時利用したいという県の考えも理解でき、県議会の採決を仰がなければ使用できない基金ですが、県議会の内諾も得てるということで、私もある程度納得しました。

 この件に関して、本日午前には市議会代表者会議、午後には市議会の全員協議会が招集され、議長より昨日の経過報告等があり、白河市議会として県の申し入れを受け入れたいとの話がありました。また議長から、県に対して伝えたいこと等があれば各議員の意見を聞きたいとの話があり、ある議員から「今回の県の判断等についてはやむを得ない。しかし、我々が対策本部を組織し、交渉していたのは国であり・東電であったはず。今回県が基金を活用し、間に入る形で金額等を提示し、了解してほしいと言ってくること自体、なにか納得できない点もある。そのことは伝えてほしい。」また他の議員からは「新聞報道によれば、24年1月以降、これまでの線引きはないとの報道があるが、国・県等に対して今後の施策について差別がないよう確認し、そのように強く申し入れをしてほしい。」などの意見が出されました。
 
 私は「今回の県の提示について、個人的には金額面及びその支払われる基金等の性質について不満な面・納得できない点があるが、基本的に受け入れざるを得ないと考えている。しかし県に対して、今回の申し入れ、両手をあげて納得し、賛同しているわけではないということをあえて伝えていただきたい。」と発言しました。
 
 その際、他の議員から「何が不満なのか。東電から1円の回答もないところからここまで来たのだから良いのではないか。」との話がありました。
 
 私は「県及び対策本部はこれまで、県は一つ、金額も対応も同じになるまで戦うと言っていた。しかし今回県は、自分で言っていながら、線引きに従って金額に差別をつけている。市民・住民は金額の問題だけではなく、その差別する行為に対して不満があるということである。」と回答しました。

その後、意見集約がされ、明日、白河市議会として県の申し入れを了解することとなりました。


コメントありがとうございます(現在、諸事情により非公開とさせていただいております)。大ちゃんママさん、矢吹町民さん、いつもありがとうございます。その他の市民の方々もご意見ありがとうざいます。

 「加害者が額を決めるのは間違ってる」とのご意見、深く頷きました。例えば、皆さんの家の隣にある工場が爆発し、ダイオキシン等の有害物質が敷地にまかれ、子どもも大人も有害物質を吸い込んだとします。敷地の原状回復と今後の健康不安とこれらによる精神的苦痛に対して、裁判を起こしたとして、大人4万円で済む話ではないはずです。子どもは、その数倍のリスクがあるのに、1年が過ぎた今も個人宅の除染は進まない。被害者が自ら高圧洗浄機を購入し、土を削り家を洗っているわけです。

 除染の必要がない地域と必要のある地域、年間被ばく量が1ミリ以下の地域とそれを超える地域、これを一つに考えることに無理があったのではないでしょうか。県の基金から補う裏には、線量の低い会津に東電が賠償金を払えば、茨城県・宮城県・栃木県の汚染地域にも支払う必要が出てくるという思惑があると推測する者もいます。
 
 除染が必要な地域の苦しみは終わりません。日々被ばくしながら生きる県民の精神的苦痛を理解してるとは思えません。今後は、個別賠償となるわけですが、地域ごとなどに検討する必要があると思います。


応援していただけると有難いです。
人気ブログランキングへ

県南地区の18歳以下と妊婦に20万円の賠償

2012年03月25日 11時55分40秒 | 福島原発事故 放射能汚染
 23日の新聞報道によれば、東京電力は22日、福島県及び白河地方・会津地方原子力損害賠償対策本部に対して、原発事故による賠償を県南地方9市町村の子ども(18歳以下)と妊婦に拡大することを表明しました。賠償額は、これまでの地域の半額である、一人当たり20万円を支払う方針を明らかにしたとのことですが、会津地方は対象にはなりませんでした。

 この賠償で納得する人もいるようですが、私は納得できません。線量の高い地域に住む者は、被ばくを受けながら生活をしています。被ばくが大きければ、精神的苦痛も大きくなります。まずは、線引きを解消する必要があります。もしくは、同等の賠償は当然であると思います。

 文科省が発表した汚染地図には、キッチリと色分けがされています。「この色分けによって賠償額を決めればよかったのではないか」というご意見もいただいております。除染の必要もない地域と空間1マイクロもあるような地域とを一緒に考えることに無理があったかもしれません。
 また、避難した者は避難先でなれない生活に苦しみ、避難できない者は被ばくを強いられ、復興のために除染をボランティアで行っている者もいるのです。それぞれが苦しんでいる現状を考えると、

