松下啓一 自治・政策・まちづくり

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★小さな輪が大きな輪に(戸田市)

2013-07-27 | 2.講演会・研修会
 戸田市自治基本条例の中間報告会があった。市民と市役所若手職員で構成する市民会議が中間報告をまとめたので、それを市民に示し、意見をもらう会である。

 印象的だったのは、市民の人たちのプレゼンのうまさ。年配者は年配者の、若手は若手の持ち味を出したプレゼントなった。おそらく、みんなさまざまな場面で鍛えられているのだろう。たしかに、会社では、プレゼンができなければ企画は通らないし契約も取れない。要するに、そういう実社会で活躍している人たちが、こうした自治の世界に入ってきたということである。自治基本条例づくりは、これまで公共という社会性を体験したことがない人が入ってくるのにふさわしいと素材であるし、自治基本条例が目指す目標も、普通の市民が、自治(まちづくり)にたくさん入ってくることである。その意味で、戸田市の自治基本条例は、幸せなスタートを切ったといえるだろう。

 今回、会議を主催・運営したのが、市民会議の副会長さんであったが、何とお仕事は牧師さんとのこと。みんなの前で話をすることに十分、鍛えられているので、心をつかむ話ができるのだろう。特に、良かったのは、最後の終わり方で、うまく表現できないが、気持ちよく帰ることができる挨拶だった。
 本当に、人はさまざまで、その一人ひとりが魅力を持っており、それを活かさない手はないと実感した。こうした市民を発見し、まちづくりの仲間にするのが自治基本条例である。

 話し方もさることながら、特に良かったのは、自分たちは、決して市民の代表ではなく、それゆえ、常に市民の思いを斟酌し、市民の願いとは何かを頭に入れながら、検討するという姿勢である。民主主義は、他者への配慮なくしては成立しないが、自治基本条例は、その民主主義を組み立てなおす試みであるので、こうした謙虚な検討姿勢は、自治基本条例づくりの本道である。

 小さな一滴であるが、これが積み重なって大海になる。今は小さな輪であるが、これがいずれ大きな輪になっていく。市民会議のメンバーはたしかに小人数で、それを批判するのはたやすいが、実際に、誰かが、小さなとところからでもはじめないと、進んで行かない。戸田市に暮らす人の未来のために、果敢に取り組んでいる市民会議のメンバーに敬意を表したい。
 今後は、出された意見に優劣をつけ、選択をし、さらには付け加えるという難しい作業になってくるが、これまで通り、みんなで知恵を出し、力を合わせて、やってもらいたいと思う。

 夏休みになった最初の土曜日、あちこちで盆踊りや花火大会が開かれている。電車や駅には、浴衣の女性が目立った。そんななか、戸田市までは、ドアツウドアで2時間かかるが、行ってよかったと思う。

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