元々、インプラントは体内に埋め込まれる器具の総称ですので
医療として骨折等の治療で骨を固定するためのボルトや心臓のペースメーカーだけでなく
美容のために乳房に埋め込むシリコンジェル等も含まれることは知らず
デンタルインプラント(人工歯根)のみを指しているものと思っていました。
【デンタルインプラントの概略】
1.抜歯して顎の骨に穴を開ける
2.フィクスチャーを顎の骨にネジ込む
3.2~6カ月して充分に結合するのを待つ
4.アバットメントをフィクスチャーにネジ止めする
5.義歯をフィクスチャーに接着またはネジで固定して完了
K歯科クリニックにおいて、予め数ヵ月前から歯周病などを直した後
5年前の2008年8月からインプラント治療開始
薄い上顎の増骨が必要だったため
ほぼ1年かかって奥歯4本に埋め込んだ私のインプラントは
その後、奥歯付近の歯肉が年に1度は必ず痛くなる若い頃からの悩みが
一気に吹き飛んだ快適な日々を過ごさせてくれています。
ただし、全て順調なわけでなく
右下の2本は連結した1個の構造になっていたためか
半年に3~4回は外れてしまうというトラブルが続いていました。
ここがゴッソリ外れると、なんとも気になってしょうがないばかりでなく
奥側のアバットメントの先端が頬内側の粘膜に触れて
痛くてたまらないのです。
これがよく外れた義歯。
各々のフィクスチャーに接着剤で固定されているのですが
奥側を主とした太い作りの一方、前側は細いため先に外れ
テコの原理で奥側に強い力が掛かって全体が外れてしまうようです。
結局、私の希望もあり、確か1年ほど経った頃、それぞれ2個に
分割してもらうことにしたのは、最悪それでも外れてしまう場合でも
前側のフィクスチャーの先端は粘膜に触れても痛くないので
すぐにK先生の下に駆け付けなくても数日でしたら過ごせるからでした。
悪い予想は当たるもので
前側だけが3カ月も経たずに案の定、また外れてしまうのです。
専用のスライドハンマーで外せる程度の接着力にしなければならないとのことで
接着剤の主剤と硬化剤の配合割合を何種類か試しても結局はダメ
「完全に固定してはいただけないですか?」とお願いしても
「何かあった時に破壊する以外に方法がなくなるし、その場合は
再度作成するのに15万円ほどかかるので…」と頑なに拒否されてしまいます。
また、「前側のフィクスチャーは連結を前提にした細い物なので分割すると外れ易い」
との言い訳には正直、ちょっと呆れましたが
「だって先生、連結された元の構造で何度も外れたんですよ」
と異議を唱えると、カルテで確認して黙ってしまいました。
(おいおい、自分でした治療を忘れていたのかよ!)
ちなみに、この最後の接着を
以前から「仮止め」だったか「仮〇〇」と呼んでいた記憶があり
それは“必要な時にいつでも外せる”程度に接着することを意味しているようです。
結局、分割してからも6カ月に1度のメンテナンスを待たずして
ほぼ3カ月経つと必ず外れる状態を2年以上続けていた昨年のある日
ふと思いつきでやってみたのが水道の蛇口装着等の際に使用する
テフロンテープを小さく切り義歯側の穴に当てて噛み込むことでした。
これが思いのほか具合が良く、1カ月は充分モツので自宅で1カ月毎にやり直して
スキーのお仕事が詰まっていた昨年冬はメンテナンスにも行けず
半年以上をこれで過ごしてしまいました。
ただし後に、K先生からは
「あくまで緊急用の短期間にしてください!」と注意され
「義歯とアバットメントの隙間はミクロン単位なので…」との理由の説明には
水漏れを防ぐテフロンテープだから問題ないのでは、と反論しようと思いましたが
勝手なことをされたのでは面目が立たないという
ことなのでしょうから止めておきました。
“短期間”とはどの程度の日数か分からないし…。
そんなこんなで今回、約1ヶ月前にまた外れてしまい
”緊急用”のテープ処置をしてあったのですが、また忙しくなるシーズンを前に
今回こそは“完全固定”を強く依頼する覚悟でK歯科医院を訪ねたのでした。
(続く)