goo blog サービス終了のお知らせ 

When I Dream

~気侭な戯言日記~

その時どうするか Part 2

2006-10-31 23:55:55 | ボクシリーズ(物語風/エッセイ風)
再び取っ掛かりを探す事にしたボクは、街に出ると“FROM A”を買うかフリーの求人情報誌を2冊手にしてから・・・ファーストフードで100円の珈琲を注文する事が日課になった。今現在のボクは“派遣を使う事はやめよう”と考えているが、求人情報誌には派遣関係が少なくても1/3を占めていると思われる。残りはと言うとほとんどが“接客”だろう。派遣の時は土日が休みだったから当然のようにそれが身体に染み込んでいて・・・土日に働こう・・・と言う考えは、ボクの心の中ではなんとも言い難い微妙な位置にあった。都合3冊で何百ページにも及ぶ様々な求人情報があっても・・・ボクが気になったモノは僅か5社程度だった。

右膝の為には“肉体労働”は避けるべきで、するとデスクワークを探す事になって、出来れば吸収できる環境がいいとも思っていたが、ボクの中途半端なWINDOWSの知識では条件が満たされないモノばかりだ。端から端までくまなく見つめては“派遣”と言う文字が脳裏に浮かんで消えていく。もしかすると・・・勉強する事が出来て時給で 1600 クラスが有るかもしれない。登録している某会社を頼ればもう少し条件がいい会社もあるかもしれない。
頭の中のシナプスの信号がチカチカと合図するかのように点滅する。“一応電話をして頼んでみようか”“いや待て、それじゃぁまた同じ事の繰り返しにしかならないじゃないか”そんな葛藤も加速していく中、ボクは社員当用有りや社会保険完備に目を止め・・・そして出来るのか否か、自分に合っていると言えるのか否か、自分が働く姿を想像しながら自問自答して、気になるページに折り目を付け、次のページを開いていった。

100円で2時間強・・・我ながらいい根性をしているかもしれない。
“その時どうするか”・・・情報誌を一通り見終えてボクは考えた。
友人に近未来の自分像を垣間見てもらう時・・・ボクは“0か1か”“これなのかあれなのか”と言うズバリ明確な答えを求めた事は一度もない。だから“ちょっと凄いかも”と言うモノも具体的に何が凄いと言うのかも解らない。友人は質問に対するいくつかの選択肢とその未来・・・さらには質問者が選ぶであろう選択肢も解ると言っていたから・・・きっとボクの今のこの惑いも手に取るように見えていたんだろう・・・それが“その時どうするか”なんだと思う。
思いだした・・・確か友人は“誰かの紹介か何かでちょっと占いに関わりそうな事があって、何か事件に巻き込まれるかも・・・でも●●君には痛くも痒くもない事態なんだけど”と、そんな事も言っていた・・・もしかすると面接を受けようと思ったアレの事だろうか?自分で見つけたとは言え・・・内部事情的にやっぱり関わらない方がいいと判断してキャンセルしたのだ。
また少し・・・パズルのピースが埋まったかもしれない。

ボクはファーストフードの場所を変えて、折り目をつけたの求人誌の5ヶ所のページを何度も見返して比較した。まずはバイトで時給から初めて時期社員、社員で使用期間3ヶ月は時給、契約社員から・・・気になる5つは3タイプに分かれる。職種的にはデスクワークが4つで接客が1つだった。デスクワークには諦めきれないマック系も含んでいた。どう転んでもどれもこれも5分5分以下だろう・・・でもこの中のどれかに“新しい出会いとインスパイア”の種になるモノがあるかもしれない。だが妄想に近いかもしれない淡い期待かもしれない。

ボクは占い全般に対して“アドバイス的な大雑把なニュアンスだけ解ればいい”ずっとそう考えてきた。でも・・・ハッキリとした答えを聞いておけば良かったかもしれない・・・そんな後悔に近い心境になっていた。“この中にその答えがあるだろうか”ボクは心底迷っていた。
さらに・・・先日自分で引いてみたカードが頭の中に並んだ。ボクにもう少しイメージを掴んだり、見たり感じたりする“能力”があればこれ程は迷わないだろう。逆に考えれば迷うと言う事は・・・気にとめた5つは全て“ハズレ”だろう。そう思う事で、ボクは騒めく気持ちを少しでも落ち着かせようとしていた。そして取りあえず一つを選んで電話をかけた。

それはマック系だった。頭の中に浮かんだカードは“元に戻る/原点に返る”“やり直す”そして“新しい環境を求める”と言う意味があったからだった。電話にでた人は穏やかな口調で“今担当者が外出中で私には今回の募集の詳しい事は解らないんですが、未経験ですと難しいかもしれません。取りあえずは書類で1時審査になりますので、業務経歴書も合わせて郵送してもらえますか”と言った。マック系は電話の問い合わせの段階で丁重に門前払いが多かったボクには、ちょっと意外な答えに聞こえたが、書類審査では通るわけがない事は解る。

次にボクは思いきって環境を変えるべく・・・“接客”の求人に電話をかけた。接客なんてMUSICショップ以来である。だがこれは飲食関係で、はるか昔のマクドナルド以来である。仕事の“原点”と言えばこれだろうと言う単純な発想だったが、ボクは新しい幅広い年齢層との出会いにも可能性を見ていたのだった。未来像は“こう”と言うモノはあっても・・・日々現実の事となると全然照準が定まっていないボクだった。でもそこから新しいモノが生まれ、新しい繋がりが広がっていくかもしれないのだ。過去の経歴や年齢性別も問わない、東京初進出に近いその会社・・・もしかしたらもしかするかも・・・ボクはそう考えた。

そして面接・・・順番を待っている間に緊張で汗が滝のように流れて落ちた。こんな事は最近のボクにしては珍しい事だった。ボクよりも若いこの面接担当者にボクはどう映るのだろうか・・・およそ20分の面接・・・和やかな空気と言うのはどうなのだろう?“若いですよねぇ、なかなか感じのいい方で良かったです”面接官の彼はそう言った。面接を終えてボクはホッとしたが・・・“今回の募集に関しての意気込みがどのようなものかを教えて下さい”最初にそう言われてボクは答えに一瞬詰まった。おそらくそれは大きな失敗に間違いない。
だがそのつまずきがボクの本当の心の気持ち/姿勢だったのかもしれない。

“採用の場合は月曜日に連絡しますので、市外局番に注意して待っていて下さい”と言われたが、ボクは面接会場を後にして駅へ向かう道すがら“果たして電話はかかってくるのだろうか”と、他人事のような気持ちになっていた。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ・・・その時どうするか・・・ | トップ | 5つの惑星通過中 »

コメントを投稿