         避難した者としない者と差をつける必要はないと私は思います。

 栃木県にも白河と同レベルの高線量地域もあります。福島県以外でも年間被ばく量が、1ミリシーベルトを超える地域には、賠償を支払う必要があると思います。

 私は、この対応に納得いきませんので、今後も「納得いかない」と言い続けます。 

 本日、午後2時より白河市図書館で「第4の革命」という映画の上映会があり観てきました。主催は白河地域再生可能エネルギー推進協議会、後援は白河市ということで、市の職員が受付業務などを行っていました。120席用意されていましたが、残念ながら半数程度の入場者であり、その1割程度は同僚議員でした。
 内容としては、世界中における再生可能エネルギーの利用状況、ドイツを中心としたヨーロッパの現在の考え方、アフリカのマリ共和国の取り組み、中国の現況などがドキュメンタリー形式で紹介されました。大変勉強になりました。


 応援していただけると有難いです。
人気ブログランキングへ

開かれた議会を目指し、白河市議会もライブ中継を!

2012年03月20日 10時25分25秒 | 議会改革
 19日、3月定例議会最終日となり、各議案の採決が行われ、すべての議案が全会一致又は賛成多数で可決されました。

 私は、「表郷クリニックの指定管理者の指定」「介護保険料の改定」「平成24年度一般会計予算」の内容等に対して不満があり、2議案に対しては、反対の理由を明確にするため反対討論において表明し、反対としました。理由の一部は、前日までに記載してあります。

 さて先日、西郷村議会の議会ライブ中継の話題を掲載しました。その後、西郷村議会より資料をいただきました。それによれば、現在県内では郡山市・いわき市・須賀川市・二本松市・南相馬市・泉崎村・西郷村の7議会において、インターネット中継システムが導入され、「開かれた議会」として住民に好評だと聞いています。
 経費についても内容等によって違うようですが、白河市議会事務局に調査してもらったところ、現在の装備等が一部使用できるので、年間約90万円前後で可能ではないかとの回答を得ました。そのことを確認のうえ、先日議会運営委員会の席上、白河市議会でも導入すべきと提案し、各会派で検討することとなりました。

 現在、市民の方々から「議会を傍聴したいが、平日の昼まではなかなか行けない」「議員がどのような発言をしているのか、興味はあるが仕事の都合上、傍聴できない」などの声をよく聞きます。議会だよりなどで一部内容の報告はしているのですが、「開かれた議会」を目指す以上、インターネット配信は必要ではないでしょうか。

 昨日、午後の西郷村議会のライブ中継を少し拝見しました。温泉の問題について佐藤富男議員が質問をされていましたが、大変に勉強になりました。


応援していただけると有難いです。
人気ブログランキングへ

白河市長・市長夫人・議長他、フランスの姉妹都市へ!?

2012年03月17日 22時14分10秒 | 税金の無駄使い
 昨日報告させていただいた「汚染瓦礫処理問題」は、13日の日本経済新聞に掲載された記事を読んだ市民から情報をいただいたものです。他にも、白河出身で現在関東在住の方からも心配の声をいただきました。この他「少し安心した」というご意見もあり、新聞報道を鵜呑みにするだけでなく、現場を見ることは重要だと再認識しました。

 さて、少し前になりますが、やはり白河市民より情報をいただきました。それは、「この時期に、市長・議長・市職員がフランスの姉妹都市コンピエーニュ市に行くのは本当か?余震も終わらず、放射能問題に市民が苦しみ、避難者もいるこの時期に行く必要があるのか?」というご意見でした。この時点で、24年度一般会計予算が私たちに示されていなかったため、後日調べさせていただくとの回答をしました。
 
 今回、3月定例議会において、24年度一般会計当初予算中
「国際交流協会補助金」として上記内容の予算が盛り込まれており、調査しました。また、当局の考え方や予算の単価等を確認するため、予算に対する質疑も行いました。調査及び質疑等を通して、
 今回の補助金総額は755万2千円であり、中学生海外派遣事業として252万円、新規事業として姉妹都市提携20周年記念市民交流の旅400万円、第3回日仏自治体交流会議参加93万円などです 


 まず、中学生海外派遣事業では、定員20名の中学生に各5万円の補助であり、残りの150万円以上は団長及び随行員2名分の費用がほとんどであります。

 次に姉妹都市交流事業(9月予定)ですが、予算に計上されているのは、市長及び市長夫人、議長、随行員等2名合わせて5名分の約370万円の旅費等であり、市長等の経費と随行員経費には1.5倍ほどの差があるとの答弁もあり、推測すると市長等、役職の方の経費は5泊7日で1人当たり約90万円、随行員は一人当たり約50万円程度であると思われます。

