保護猫活動する隠居爺の野菜作りとスキーの日記そして病気の記録

冬場の60日以上はスキー、夏場はそのための体力作り&自給用野菜作り、そして保護猫活動と病気の記録も綴ります。

浮世絵の肉筆画?

2015年07月08日 | 旅行とレジャー

 

数日前の新聞記事です。

これを1ヶ月前に見ていたらかなりの戸惑いを感じたに違いありません。

なぜなら浮世絵は100%版画だと思っていたのですから。

実は1カ月前に女房に誘われて
美味いと評判の豚カツを食いに行ったついでにこの北斎美術館を訪れていて
かなり多くの点数が飾られている“肉筆”浮世絵なるものを不思議に思い
どうもはっきりしない錦絵と浮世絵の違いについてとともに
わざわざ学芸員から説明を受けていたのです。

昼休みを邪魔されて迷惑そうに出て来たこの爺さんの話と
その後帰宅して調べた内容を合わせると大まか以下のようなことが分かりました。

ちなみにこの豚カツ専門店、私は決して飛び抜けた味とは思いませんが
大いに褒める方がいますし、事実、昼飯時は結構混んでいますので
栗おこわ以外の食事を所望する方はこちらをお訪ねください。

 

【浮世絵と錦絵の違い】

浮世絵が版画だけだと思っている人は意外と多いらしいのですが
浮世絵は江戸時代に描かれた風俗画全般を指す言葉なので
浮世絵師が手がけた肉筆画も含まれます。

錦絵は鈴木春信が始めた“多色摺り版画”の浮世絵のことを指し
それ以前の墨摺りや筆で一色二色書き加えただけの版画は含まれません。

つまり錦絵は浮世絵の1つの種類であって
この技術により大量生産できるようになり一気に庶民に広まりました。

また明治以降の物を錦絵、それ以前の物を浮世絵と呼ぶことがありますが
江戸時代の物を錦絵と呼んでも一向に差し支えありません。

ただ、明治以降の物を浮世絵とは呼ばず、ほぼ間違いなく錦絵と呼びます。 

【版画と肉筆画】

初期の浮世絵はほとんどが肉筆画で
1点だけの作品のためひとつひとつ鮮やかな彩色が施されました。

ただし裕福な武士や商人等の個人の依頼によって描かれるものですから
多くの人の目に触れることはなく、これが庶民のものとなったのは
この多色摺り版画技術の賜物と言えるらしいです。

現在、肉筆の浮世絵は現存が確認されているものが少ないこと
純粋な「日本画」との区別が難しいこと、そして贋作が多くその判別が難しいこと
などの理由から版画に比べて研究者から嫌煙される状況にあるとされ
浮世絵=版画と考えがちなのもそのためではないかとのことです。

 

蛇足ではありますが、この不機嫌な爺さん学芸員をわざわざ呼びだしたのは
私の質問に上手く答えられなかった受付の若い女性職員です。

小布施という今や信州を代表する観光地にある美術館なのですから
学芸員がいくら調査、研究や展示物管理が主たる仕事ではあっても
多くが遠方からの、それも1000円も入館料を払っている
お客の前に顔を出すのであれば、もう少しもてなす気持ちを感じる対応が
出来てもよいのではとちょっとばかり残念な気持ちになったことを付け加えておきます。

 

 

コメント
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