振付とコーチが同じ場合もありますが、コーチとコレオグラファーは別にしている選手が多いと思います。
やはり人気のコレオグラファーのところには依頼が殺到するせいもあるのか、今年は振付が遅れていてなかなか新プロ情報が揃わないようですね。
そこで独断と偏見に元付く振付の印象などを語ろうかと思います。
<コレオとコーチが一緒の場合>
ぱっと思い浮かぶのはモロゾフ氏ですが、彼の振付はかなり特徴的だと思います。
教え子のプロを連続してみていると特に顕著に感じられます。止まって休憩が多いような気がするのは私だけでしょうか?(それでも点数が出るのですから悪くないのでしょうが)
ただ、彼はどうすれば勝てるのかを考えた上で戦略を練ることには非常に長けていると思います。それが花開いたのが昨季でしょう。
また、タラソワ氏も浅田選手についているときはコレオとコーチ(実質あまり直接指導はされていなかったようですが)を兼ねていましたが、現在はロシアスケ連の女子統括責任者の立場もあり、コレオ以外は直接指導をしていらっしゃらないようです。以前、読売新聞での座談会記事で荒川さんや高橋選手が語っていたり、浅田選手の本にも述べられているように、非常に情熱的で厳しい指導をされるようです。高い芸術性で有名な振付をこなせるように厳しく指導する姿勢には、一切の妥協は許さない誇り高い心根が感じられます。
彼女の振付だと、やはりアイスダンス出身の故かツイズルが多用されているような気がします。あと、浅田選手のプログラムではイーグルもよく入っていますね。オリンピックシーズンの逆イーグルからの2Aなどが印象的です。後は振付を与える選手にもよるのでしょうが、やはり繋ぎ満載の極めて難しいプログラムを作る印象です。
<コレオ専門>
真っ先に思い浮かぶのが、最も忙しいコレオグラファーを言っても過言ではないローリー・ニコル氏です。P.チャン選手のコーチを少ししていた時期もあったかと思いますが、彼女はほぼコレオ専門といっていいでしょう。
彼女もモロゾフ氏のように点数が出るプロを作ることでは定評がありますが、今後の流れによってはどうなるのか動向が気になるところではあります。ただ、現段階ではジャッジ受けしやすく、選手に合わせたプログラムを作るのがうまいコレオグラファーでしょう。コレオ自体はあまり強烈なクセは出さない方かなという印象です。選手に合わせて振付けることで、上手く選手の色を引き出しているのでしょうか?
パスカーレ・カメレンゴ氏は最近日本選手の振付もよく引き受けるようですが、私が知らないだけかもしれませんが、映画音楽やミュージカルの楽曲などを使う印象が強いですね。今年の世界選手権のイタリア実況で、浅田選手に振付けてみたいと発言されていたそうですが、もし実現したら面白い化学反応が見られそうです。THE ICEで披露したショパンのワルツジャズバージョンのような、小粋なプロを作ってくださるのではないかと推測しています。ただ、浅田選手側でタラソワ氏&ローリー氏のいずれかを切ってまでもお願いするかどうかは疑問ですね。
日本では、宮本氏のコレオが私は結構好きです。高橋(大輔)選手の「eye」に象徴されるようなメリハリのあるドラマチックな振付がいいですね。そういえば上で触れませんでしたが、羽生選手のコーチもコレオとコーチが一緒でしたね。まだ割りとお若いコーチのようにお見受けしますが、将来長光先生のように肝がどっしり据わった方になりそうです。
以上、ほんの一部を独断と偏見により語ってみました。
そろそろ8月も後半、徐々に新プロ確定情報が出てくるでしょうか。楽しみに待ちたいと思います。