 最後に、日仏自治体交流会議(8月26日から30日)については国際交流協会員として、市関係者(市長又は副市長等予定)1人が行く予定となっており、経費は5泊6日で約90万円との答弁がありました。しかし、委員会審議の中で、特別職(市長及び副市長)に関する旅費の中で、この日仏自治体交流関係旅費として217万3千円が別予算計上されており2重の計上ではないかと質問しましたが、現在誰が行くのかわからないのでこのような計上となっているとの答弁でした。

 現在も余震が続いています。また、福島原発第四号機の危険性を指摘する専門家もいます。個人宅の除染は進まず、市民の間には閉塞感が広がっています。この危機的状況の中で、2度のフランス行きに対し、市民から不満の声をいただいております。

 人気ブログランキングへ
 
 

ファーストエスコ社長と面談及び白河ウッドパワー発電所視察

2012年03月14日 21時28分02秒 | 福島原発事故 放射能汚染
 日経新聞報道のファーストエスコ社の汚染瓦礫受け入れ問題について、昨日、福島県担当課(林業振興課)に電話をし、状況説明を受けました。また、白河ウッドパワーに見学及び説明を申し込みました。

 本日午前中、大信地区にある白河ウッドパワー発電所において、社用で白河に来ていた(株)ファーストエスコ社代表取締役社長島崎知格氏と(株)ファーストバイオス白河ウッドパワー事業所燃料部長の小針氏とお会いし、状況説明をいただきました。


右:大竹 中央:島崎社長 左:小針部長

お二人とも私と同世代ということです。

 まず、今回の新聞報道の内容等について、質問しました。社長から「今回の件については県林業振興課より、福島県内の林業関係者からバーグ(製材等で産出される木の樹皮)を燃料として受け入れてくれないかとの要請を受け、社内で検討した結果、試験的に受け入れを実施し、排出される灰等の数値を確認し、規制値以上であった場合、県が処理すること。関係自治体及び住民等への周知等は県が責任をもって行うこと、一定の数値(放射線量として、0.3μ㏜)以上のバーグであった場合、受け入れを拒否できるとすることなどを条件として県担当者に提示しました。県担当者は、灰の処理について難色を示していたようですが、その後、搬入業者等の挨拶等があり、県担当者から正式に試験的受け入れを要請されたため受け入れを開始しました。日経新聞の報道記事につきましては、当社の発表と一部違った形で報道されており、困惑しています。」との説明でした。
 また、汚染瓦礫については小針部長より「汚染瓦礫を受け入れていると言われるのは、心外です。私たちは産業廃棄物処理業者ではないので、瓦礫等を直接扱っているのではありません。現在、燃料として購入している木質チップの原材料一部が、県内外、当然地元白河を含む被災地の建築廃材等の瓦礫の一部であるのは事実ですか、現地で廃材等を洗浄し、木質チップ化されたあと放射線量を計測し、一定の数値以下の物が「有価物」つまりある価値をもった燃料製品となり、それを購入し、燃料としています。また、当社においても搬入時にもう一度、放射線量を独自に計測してから受け入れていますので、線量の高い木質チップ入ることはありません。また、現在は生木、つまり工事用支障木等から作られる木質チップについては危険性を考慮し、受け入れをしていません。当然、数値が高いものは返品しています。それらの測定結果については、トラックごとの記録をとっています。」と記録を提示され説明を受けました。
 次に、住民への説明等については社長より「本日(16日夕方、白河市役所を訪れ、市長等に面会し今回の経緯について説明することになっています。地域住民の方に対して特に説明会を実施することは考えていませんが、当社が行っている見学会に申し込みいただき、当社の実態を知っていただくと共に、不明な点についてはその際説明していきたいと考えています。」との回答でした。

 質問等の結果、これまでの経緯、内部の各種資料、第三者機関の検査結果など、私が疑問と思っていたものに対し、丁寧な説明を受け、一定の理解と安心感を受けました。その一方で、県の対応はなんであったのかと、疑念を持たざるを得ませんでした。




事務所で説明を受けた後、敷地内の施設を見学させていただきました。写真は、発電所です。



外から見ると、白い煙が立ち上っています。これは水蒸気で、夏場は見えなくなるそうです。



木材チップになったものが取引先より運ばれてきます。



持参したガイガーカウンターで敷地内を測定しましたが、0.2前後の低い数値でした。写真は、木材チップ前での測定ですが、0.187マイクロシーベルトでした。





 応援していただけると有難いです。
人気ブログランキングへ