カモメの粘り勝ち

船釣りをしていると必ずカモメがすぐ近くまでやって来ます。

釣れた獲物が小さいとおこぼれにあずかれることを知っているからなのです。

僕の観察によると大体一羽が張り付いていることが多いように思われます。報酬を独占するために力の強い奴が他のカモメを寄せ付けないのか、駅前のタクシーよろしく順番を決めてやって来るのか聞いてみたいものですがカモメ語が話せないのでまだ聞いておりません。

さて昨日はカモメの行動を注意深く観察してみることいたしました。

面白いことに気がついたんです。なんとカモメは船の周りを泳ぎながらグルグルと回っているのです。竿の届く距離には決して近づかないで横目で釣り人の様子を見ているようです。こちらがカモメの方を見るとわざと視線をそらして知らん振りを装う。

「意外と可愛いんだな、これが。」

いつまで待っても僕が獲物を与えないので今度は後ろで舵を取っているＨ船長の周りをウロウロ。あちらも取り合わないので船をぐるっと回ってまたこちらへ。どうゆう訳か時計まわりにぐるぐるグルグルと。

船は潮で流されるためしばらくするとエンジンをかけて元の場所の戻るのですが船が動きだしてもカモメはその場所に留まったままなので「はは～諦めたかな？」と思ったらあにはからんや。

元の場所に船が戻ったと同時に船の横に来てるんですね。船よりも早く空中を移動できるため時間差を設けて追っかけて来ていたのでした。どこまで戻るか分からないので行き先を見定めてから飛び立っているらしく結構要領がいいのに驚きました。

いつもであればリリースサイズの小あじを太刀魚釣りの餌にするためこの日は最後まで一匹もゲットできなかったと思いきやカモメの粘り勝ちと相成りました。

とうとう最後まで太刀魚がかからなかったわれら二人、餌として使っていた小アジをカモメに空中キャッチさせることに・・・。

さて成功したかどうかはビデオを見てのお楽しみ。




ビデオの長さ　２７秒


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