着付けの気づき

着付けの個人教室を行っている先生が、着付や着物に対するこだわりの思いを中心に語ります。

着付け師の仕事?

2019-08-08 12:29:25 | 着付け師
先日、和装花嫁の写真撮りのためのポージングの講習会があり参加してきました。

これは和装着付けを済ませた花嫁さんが写真撮影をされる際に、花嫁さんご本人やご衣装が綺麗に見えるように整える作業のことです。
講習会は写真撮影専門の某会社の主催で行われ、そこで活躍されているスタイリストさんが先生になって教えてくださいました。しかしそもそもこの仕事は、着付け師の仕事ではなくカメラマンの仕事です。ではなぜ着付け師がこれを学んでいるのでしょうか。

講習会が始まる前にこちらの会社の方が
「本来これは着付け師の仕事ではなくカメラマンの仕事なので着付け師が出来なくても良いはずですが、ポージングの出来ないカメラマンが増えており、カメラマン自身が安易に着付け師にこれを求めるというおかしな状況が少なからず発生しています。そのためどのようにポージングをしたら良いのかが分からずお困りの着付け師さんからの要望があったために、今回このような講習会を開催するに至りました。
そして、もしも皆さんがポージングの技術を習得されて実際にされる場合は、着付けだけでなくこちらもれっきとした技術なので、着付け料とは別にポージングの技術料をきちんといただいてください」
と言われました。

講習を受けてみると、いかにポージングというものが難しいのかが分かるのと同時に、これは教わらなければ絶対に出来ないもので、れっきとした技術であると痛感しました。
また今回の講習は、主催者側が場所を借りモデルさんに来ていただき花嫁衣装を用意し実際に着付けて技術を教えるというものなので、当然受講料が発生しています。冒頭で会社の方が仰ったことの意味も十分に理解が出来ました。

私は着付けの現場でポージングまでしなければならないようなことはまだありませんが、別の場面で
「これは本来の私(着付け師)の仕事ではない。知識(技術)があるから親切心からやってあげたが出来ない着付け師もいるはず、これで出来ない着付け師と同じお給金で仕事をするというのはどうなのだろう…?」
と思うような経験は何度となくあり、モヤモヤすることがありました。
「出来る人にやらせてしまおう」
と、させる側は安易な気持ちでいるかもしれませんが、出来るということは、経験(訓練)も時間もお金もかけての結果です。何の努力もせずに当たり前に出来るということはありません。それなのにそれらが認められることなく出来るのが当たり前だと思われて、あれもこれも強いられるのでは、いつまでたっても着付け師の地位は向上しません。

色々なことを考えさせられましたが、参加された着付け師さんたちの熱心な姿勢にはプロ根性を感じ、私自身も大いに刺激を受け技術の向上にこれからも務めていきたいと思いました。

とても意義ある講習会でした。

川口着付個人教室
 http://www.wbcs.nir.jp/~yoko

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