美しい人

　とりせんに買い物に行った。帰りに車いすの人がいた。私のすてきな命に登場した、美容師の先生だ。車いすが車に近づいた。”えっ！車に乗るんですか？私は彼女が自動車を運転することを知らなかった。”車に乗らなくちゃあどこも行けないじゃない！”今乗ってみせるから見てて！”両足は麻痺しているらしく、”まず手でドアを開けるでしょ？そしたら足を片足ずつ車に乗せるでしょ？そしたら、上半身を両手で車に乗せて、、、そして斜めになってる足をまっすぐにして。。。で車いすを両手でたたんでよいしょ！！！上半身の筋肉と両手で自分の身体の前から、後ろの座席に車いすを置いた。”その一連の作業を、かろやかにこなし、私を見て”どう？とりせんの店の入り口には、色で塗られた駐車場が3台分ある。ハンディのある人のための駐車場だが、私が”ここにどうどうと停められるんですね！”というと、そう、こういう身体のハンディはわかりやすいでしょ””世の中今にも死にそうな疲れた人はいても、ここには停められないもんね。”アメリカではヤンキーだって停めないよ。きれいな晴れやかな笑顔に薄化粧をした彼女は、たぶん20代で車いす使用者になった。美容院の経営はそれ以前からと思うが、それからもずっと長く、車いすのまま美容師そして経営をしている。和田橋を観音山に向かって二つ目の信号の左が前後スタンド。右手の前角の美容院。入り口は車いすで入れるようになっている。