When I Dream

~気侭な戯言日記~

市中型 MRSA

2007-04-02 21:50:50 | 医療/介護/病院ネタ
院内感染と言えば“MRSA”と言う程、病院では神経を尖らせている感染症で、 1961年に英国で発見されて、日本には1980年頃から全国的に広がっていったんだったかな?
“MRSA”は一般の人には耳慣れない言葉かもしれないけど、黄色ブドウ球菌という言葉だったら食料業界の人には耳に慣れている言葉のはず。特に夏は、食中毒と合わせて厳重に注意するように、上司に手洗を推奨されたり、指導を受けていると思う。
“MRSA”はかつて抗生物質で劇的に減ったんだけど、抗生物質に耐性を持ってしまって、それまでは効いていた薬が効かなくなり、新しい抗生物質が開発され、でもそれにも耐性を持ってしまって、人には驚異になっているのが“MRSA”・・・って前に病院で聞いたなぁ。

MRSAは“Methicillin-Resistant Staphylococcus Aureus”の略で、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌。大きさは0.5~1.5ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリ)という小ささで、グラム染色で青色に染色されるから、グラム陽性球菌と呼ばれてます。オペなどの傷口から空気感染してしまうので、ホントに病院では細心の注意を払ってて、微生物学的な検査結果は、院内に設置されている感染対策委員会などに報告されているはず。

読売新聞の夕刊に、日本でも“市中型MRSA”に感染して、1歳の男児が昨年は胃炎を起こして亡くなっている事が判明したと言う記事が出てたけど、毒性が強いものだったそう。
欧米では数年前から問題になっていて、アメリカでは2000年1月1日~12月31日に ミネソタ州でMRSA感染者を対象に、“病院内におけるMRSA”と“市中型MRSA”の比較研究が行われてます。→こちら 病院型と市中型 ←の記事

簡単に触れておくと『市中型の臨床所見は病院型と比較して、皮膚や軟組織の感染症が多くみられ、市中型MRSAは、病院型MRSAとは異なる遺伝子特性が認められた』・・・と。何の事やらよく解らないかもしれないけど、大丈夫、levieもそのリンク先の記事を1度読んだだけでは意味が解らなかったから(恥)解りやすく書いておくと“市中型MRSA”は、病院内で見られる“病院型MRSA”とは異なる別のタイプで、病院型の抗生物質が効かない・・・って事で、それはつまり・・・“MRSA”が、その菌が生き残りをかけて、より強い菌に変貌を遂げたモノと言う事ができると思う。ミクロの世界ではそうした事が繰り返されてきてるのです。

大昔、二酸化炭素の世界で生きていた微生物は、大量に増殖した酸素が驚異になり絶滅に追い込まれたけど、酸素に耐えうる微生物に突然変異するモノが出現。それはつまり進化でもあるんだけど、“MRSA”は抗生物質による根絶の危機を乗り越えてきた・・・とも言える。
人には驚異なんだから何とかしなくちゃいけない事だけど・・・。
怖いのは、健康な子どもや若者に感染することが多く、また、感染経路の特定が難しい事があげられるかな?“市中型MRSA”と言う新たな敵は要注意です。

タミフルも早くキッチリ白黒つけて欲しいけど、“市中型MRSA”も早急に手を打たないと大変な事になると思うから・・・製薬会社さん・・・はやくなんとかしてね。

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