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戸田市の自治基本条例記念フォーラムに参加した。
戸田市の自治基本条例は、体裁は理念条例であるが、その目指すところは、市民生活にとって重要課題である防災、防犯、子育て、介護など、地域課題を解決に役立つ条例づくりである。自治の基本条例は、自治の基盤、自治の土壌を作っていく条例なので、対症療法的な即効性は期待するものではないが、長い目で見ると、結局、こちらのほうがじわじわと効いてくる。
フォーラム全体は、二部構成になっていて、一部は、条例制定の経過や概要の説明を簡単にやり、二部をグループワークの時間とをたくさんとった。これは、この条例が協働の理念でできているので、市民、議員、行政三者が集まって、まちの未来を考えることが重要だからである。実際、たくさんの議員さんも参加する会議となった。
第一部の概要説明の中で、私の前に話した元市民会議会長のHさんの話はとてもよかった。ご自分の体験と言葉で、自治基本条例の意義を話された。特に、自治基本条例は、個々の問題を解決する落穂拾い条例のような下を向いて歩く条例ではなく、上を向き、顔を上げて、未来をめざして歩む条例であるという、たとえ話は、自治基本条例の本質をついている。まったく、まさに「地域に人はいる」。
第二部のワークショップでは、市民、議員、行政の三者がグループに分かれて自由闊達な意見交換がされた。司会進行は、今井邦人さん、そして、各グループを回り、その発表を引き受けて、私とHさんが、コメントするという形式をとった。どんな意見が出るのか分からないが、この方式のほうが、即興の妙があって、おもしろい。
こんな意見があった。「1億円を自治基本条例のために使っていいと言ったら、何に使うか」。これは自治基本条例の急所は何かという質問でもある。これに対するHさんの答えは、まちの人材育成、次のリーダー育成のために使うという回答である。まさに自治基本条例は、人を育てる条例であるという本質をついた回答だった。
今回のフォーラムでは、1年生の松下ゼミ6人が参加した。フォーラム初デビューであるが、みんなに可愛がられ、幸先の良い、スタートを切ったようだ。なぜか握手攻めにあい、新Sa・Ga・Jyo!6の登場かもしれない。これまで、自治のことやまちのことに関心が乏しかった、この6人も、まちの人たちと大いに議論し、もまれていく中で、どんどんと成長していくだろう。娘を見るような感情移入をしやすい、一教員として、戸田の人たちに感謝申し上げたい。