着付けの気づき

着付けの個人教室を行っている先生が、着付や着物に対するこだわりの思いを中心に語ります。

「出来ちゃいました」の軌跡

2009-03-10 23:20:16 | 着付け教室
先日、生徒さんの一人が目標を達成され、晴れて私の教室を卒業されました。

私の教室ではカリキュラムもご用意してはいますが、生徒さんのニーズにより目標を定め、目標に達したら卒業というやり方でお稽古を進めています。

当初、彼女は自分自身が着られるようになることが目標だとお伺いしていました。
とにかくとても熱心にお稽古をされる方でした。
普段着はすぐに着られるようになりましたし、帯結びも半幅、名古屋、袋と順調にマスターされ、ウールの着物を着て浅草にお出かけされたり、訪問着を着てお友達の結婚式の二次会に出席されたりしました。さらに帯の変わり結びにも挑戦され、振袖を着てお友達の結婚式に出席されました。ご自身でも課題を掲げてチャレンジされるその姿勢には頭が下がりました。
ちょっとしたお出かけにも憶することがなくなりましたし、その上、着物や帯に関する基礎知識やルールなどもしっかり学ばれましたので、
「もう目標は達成されているので、そろそろ卒業されますか?」
とお声をかけさせていただきました。すると
「もう少しお稽古したいです。身内やお友達など、身近な人にも着せ付けが出来るようになりたいと思います」
とのこと。そして訪問着の着付けとお太鼓の結び、簡単な変わり結びなどと、お稽古をさらに進化させていかれました。

最後のお稽古を終え、つくづくとおっしゃいました。
「着られるようになっちゃいましたね~」
「着せられるようにもなっちゃったじゃない!」
と言うと、納得されたように
「そうですよね~、何だか信じられないです」
と言われました。着物は着るのも着せるのも難しいものだと思われていたようですが、ぐっと身近になったと感じられたようで、私も本当に嬉しかったです。
「今まで勉強してきたことを忘れなければいいんですが・・・」
と不安げな顔も見せられたので
「もし今後わからないことがあったらいつでも連絡してね。お稽古にまた来られて復習されても良いし」
と答えると、
「有難うございます。そうさせていただきます。今まで、本当に楽しかったです」
と言っていただき笑顔でお別れしました。

「出来ちゃいました」が自信になり、次の「出来ちゃいました」を創り出したのですね。

何だか寂しいけれど、目標を達成されて、私の教室に来て良かったと思われる方が一人でも増えることにやりがいを感じ、これからも頑張ろうと思いました。

お元気でね。


川口着付個人教室
 http://www.wbcs.nir.jp/~yoko/

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