【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第101回
「逆耳払心(ぎゃくじふっしん)」(菜根譚)
これは、菜根譚(さいこんたん)の中からの言葉になります。
「耳中(じちゅう)、常に耳に逆らうの言を聞き、心中、常に心に払(もと)るの事ありて、
わずかにこれ徳を勧め行いを修るの砥石(しせき)なり」から来ています。
忠告や諫言(かんげん)など、払いのけたくなるような耳の痛い話であっても、
しっかり耳を傾けることが人間としての器量を磨いていくという意味になります。
逆境の状況や、辛い状況なときこそ、素直に事実を認めて、
すべてを受け入れることが大切になります。
ただ、つい自らを正当化したくなったり、人のせいにしたくなったり、
その事実と向き合いたくない感情がでてしまうのが、我々人間の性(さが)でもあります。
だからこそ、率直にフィードバックをしてくれる人ほど、本当に有難いものです。
今回は、耳の痛い話ほど、しっかり受け入れることが大事だという言葉になります。
しっかりこの言葉を噛みしめていきたいと思います。
参考文献
『2023年致知7月号より』