歌うように語ろう

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ジャンプコンビネーションの摩訶不思議

2012年01月11日 | フィギュアスケート

しつこくジャンプについていじります。今回はジャンプコンビネーションについて。最近流行の3T+3Tから、もはや絶滅危惧種コンボになりつつある3F+3Loまで語ります。

この記事にはお手本として動画があった方がいいなと思うので、お友達が作成された動画をはじめ、4つほど動画のご紹介も合わせていたします。

うまくリンク貼れるといいのですが。

順番に3F+3Lo(浅田選手/2パターン)、3Lz+3Lo(ソトニコワ選手)、3Lz+3T(タクタミシェワ選手)になります。

各動画の主様、ありがとうございます。

 

浅田真央(mao asada)JSCの3F+3LO スロー再生

http://www.youtube.com/watch?v=Mib4gOZC0G8&feature=colike


浅田真央3F+3Lo集/JSCジュピター含む
http://www.youtube.com/watch?v=X8pLMK5oAdc&feature=colike


アデリナ・ソトニコワ 2011ロシアナショナル
http://www.youtube.com/watch?v=ScHLHx8AMpw&feature=colike


エリザベータ・タクタミシェワ 2011 スケートカナダ FS
http://youtu.be/j9Nk3iLTyNs

ここ数年のDGシステムやエッジエラー厳格化の影響で、コンビネーションに3T+3Tを使う選手が実に多くなりました。

それ自体は選手が悪いわけではありませんし、確実に飛べるのなら導入するのも戦術として有効だと思います。

しかし、上記に挙げたような難しいコンビネーションは、もっと評価されていいのではないかと思います。

 

現状、コンビネーションジャンプの得点は単独ジャンプの加算による単純計算+GOEなので、簡単なコンビネーションを手堅くまとめて加点を狙う方が、難しいコンビネーションにチャレンジするよりも成功例は多いです。

もちろん、失敗してでも難しいコンビネーションに挑むのがいいとは言いませんが(成功率が低ければ無謀と言われかねません)きちんと成功したならば希少価値の高いコンビネーションには加点を上乗せするくらいの心意気を審判団には持ってもらいたいものです。

特におかしいと思ったのが、2009-2010年のオリンピックシーズンでの3A+2Tと3Lz+3Tの点差でした。前述のとおり、単純加算のシステム上、飛べる選手がたった一人しかいなかった3A+2Tの扱いが3Lz+3Tよりも低かったことについて、北米の解説者をはじめあちこちで肯定する人、批判する人と入り乱れました。

しかし単純計算だと確かに後者の方が基礎点が高くなってしまいますが、難易度を考えた場合これははっきり間違っていると私も思います。

現状、3Aを実戦レベルで飛べる女子は浅田選手しかいませんし、彼女も今季はまだ成功させていません。単独でもこれは大変に困難なことです。

そのジャンプに2回転とはいえセカンドジャンプをつけてコンボにすることがいかに大変か。男子でも3Aのコンボはセカンドに2Tの選手が多いことを考えれば、そして単独3Aでも成功率はそんなに高くないのだということも加味すると、いかにおかしなことかご理解いただけるかと思います。

今季以降、浅田選手が再び3Aのコンボにチャレンジする可能性は極めて低いので、3A+2Tの女子におけるコンボはもう二度と見られるかわからない極希少価値のコンビネーションジャンプになります。しかし、いつかまたチャレンジする選手が出てきた時のためにも、ハイリスク・ローリターンの現状は是が非でも見直してほしいと思うのです。

先日J-スポーツで放送されていた1994年幕張開催のワールドを見て思ったのですが、確実に選手の側のレベルはアップしています。ジャッジも匿名という楽な状況に胡坐をかいていないで、いかにフィギュアスケートの技術と芸術性を高めていくか、もう少し前向きに検討してみてほしいものだと思います。

本当はジャッジングシステムやジャッジの姿勢からして大いに思うところありですが、正直多くを望めないことも察しが付くので、せめてフィギュアスケートの進歩の歴史をこれ以上枉げることだけはやめてほしいものだと思います。

ルールブックも大切ですが大原則としてある「疑わしきは選手の有利に判断する」、この原則を「すべての選手に」公平に適用してほしいものだと思います。