パエ-リャ

木製カトラリ-

DIYア-ク溶接のコツ

2016-07-24 05:09:22 | Weblog

ホ-ムセンタ-、 溶接機、 溶接棒、家庭用溶接機

家庭用の100ボルト溶接機は安い。上手く使えれば、ガ-デニング関連での作業にとても役に立つ。典型的なシステムとしては、このような感じになる。ア-ス線とア-ス棒は見えていない。



手前左のはさみは溶接棒を挟むための一方の極、右側のはさみは溶接対象につなげて、もう一方の極にするためのもの。この極につながった金属と、溶接棒の先端との間に電流が流れる時に、溶接棒が溶けて、溶接対象の金属(主に軟鉄)も同時に溶けて混じり合い溶接が行われる。

作業に伴う主な危険性は目へのダメ-ジ、それと感電の恐れ、そして付け加えれば火傷位だろう。感電の恐れは一つの基本的知識さえあれば防げる。

感電は極と局の間に電流が流れる時に、その極と極の間の何処かに体が接触していて、かつ同時に体が地面にア-スされている時におきる。それ以外の時には感電出来ない。

そして、電流は極と極の間の物理的な最短距離を通るので、その最短距離でない部分に触っていても何も起きない。つまり、単に一つながりの金属の何処かを溶接しようとしている時、最短距離の部分は目で見れば判るので、余程の事がない限り感電はおきない。

次に、ア-クの火花による網膜の損傷だが、溶接機を購入すると付属品として保護面がついて来る。典型的には、



溶接の始め部分は裸眼で見ていて、一旦溶接が始まったら下側の取っ手の部分を握って、反対側の手で溶接棒のはさみを操ると言うのが能書きだが、そんな器用な事が出来る訳がない。なので、通販などで5千円程度の自動溶接面を



買う事も出来るが、これもそんなに楽ではない。ただ、反応時間の点では素晴らしいと思う。太陽の光球に対して、車のフロントガラスに応用して欲しい電気化学的な仕組みだと思う。。

でも、一時に20本程度の溶接棒なら、目を細めていれば特に問題はないと思う。毎日やるなら話は別だが。火傷は注意するに限る。大した火傷にはならない作業だと思うが。

ホ-ムセンタ-で買える溶接機なら、1.6mmでなくて、出来れば1.4mmの溶接棒を使いたい。一番安いし。1本20円程度だ。



次の画像にある溶接部分は昨日行ったバラのア-チの1部で、12mm程度の鉄筋と6mm程度の軟鉄線で出来た格子の溶接部だ。この部分だけでおおよそ1本の溶接棒を、約10秒ほどで消費すると考えてよい。接触部分の正面と、右、左の3か所の溶接だ。



この程度の一時の連続通電を20回程度やっても定格は超えないので、アマチュアの週末作業なら通電と休みのサイクルに合わせる必要はないだろう。時々、溶接機の本体に触って温度が温かい程度なら問題はない。

ここからコツの部分に入る。

アマチュアにとって溶接作業で一番困るのは通電して、溶接棒を接触させると、棒が直ぐにくっついてしまう事だ。そうなると、温度が上がるだけで、それ以上何も起きないので、どうにもならない。実際的な対処法はある。それは溶接棒の中心線(酸化チタン)とその周りの被覆部分を同時に溶接したい箇所に接触させる事だ。

この、被覆部分は半田溶接の「ヤニ」に相当するもので、被覆部分と、中心線の両方を同時に消費しないと溶接には至らない。例えば、次の画像にある、



金属の中心線部分が2cmも飛び出しているような溶接棒は必ずくっついてしまい、使い物にはならない。この場合は、被覆ごと切断する他はない。次の画像は未使用の溶接棒の先端を接写したものだ。



まず、端末の状態が均一ではない。然し、良く見れば、溶接棒の当て方の角度次第で、被覆部と中心線の両方を溶接対象にかろうじて接触させる事が出来るようになっている。経験を積んだプロなら出来るだろうが、アマチュアには無理だ。アマチュアは細かいテクニックでなくて、8割、9割の確率で成功する方法を必要とするものだ。

そのためには、どうするかと言うと、溶接棒の先端が鉛筆のようになるように、コンクリ-トやレンガみたいなもので、被覆部分を成型する事だ。その画像が以下だ。



左側が整形した鉛筆状のもの、右が買ったままの状態。

で、溶接のコツは、この鉛筆の形の斜めの角度を保ちながら溶接棒を溶接したい部分に当てて、引っ張ることを何回か(あるいは、何回も)繰り返す事だ。大抵の場合は小さな火花が出るだけで特に何も起きないし、最悪の場合には中心線がくっついてしまう事も起きるが、我慢して同じことを繰り返す事だ。

溶接棒の当て方の角度が浅すぎると、火花さえ出ない場合もあるので、その場合は鉛筆の角度に戻してやる事が大事だ。溶接棒の引張りを繰り返していると、突然、大きな火花が出て溶接棒が急に溶け始める事がある。

この時には溶接棒を傾けたりしないで、溶接部分も移動しないで、そのまま溶接棒がどんどん短くなるように押し付けるだけでよい。溶接棒の最低でも3分の1、あるいは半分をその位置で溶かし切る事が絶対に必要だ。

理由は簡単で、溶接棒が溶ける事と、実際に溶接が出来ている事は同じではないからだ。見た目には溶接が進んでいる様に見えても、実際には溶接棒だけが溶けていて、溶接されるべき部材が全然溶けてない事が多々ある。

これを防ぐには、溶接棒の位置を変えないで、どんどん押し付けて短くする事しかない。そうすれば、どんどん溶ける溶接棒の熱量で部材も溶け出すからだ。それしか溶接のコツはない。溶けた溶接棒と、溶けた部材の金属が混ざり合う事で、初めて溶接が可能になるからだ。

仮に、溶接すべき長さが2cmとすれば、その長さの溶接で1本を使い切ると思って構わない。なので、実際には溶接棒の先端を少しは動かす事が必要になるが、一旦正常な溶融を始めた溶接棒は、少し位場所を変えても、直ぐに正常な溶融を始めるので、余程の事がない限り、溶接は成功するはずだ。

若し、どうしても再開できなければ、溶接棒を部材から離して、コンクリ-トや、その他のざらつきのある表面に対して、溶接棒の先を斜めにして叩きつけるか、最悪の場合には、先端の様子を確かめ、必要に応じて鉛筆の形に戻す事だ。

繰り返しになるが、一旦溶接棒が連続的に溶融を始めたら、絶対に最初の内は場所を変えないで、押し付けてドンドン部材の内部に攻め込む事だ。その事によって、仮に部材の一部が溶け落ちても構わない。その位まで押しつけを維持したと言う事は、必ず残った部材のどこかで溶接が出来ている箇所があると思ってよいからだ。

決して、綺麗な溶接にはならないだろうが、全然出来ないのとは雲泥の差がある。

以上、極めて乱暴な記述ではあるが、実践的なアドバイスにはなっていると自負している。


「動画の追加が未完了」
「精密ガス溶接の要領」



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